癒しと刺激のワンダーランド、新時代のベトナムへ!【DAY1:フーコック】
「どこか行きたい!」なんていう漠然としたエスケープ欲で旅先を探すとき、まず迷うのはこんなこと。“欲しいのは癒し、それとも刺激?” そう、溜め込んだストレスを手放せるのも、新しい視点を持てるのも旅の醍醐味。それなら、どちらも欲しい! ということで最推しするのは、熱帯アジアの国「ベトナム」4日間の旅。まずは旅の前半「フーコック」から。実はここ、世界の観光地図において急速にマークされている島。一足お先に楽園の新星をのぞきに行くなら、今しかない!
旅のはじまりは、旅情満点のベトナム航空で
ダナン、ニャチャン、ホイアン。世界中のトラベラーから人気を集める有名リゾートが点在するベトナム。そんな中、近年目覚ましく進化を遂げる島がある。それが、カンボジア沖合のタイランド湾に浮かぶ、フーコック。南北約50キロ、東西約25キロの小さなハート形の島で、「ベトナム最後の秘境」と呼ばれている。水産物が豊富に獲れる素朴な漁村の島が、観光振興を本格化させたのは2004年。島南部の本格的な開発はここ10年ほど。ヨーロッパや韓国、タイから高感度なトラベラーが続々と増え、20年前と比べると観光客数は約40倍に上昇したと言う。
離島といえど、日本からのアクセスはとてもスムーズ。たとえば日本を早朝に出発、約5時間のフライトでホーチミンのタンソンニャット国際空港へ。国内線に乗り換え約1時間で、昼過ぎにフーコック国際空港に到着。到着日からたっぷりと過ごせるのはかなりの魅力。
フライトをより快適に過ごすなら、国内線が21都市に就航しているナショナルフラッグキャリア「ベトナム航空」が最適解。安定の運航スケジュールで、預け荷物は無料、食事やエンタメなどの機内サービスが充実と、LCCにはないメリットは大人旅に欠かせない。鮮やかなアオザイを着たキャビンクルーの姿に、旅気分も急上昇。
ビジネスクラスなら、その魅力はさらに倍増。全身を預けられるフルフラットシートに、プライベート空間を堪能できるヘリンボーン配列。さらに、地上に近い気圧や湿度が設定されているから、機内特有の乾燥とも無縁。また、空港ラウンジを利用できる特典もビジネスクラスならでは。空港内のカフェがクローズしている早朝でも、無料のドリンクや軽食とともにのんびり過ごせるのは嬉しい限り。
日本からホーチミン行きのビジネスクラスでは、アミューズ・ブーシュと食前酒から始まる、鮮やかなコースグルメが旅人の胃袋をお待ちかね。ベトナムの渋味「ベジタブルロール」やメインのポークグリル、フルーツやチーズの盛り合わせと、大充実のラインナップだ。同地のビール「333(バーバーバー)」や、老舗陶磁器メーカー「ミンロン」の蓮の花をイメージした食器も、旅情を煽るファクターに。
いよいよフーコック、冒険の旅へ
田舎町を抜けて島の南端に向かうと突然景色が変わり、テラコッタやカラフルな壁の建物が並ぶ「サンセットタウン」へと入る。いわゆるアジアの雑多な景気は見当たらず、優美なデザインで統一された世界は「本当にベトナム!?」と意表突かれるほど。
というのもここは、ベトナムの観光不動産を手掛ける「サン・グループ」が開発する、巨大リゾートシティ。ダナンやニャチャンでも展開している大規模なリゾート開発を、ここフーコックでも成し遂げているのだ。まだまだ開発の途中だからか空きテナントも目立つが、今後盛り上がっていく期待感が湧いてくる。高台から海岸まで続く石畳の階段や、レンガ塀に挟まれた小道を探検すれば、巨大迷路のような楽しさが!
町の中心にある時計台まで来れば、そこが今宵のステイ先「La Festa Phu Quoc, Curio Collection by Hilton」。2024年3月に開業したばかりの白亜のホテルで、館内には鮮やかなターコイズや柑橘色のファブリックが備えられ、リゾート感たっぷり。モダンで上質な家具が設られた客室では、大きな窓から心地よい潮風が旅人を迎え入れる。
La Festa Phu Quoc, Curio Collection by Hilton|ラ・フェスタ・フーコック・キュリオ・コレクションbyヒルトン
住所/Sunset Town, An Thới, Phú Quốc, Kiên Giang 91000 Vietnam
TEL/+84 297 3525 555
URL/www.hilton.com/en/hotels/pqcpqqq-la-festa-phu-quoc/
予想以上に洗練された空間に身を置くと、ベトナムのイメージはいい意味で翻されることに。チェックイン後は、幻想的なグラデーションが広がる日暮れまで、客室やプールで羽を休めるのが正解。きらめく海を眺めながら、のんびりと街の空気感を堪能して。
きらめく海の先に見えるのは、巨大な芸術的建造物「キス・ブリッジ」。橋の中心に約50センチの隙間があり、“キスをする前の恋人同士の距離感”が表現されているとか。たしかに、そんな甘い体験を求めて、両端からキスにトライするカップルもたくさん。
こんな心地よさの中では“何もしない贅沢”を味わいたいところだが、サンセットタウンは夜も楽しい。小道を抜けて散策すれば美味しそうな匂いが鼻をくすぐり、ナイトマーケットに誘われる。屋台を巡って手頃なバインミーやフォーを食べ歩いたり、通りの賑わいを感じるアウトドアレストランでお洒落ベトナミーズを味わったり。野菜、香草、エビなどをライスペーパーに乗せて巻いて食べる「ゴイクォン」にも遭遇。
サンセットタウンの夜に欠かせないのが、街の中心にあるシアターで毎夜行われる水上ショー「キス オブ ザ シー」。このクライマックスを彩る花火を部屋から楽しめられるのは、「ラ・フェスタ・フーコック」のゲストならでは。スペクタクルなフーコックの夜空を眺めながら、ルームサービスのシャンパンで乾杯!
幻想的な一夜が明け、目覚めると日常のストレスはどこへやら。朝食ブッフェで温かいフォーや、たっぷりの野菜を自分でサンドできるバインミーを味わえば、心も身体もととのい完了。さて旅は2日目、さらなるフーコックの魅力を探しに行こう。
Text:Yuki Miyahara