フーディーが推す! 新・美食都市ドバイで行くべき最高級レストラン5選 | Numero TOKYO
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フーディーが推す! 新・美食都市ドバイで行くべき最高級レストラン5選

「世界一」「世界初」が目白押しのアラブ首長国連邦(以下、UAE)のドバイ。2022年には中東で初めてとなる『ミシュランガイド』の出版がスタートしたほか『2024年版 世界のベストレストラン50』にもドバイのレストラン『Trèsind Studio』がランクインするなど、近年ドバイは美食都市としての側面も強めている。今回は現地在住のフーディーに案内してもらったお店の中から、ドバイで行くべき最新&最上級レストランをピックアップして紹介したい。

1. ドバイ名物「バージュ・カリファ」内の世界一高いファインダイニング「At.mosphere」

ドバイと言えば、世界一の高層ビル「バージュ・カリファ(Burj Khalifa)」を思い浮かべる人も多いだろう。チケットを買って124階と125階にある屋外展望台からの眺めを楽しむのもいいが、実は展望台とほぼ同じ高さにファインダイニング&ラウンジがある。それが122階、地上442メートルに位置する「At.mosphere」だ。

「At.mosphere」へは「バージュ・カリファ」内にある世界初のアルマーニ・ブランドのホテル「アルマーニホテル・ドバイ」からアクセス可能だ。「At.mosphere」では、展望台と同じ眺望とともに、贅を尽くした西洋料理をいただける。

オールデイダイニングのため、朝から夜まで好きなタイミングで利用できるのも嬉しい。今回私は混雑を避けられるモーニングで利用してみた。人気はアフタヌーンティーのような華やかなおもてなしの朝食コース(450AED)。ビエノワズリーやフルーツ、ヨーグルト、和牛シャルキュトリーやチーズがスタンドで供され、選べる卵料理とクロッフル(もしくはココナッツチア)、サラダがついた豪華な内容だ。

アラカルトも「ロブスターキャビアorトリュフスクランブルエッグ」(325AED)、「和牛ブレザオラサラダ」(115AED)などラグジュアリーなものばかり。とはいえ高級食材に頼るだけでなく、調理の腕の高さも感じられる上品な料理に仕上げられている。ドリンクメニューにもジャコウネコから採れる高級コーヒー「コピ・ルアク」(120AED)が並んでおり、“世界一”の格式高さを感じた。

At.mosphere
住所/57XF+J8R Burj khalifa – 122nd Floor – Downtown Dubai
TEL/+97148883828
URL/www.atmosphereburjkhalifa.com/

2. シリア人3兄弟が手掛けるミシュラン一つ星店「Orfali Bros.」

ビザなしで訪れることが難しい国が多い中東にあって、ドバイはいわば中東各国の食文化を知る玄関口とも言える。『ミシュランガイド・ドバイ2024』で初の一つ星に輝いたほか『2024年版中東・北アフリカ ベストレストラン50』で第1位に輝いた「Orfali Bros.」も、そんな中東の食文化を知れる人気店の一つだ。

お店を手掛けるのはシリア出身の3兄弟。長男がシェフ、次男と三男がペストリーシェフを務めており、シリアを中心に中東の食文化を独自の解釈で表現している。

例えば「eat H」(49AED)は 、中東で親しまれているドルマを想起させる一品だ。デュラム小麦を全粒のまま湯通しして挽き割りしたブルグルにキヌアやトマトなどの野菜、ウォールナッツなどを合わせたサラダに、シリアの首都アレッポ風の3種のチリペーストを加え、ドバイで栽培されたシソで包んでいる。

和牛ビーフケバブの「come with me to Aleppo」(95AED)も、シェフがアレッポで親しんだ味を再構築したもの。サワーチェリーの甘酸っぱさやシナモンの甘さ、パインナッツの香ばしさが肉のうまみを引き出している。

料理やドリンクに熟成や発酵を巧みに取り入れるのも、このお店の特徴だ。「burnt leeks & truffle Pide」(95AED)も、5日間発酵させて焼き上げたサワードウに、味噌バターソース、モッツァレラチーズ、チャイブや焦がしたリーキ、ヘーゼルナッツをトッピングし、トリュフオイルをまわしかけている。

食後には、次男と三男が手掛けるスイーツのオーダーもお忘れなく。チェリーの見た目がキュートなダークチョコレートケーキの「Karaz」(60AED)や、クリスピーでコクのあるピスタチオとラズベリーの酸味が寄り添う「Aleppo Pistachio Mousse」(65 AED)など、見た目も味も繊細でレベルが高い。

Orfali Bros.
住所/D92 – Jumeirah – Jumeirah 1 – Dubai
TEL/+97142592477
URL/orfalibros.com/

