ビーチだけじゃない! ワイナリーや新施設など「ゴールドコースト」でいま行きたいスポット4選 | Numero TOKYO
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ビーチだけじゃない! ワイナリーや新施設など「ゴールドコースト」でいま行きたいスポット4選PROMOTION

60キロメートルに及ぶ黄金色のビーチを持つ、オーストラリアのゴールドコースト。世界有数のビーチリゾートとして名高いが、都市と自然が共存する街として高い魅力を持つ。そんなゴールドコーストの魅力を前編、後編でひも解く。最新グルメアドレスについて紹介した前編に続き、後編ではビーチだけではないゴールドコーストの楽しみ方を実際に体験してきたので4つのトピックに分けて紹介する。

1. ゴールドコーストの避暑地「タンボリン」でワイナリー巡り

ゴールドコーストの中心部から車で45分ほどの内陸側には、ヒンターランドと呼ばれる内陸部に亜熱帯雨林が広がり、一部の国立公園はユネスコの世界自然遺産にも登録されている。このヒンターランドの中心がタンボリン国立公園という避暑地だ。

タンボリンマウンテンには高さ30メートル、長さ300メートルに及ぶツリートップウォークが張り巡らされた「タンボリン・レインフォレスト・スカイウォーク」がある。オーストラリア原産の木々や植物を眺めながらの散策は、ビーチウォークとはまた違った癒しをもたらすはずだ。

タンボリン・レインフォレスト・スカイウォーク(Tamborine Rainforest Skywalk)
住所/333 Geissmann Dr, Tamborine Mountain QLD
TEL/+61755452222
URL/https://skywalktamborine.com/

ヒンターランドはクイーンズランド州有数のワイナリー地区でもあるため、散策と合わせてぜひワイナリー巡りを楽しんでほしい。クイーンズランド州には花こう岩に覆われたグラニットベルトと呼ばれる、ワイン用ブドウの生産地もある。海抜800メートルから1000メートルに位置し、朝晩の寒暖差が大きく冷涼でブドウ作りに適した土地だ。

タンボリンエリアにはグラニットベルトで生産されたブドウをはじめ、自社農園やオーストラリア各地で栽培されたブドウを使ったワイナリーが揃う。

環境に配慮したワインづくりを心掛けているのが、ニューサウスウェールズ州から移住してきたジョンさんとキムさんによって2004年に創業した「ウィッチズ・フォールズ・ワイナリー」だ。野生酵母で自然発酵したワインや、グルテンフリーやヴィーガン対応のワインが揃う。

ワインテイスティングは1時間で6種類(20AUD)を、ブドウ畑が広がるガーデンで着席しながら体験できる。もちろん、グラニットベルト産のシャルドネを使った白ワインなどもテイスティング可能。ペットの同伴もOKとあり、愛犬を連れて訪れる人や、ウエディングパーティーを楽しむ人などもいて、ピースフルな雰囲気も魅力的だ。

ウィッチズ・フォールズ・ワイナリー(Witches Falls Winery)
住所/79 Main Western Rd, Tamborine Mountain QLD
TEL/+61755452609
URL/https://witchesfalls.com.au/

ワインとともに食事もしっかり楽しみたいなら、シダークリーク・エステートの近くにある「メイソン・ワイナリー」へ。敷地内にはセラーやショップ、レストラン、ブドウ畑、醸造施設などを備えるほか、宿泊用のコテージと一軒家も3軒有している。

ランチではカプレーゼサラダや四川風塩胡椒エビなどの前菜に加え、サーモンソテーのマウンテンアボカドサルサのせ、グラスフェッド(牧草飼育)アンガス牛のステーキなどのメイン料理がいただける。農産物の大部分はシーニック・リムエリアの生産者を中心に、半径40キロメートル以内から調達。マイケル・ドミニチシェフは地産地消の意識が高く、季節に応じてメニューを変えており、自家製にも強いこだわりを持つ。

ワインはグラニットベルト産のシャルドネやシラーズを使った単一品種のワインから「PICNIC WHITE」、「PICNIC RED」と名付けられたオリジナルブレンドのワインがラインアップ。プティ・ヴェルドやヴィオニエなどの珍しい品種のワインもぜひ試してみてほしい。

