猫たちが岡本太郎記念館をジャック!「ヤノベケンジ: 太郎と猫と太陽と」開催 | Numero TOKYO
Art / Feature

猫たちが岡本太郎記念館をジャック!「ヤノベケンジ: 太郎と猫と太陽と」開催

ヤノベケンジ『BIG CAT BANG』2024年
ヤノベケンジ『BIG CAT BANG』2024年

子どもの命令に従い火を吹く『ジャイアント・トらやん』など、巨大立体作品で注目を集める現代アートの風雲児、ヤノベケンジ。この夏、敬愛する岡本太郎の旧宅を猫だらけ(!)にするという。まずは『BIG CAT BANG(猫大爆発)』の物語から始めよう。(『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2024年9月号掲載)

『BIG CAT BANG』2024年(GINZA SIXでの展示風景) Photo: Yasuyuki Takaki ※参考作品
『BIG CAT BANG』2024年(GINZA SIXでの展示風景) Photo: Yasuyuki Takaki ※参考作品

それは今年4月のことだった。東京はGINZA SIXの吹き抜け空間に現れた、驚くべき眺め。無数の猫たちが岡本太郎『太陽の塔』の形をした宇宙船とともに浮かんでいる! その名も『BIG CAT BANG(猫大爆発)』。

『SHIP’S CAT(Ultra Muse Black)』2024年(音羽山 清水寺での展示風景)※参考作品 Photo: KENJI YANOBE Archive Project
『SHIP’S CAT(Ultra Muse Black)』2024年(音羽山 清水寺での展示風景)※参考作品 Photo: KENJI YANOBE Archive Project

制作風景(京都芸術大学 ウルトラファクトリーにて)Photo: KENJI YANOBE Archive Project
制作風景(京都芸術大学 ウルトラファクトリーにて)Photo: KENJI YANOBE Archive Project

地球上の生命は約35億年前、宇宙船に乗った「SHIP’S CAT」こと「宇宙猫」たちによってもたらされ、長い進化の末に私たち人類が誕生した——。アーティストのヤノベケンジによる、壮大なストーリーに基づく作品だ。

と、ここまでは小誌&ウェブでも制作秘話レポートでお伝えしたところ。あの猫たちが、今度は青山の岡本太郎記念館をジャックするという。ここは岡本太郎の元自宅兼アトリエで、坂倉準三による名建築としても知られる。幼い頃「大阪万博(日本万国博覧会/1970年)」の取り壊し現場に立つ『太陽の塔』を見たことでアートの道を志したヤノベが、太郎の名言「芸術は爆発だ!」を宇宙の誕生と重ね合わせ、真っ向勝負を挑むのだ。
生命はどこから来て、どこへ行くのか? 物語は続く。太郎と猫と太陽と、イマジネーションの“大爆発”——その軌跡を見逃すな!

『Sun Child』2011年(「ヤノベケンジ:太陽の子・太郎の子」岡本太郎記念館での展示風景)※参考作品 Photo: KENJI YANOBE Archive Project
『Sun Child』2011年(「ヤノベケンジ:太陽の子・太郎の子」岡本太郎記念館での展示風景)※参考作品 Photo: KENJI YANOBE Archive Project

「ヤノベケンジ:太郎と猫と太陽と」
同館でのヤノベの個展はエネルギーの象徴たる太陽を手にした少年の像『Sun Child』を発表した2011年に続く2回目となる。

会期/2024年7月12日(金)〜11月10日(日)
会場/岡本太郎記念館
住所/東京都港区南青山6-1-19
TEL/03-3406-0801
URL/https://taro-okamoto.or.jp/
※最新情報はサイトを参照のこと。

 

Edit & Text : Keita Fukasawa

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