3. セレブ御用達の高級リゾート「Madinat Jumeirah」内のシーフードレストラン「Rockfish」

Photo by Rockfish
Photo by Rockfish

アラビア湾に面したドバイは、新鮮な魚介類が味わえるロケーションでもある。ドバイならではのシーフードを味わうなら「Rockfish」がおすすめだ。まるでテーマパークのような広い敷地内に複数のレストランやホテル、ドバイ最大級のスパ「Talise spa(タリーズ・スパ)」などが点在する高級リゾート「Madinat Jumeirah(マディナ・ジュメイラ)」にある5つ星ホテル「Jumeirah Al Naseem(ジュメイラ・アル・ナシーム)」内に位置する。

「Rockfish」料理長のアンドレア・ブルニェッティ氏は、5つ星ホテルやミシュランスターシェフのJamie Olivier氏やFabio Campoli氏などの下で研鑽を積んだ若きイタリア人シェフ。イカやソフトシェルクラブ、エビの「フリットミスト」(95AED)や「ブッラータ&トマトサラダ」(95AED)などイタリアンな仕立てのシーフード料理が味わえる。

特にオーダーしてほしいのが、ローフィッシュと塩釜焼きを施した魚料理。魚の下処理も丁寧で、生魚や焼き魚に一家言ある日本人の期待を上回る味わいだ。ワインのセレクションも豊富なので、ぜひともお酒と一緒に味わいたい。

Rockfish
住所/Jumeirah Al Naseem, Madinat Jumeirah, King Salman bin Abdulaziz Al Saud Street, Umm Suqeim 3 – Dubai
TEL/+971800323232
URL/www.jumeirah.com/en/stay/dubai/jumeirah-al-naseem/dining/rockfish

4. 国際色豊かなドバイの今を感じるイノベーティブレストラン「Jun’s」

ドバイと言えばアラビア半島だけでなく、アジアやアフリカ、ヨーロッパなど、世界各国の人々が暮らす多国籍シティの顔を持つ。そんな国際色豊かなドバイの今を感じられるレストランが、中国系カナダ人のKelvin Cheungシェフが腕を振るうダウンタウンの「Jun’s」だ。

中華料理のノウハウや北米での生活経験、フランスでの修業経験や世界各国への旅行経験が豊富で、彼自身の実体験をベースにしたストーリーテリングな創作料理がテーブルを彩る。

例えばフィンガーフードの3種盛りの一つは、シェフがフィリピンを旅した時に出合った豚ひき肉料理の「シシグ」をイメージしたスナックだ。スモークサーモンチーズサンドイッチベーグルを、2種類のニンジンで表現したベジタリアンサンドなどもあり、食の多様性にも対応している。

プティフールまでサプライジングだ。オーダーを受けてから焼き上げるミニサイズのマルドンシーソルトチョコレートチップクッキーや、超ミニサイズのオリジナルグミベア、ゲストそれぞれに異なるメッセージを包んだフォーチュンクッキーなど、シェフの独創的でゲスト想いな品が並ぶ。

現在「Jun’s」はミシュランガイドのセレクテッドレストランやゴ・エ・ミヨにも掲載されており、来年度は一つ星を獲得するのではないかと噂されている注目のレストランだ。

Jun’s
住所/Sheikh Mohammed bin Rashid Blvd – Downtown Dubai
TEL/+97144576035
URL/www.junsdubai.com/

5. UAE最大のインフィニティ・プールを有するモダン日系レストラン「TAPASAKE」

Photo by One Za’abeel
Photo by One Za’abeel

2024年2月にドバイにオープンし話題となっているのが、「One&Only One Za’abeel」や「SIRO One Za’abeel」が入るオフィス&ホテル棟と、レジデンス棟の2つのビルからなる「One Za’abeel」だ。日本の日建設計が手掛けており、2つのビルを世界最長67.5メートルのCantilever(「片持ち梁」=片方の端が固定され、もう片方は自由に動く構造)の「The LINK」が繋いだ独特の建築が目を引く。

「The LINK」は、3層構造のレストランとバーが入る商業施設で、UAEで一番長い120メートルのインフィニティ・プールが最上部に設置されている。

このインフィニティ・プールを有するのがペルーの日系人からインスパイアされたモダンジャパニーズレストランの「TAPASAKE」だ。

刺身や握りにチポトレマヨネーズを合わせたり、和牛のたたきにシトラスポン酢のジュレを添えたり、お酒が進む創作ジャパニーズフードが揃う。もちろんプールサイドでもオーダーが可能。唯一無二の景色と共に、味わいたい。

TAPASAKE
住所/Za’abeel 1, Za’abeel The Link, 27 floor – Dubai
TEL/+97146661617
URL/www.tapasakedubai.com/

中東だけでなく、世界各国の気鋭の料理人たちや極上の食材が集まるドバイ。さまざまな国や地域の文化を取り入れ、固定観念にとらわれない発想で生み出される美食を味わいに、足を運んでみてはいかがだろうか。

取材協力:ドバイ経済観光庁(DET)
※AED=UAEディルハム、1AED=43.1円(2025年1月7日時点)

Photos & Text:Riho Nakamori

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