ファッションストーリー「おとぎの国のグレース」
スペイン東部、トレビエハに位置する塩湖「ピンク・レイク」で撮り下ろした秋冬シーズンのキールック。幻想的な淡いピンクが広がる湖で、モデルのグレース・ゲイがノスタルジックなムードで送る。(『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2024年10月号掲載)
歳を重ねるごとに移り変わる“人生の変化”をインスピレーション源に、子どもから大人へ成長する時の服に注目。ミニドレスにタイツを合わせたルックのポイントは、繊細なメタリック素材のフラワーモチーフ。いつの時代にも親しみのあるフラワーが輝きを放つ。
アーティスティック・ディレクター、ニコラ・ジェスキエールが歩んできた10年にわたる冒険の旅を回顧したコレクション。貴族の衣装を彷彿とさせる煌びやかで大胆な刺繍が施されたコートを纏えば、ピンク色の湖に浮かぶマーメイドのよう。
ガブリエル・シャネルがブティックをオープンしたゆかりの地、ノルマンディーにあるリゾート地“ドーヴィル”へのオマージュを捧げたショーは、まるで映画の世界。物語の始まりは、マスキュリンな要素を取り入れたパンツルックにビッグハットを被って。
ムッシュ・サンローランが手がけてきたシアールックを再解釈し、挑発的でありながらも繊細で品格のあるショーを披露した。シアー素材のボディスーツにヘアを覆うハットとバングルを合わせれば、今季のキールックが完成。
「本能的なロマンス」をテーマに歴史の断片を探りながら現代のウェアに再構築したプラダ。縦のラインを際立てるノースリーブドレスの肩やウエストに施したのは、クラシックなリボン。ペールトーンに包まれて、甘く、ロマンティックな雰囲気が漂う。
テーラリングとクチュールの融合がクリエーションのキーとなり“由緒”の研究をテーマにコレクションを展開。彫刻やアートピースのような装飾が施されたロエベらしいルックが多く発表された。オーストリッチ柄が印象的なルックが美しい自然の中に溶け込む。
クリエイティブ・ディレクターのマチュー・ブレイジーのインスピレーション源は時間と旅。「現実的かつ実用的で、目的をもったものが持つ魅力と自信」に着目し、改めてデイリーウェアを探求した。ポジティブな未来を描くイエローカラーを味方に。
英国とイタリア・ローマのスタイルに着目し、身に着ける人の真の強さ、意思表示が感じられるファッションを提案。伝統を新たな視点で解釈し、リアルで軽やかさの中にも緻密なテーラリングの技術を融合した。ローマの彫刻のプリントが施されたドレスにブーツを合わせると、モダンに魅了する。
ギリシャ系アメリカ人のソプラノ歌手、マリア・カラスへのオマージュをテーマに展開したアーデムのショーは、1950年代の煌びやかでグラマラスを表現しながらも、舞台裏を見ているかのような不完全で荒々しさを残していた。インパクトのあるファーコートにはフェザーがあしらわれたフラットなスリッポンをコーディネートし、目を見張る存在感を演出。
1970年代、イギリス・ヨークシャー地方を舞台に放映されたコメディドラマ『ラスト・オブ・ザ・サマー・ワイン』が着想源のひとつとなったコレクション。三つ編みヘアのような肩紐がインパクトあるドレスは、イギリスらしいユーモアと奇妙さが盛り込まれている。
「コンフォート」をキーワードにやわらかく優しい雰囲気のコレクションを発表。ブラックやホワイトに加えて色鮮やかなカラーを展開し、ルックは単色で統一された。光沢感のある素材が目を引くセットアップスタイルは、タイムレスな輝きが放たれる。
1967年に誕生したプレタポルテのコレクション「ミス ディオール」へのオマージュを発表。シンプルで体を締め付けることなく自由に動くことのできるデザインが採用された時代を振り返りつつ、モダンなエッセンスを融合させた。ホワイトのシンプルなアイテムにゴールドの装飾を施し、上品な華やかさを演出。
Photos:Ina Levy Styling:Marta Zaczyńska Makeup:Rebecca Muir using Violette Fr Model:Grace Gay via Titanium Management Creative Production:Summer Stassen, Ivi Bruls via If Opposites Attract Casting:Anna Jozwiak Retouch:Paul Drozdowski Photo Assistant:Emma Harries Styling Assistant:Amelié Richart Special thanks to the hotels, Asia Gardens Hotel & Thai Spa and Mansion Taratatá Edit & Text:Maki Saito