吉沢亮が案内する、 ミス ディオールの世界
メゾンを象徴するフレグランスとして70年以上愛されてきたミス ディオール。その歴史と真髄に迫る「ミス ディオール展覧会 ある女性の物語」が今年6月〜7月の1か月間、開催され好評のうちに幕を閉じた。その会場の様子を吉沢亮がレポートする。(『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2024年10月号掲載)
ミス ディオール パルファンは甘さと爽やかさがふわっと漂う洗練された香り
新ミス ディオール パルファンの誕生を記念して、6月から1カ月、東京で開催され好評のうちに幕を閉じた「ミス ディオール展覧会 ある女性の物語」。世界中を巡回してきたエキシビションに、ディオール ビューティー アンバサダーの吉沢亮が来場。「ミス ディオール」にまつわる美に触れてきた。
「リボンを象ったモダンな部屋があったり、壁一面に刺繍が施されたクラシカルな部屋があったり。部屋ごとにそれぞれ独自の世界観やテーマがあって、これまで鑑賞してきたどの展覧会とも違う、空間としての楽しさがあるのも印象的。どの部屋もそれぞれ変化があって素敵でした」
オートクチュールドレスやアーティストによる作品を展示した部屋、ミス ディオールの誕生に深く関わるアーカイブコレクション、歴代のフレグランスボトルなどが展示された部屋など、足を踏み入れるごとにユニークな世界観が楽しめる工夫が凝らされていた本エキシビション。
特に吉沢が時間をかけて作品をひとつひとつ見つめていたのが、イラストレーションの部屋。ピンクの濃淡が美しいドレープのような空間に飾られたのは、クリスチャン・ディオールの盟友ルネ・グリュオーと、現代のマッツ・グスタフソン、2人のイラストレーション作品だ。
「展示空間も素敵で、見たことのある作品もいくつか展示されていたので興味深く鑑賞させてもらいました」
ルネ・グリュオーは、クリスチャン・ディオールの盟友として50年にわたり数々のコラボレーションをしてきたイラストレーター。「ミス ディオール」ラインや「ニュールック」を象徴する「バー」スーツなどのイラストも手がけたことで知られる。アート愛好家で芸術家との親交も深かったクリスチャン・ディオールらしい一面を感じる展示だ。
吉沢亮とアートとの対面
「海外に行ったら著名な美術館に足を運ぶことも多いですし、アート鑑賞は好きです。でも、アートをどういう目線で見るのかって本当に人それぞれで、難しいなと思うことも正直あります。名画とされる作品を実際に見て『そんなにいいと思えない自分ってどうなんだろう』と思ったりすることもあります(笑)。歴史を知っているからこそ好きになれるものもあるし、感じ方は人それぞれだからこそ、自分がいいと思ったその感性や、作品から何かインスピレーションを得たときはそれを大事にしよう、と思います」
そして、アーカイブコレクションが展示される部屋を歩きながら感じたことを話してくれた。
「こうして歴代のミス ディオールのボトルを見ていると、デザインの細かい部分は変わってきたとしても、今も基本的な部分は変わっていないことに改めて驚きます。70年経ってもエッセンスは変わらない。ミス ディオールの存在の偉大さを感じます」
長きにわたり残っていく映像作品に多数携わっている俳優として、何か感じることはあっただろうか。
「僕は、自分のやりたいことをとことんやりたい人。自分がいいと思ったものには妥協しないと決めています。心から愛せる作品や芝居としっかり向き合っていくことは、今後も今までと変わらず大事にしながら、真摯にものづくりに向き合っていきたいです」
Photos : Shunya Arai Styling : Daisuke Araki Makeup : Uda Hair : Asashi Edit & Text : Naho Sasaki