シャネル(Chanel)の新作フレグランス、チャンス オー スプランディドの顔となったベルギー出身のポップスター、アンジェル。チャンスをつかみ、キャリアを切り拓いてきた彼女のフレッシュな魅力を探る。(『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2025年7・8月合併号掲載)
ミュージシャン、俳優、プロデューサーなど多彩な顔を持ち、Z世代の圧倒的な支持を獲得しているアンジェル。ベルギー出身の29歳の才能が世に放たれたのは2015年。SNSに音楽動画を投稿していたことを機にキャリアが広がり、17年にメジャーデビューを果たした。愛らしいルックスに反し、彼女が手がけるリリックには確固たる意思が反映されており、19年には#MeTooムーブメントを受けた楽曲「Balance Ton Quoi」がヨーロッパで大ヒット。女性たちは我慢せずに不適切な行為に声をあげ、問題に向き合おうという思いを、ポップなサウンドにのせて世界へと発信した。その後もポップ、エレクトロ、ラップなど、型にはまらないスタイルで活躍の場を広げ、第33回パリ2024オリンピックの閉会式でパフォーマンスを披露。ポップカルチャーが社会変革のベクトルになりえることを示すアイコンとして存在感を増している。
シャネルは、自由ではつらつとしながらも、チャンスを自らの手でしっかりとつかみ取ってきた彼女を、新作フレグランス「チャンス オー スプランディド」のアンバサダーに任命。自身の音楽表現と同様に、アンジェルはシャネルのアンバサダーを通して若い世代に「挑戦を続けること。挑戦を諦めないこと。そして、自分の心に従うことが大事」だとエールを送る。
「私自身、自分の楽曲の歌詞にもメッセージを込めるようにしています。何を発信するか否かはきちんとコントロールする必要はありますが、自分の内なる思いを大切にすることが何よりも大事。つながっているつもりが、実は他人との関係性をうまく保つのが難しく、スピードが求められる現代において、自分が信じたり大事にしている思いなど、直感に従っていくことが大切だと思っています」
SNSでつかんだ人生のチャンス
これまで3度来日し、日本食が大好きだと語る彼女の好物はお餅。16年前に家族と来日した際に見た、忘れられない景色を再訪する日を楽しみにしている。
「温泉が大好きで、いつも温泉文化がヨーロッパにもあったらいいなと思っています。今訪れたいのは富士山の近郊。家族と見た富士山はものすごく美しく、強烈なパワーを感じたので、再度あの大自然に触れてみたいなと思っています」
これまでたくさんのチャンスに恵まれてきたアンジェルだが、自身が思う人生最大のチャンスはいつだったのか?
「キャリアの初期段階の、SNSに音楽を投稿し始めた頃になると思います。学校ではジャズを学んでいたのですが、退屈だったのでSNSに短いカバーソングを投稿し始めたんです。ものすごく新鮮でワクワクする体験でした。そんなとき、近しい友人が、『あなたの投稿が大好きなので、ぜひ一緒に何かしましょう』と声をかけてくれたんです。実はその人は私の元ベビーシッターで、今では10年間マネージャーをしてくれている人なんです。チームは増えましたが、みんな家族のように仲良く過ごせるのが楽しくて幸せ。みんな勤勉ですし、お互いに人間的にも信頼できる最高のチームに恵まれているのが一番の喜びです」
幸運を呼び込む香りを纏う

直感を信じてチャンスをつかむ女性をイメージしたシャネルの「チャンス」。その5番目の香りとして登場したのが、「チャンス オー スプランディド」。弾けるようなラズベリーのジューシーな香りに、ローズ ゼラニウムがフローラルな表情を演出。アイリスとセダーとホワイトムスクのウッディでパウダリーなノートが、甘さの中にミステリアスな奥行きをプラス。凛とした佇まいと、魅惑的なフルーティ フローラルの余韻に心を奪われる。
©CHANEL
Photos : Courtesy of Chanel Interview & Text : Rieko Shibazaki Edit : Naho Sasaki
Profile