メイソン・ワイナリー(Mason Winery)
住所/32 Hartley Rd, Tamborine Mountain QLD
TEL/+61755452000
URL/https://masonwines.com.au/

2. 現代アートやカルチャー、食の最先端複合施設「HOTA」

サーファーズパラダイスの近くに2021年にオープンした新スポット「HOTA(Home of the Arts)」。現代アートのギャラリー、映画館、カフェ、ルーフトップバー、レストラン、野外コンサート場などが集った複合施設だ。週末にはファーマーズマーケットが開かれたり、芝生でヨガレッスンが催されたり、映画祭が行われるなど、芸術と暮らしをつなぐ場所として市民に愛されている。

HOTAには無料で楽しめる施設も多い。その一つが「HOTA ギャラリー」の常設展。ゴールドコーストシティ初の美術館で、ゴールドコースト出身のアーティストを中心とした作品を展示している。我々が訪れた際には、日本語スピーカーのルイスさんも在廊しており、日本語で館内を案内してくれた。

ギャラリーの上階にはルーフトップバーの「The Exhibitionist Bar」があり、ゴールドコーストの素晴らしい景色を眺めながら、特製カクテルやシェアスタイルのバー料理を味わえる。企画展にちなんだオリジナルカクテルはもちろん、ハッピーアワーも設けられているので、アート鑑賞のついでにぜひ足を運びたい。

ギャラリー1階に構えるファインダイニング「Palette Restaurant」も、ミシュランの星に値する、オーストラリアのグルメガイド『GOOD FOOD GUIDE』で2ハットを獲得しているほど評判のお店だ。ギャラリーで展示されている芸術作品や展覧会からインスピレーションを得た、ダヤンシェフの料理が光る。

HOTA
住所/135 Bundall Rd, Surfers Paradise QLD
TEL/+61755884000
URL/https://hota.com.au/

3. アボリジナルカルチャーを体感する「ジェルガル・ギャラリー・センター」

ゴールドコーストをはじめ、オーストラリアを訪れたからには、この土地に太古の昔から住む先住民族アボリジナルの文化についても知っておきたいところ。そんなアボリジナルカルチャーを体験できるゴールドコーストで唯一の施設が、バーレー・ヘッズにある「ジェルガル・アボリジナル・カルチャー・センター」だ。地元のアボリジナルコミュニティによって運営されており、ゴールドコーストのアボリジナルおよびトレス海峡諸島民のコミュニティに、住宅、健康、高齢者ケア、児童および家族支援サービスなどの分野で幅広いサービスと施設を提供している団体でもある。

今回私はアボリジナルピープルの子孫であるキャメロンさんによる、2時間ほどのウォーキングツアー(大人39AUD)に参加。ツアー冒頭では映像によるプレゼンテーションが行われ、その後ジェルガルの山を囲む海辺の亜熱帯雨林の小道を一緒に散策した。道すがらキャメロンさんがアボリジナルピープルの伝統的な生活、ブッシュタッカー、釣り、狩猟について解説してくれ、この地に住む人々が数千年にわたって示してきた土地とのつながりを感じた。

ツアー後半ではセンターに戻り、アボリジナルの人々の武器の一つであったブーメランの絵付けも体験。絵付けを通じ、この土地のアボリジナルピープルに伝わる絵文字を学ぶこともでき、当時の暮らしに思いを馳せることができた。

ジェルガル・アボリジナル・カルチャー・センター(Jellurgal Aboriginal Cultural Centre)
住所/1711 Gold Coast Hwy, Burleigh Heads QLD
TEL/+61755255955
URL/https://www.jellurgal.com.au/

4. プレスリーの時代を体感! オーストラリア最大のフェス「クーリー・ロックス・オン」

ゴールドコーストの開放的な雰囲気を味わうなら、現地ならではのフェスに参加するのもおすすめだ。ゴールドコーストの南に位置するクーランガッタでは、毎年6月にオーストラリア最大かつ最も本格的なノスタルジアフェスティバル「クーリー・ロックス・オン」が開催されている。50年代、60年代、70年代のファッションや音楽、クラシックカーをテーマにした祭典だ。今年は6月5日から9日までの5日間にわたり開催され、レトロファッションに身を包んだ国内外のゲストが合計約16 万人来場した。

まず目を見張るのは、サーファーズパラダイスのビル群を望むクーランガッタビーチ沿いの通りに並ぶ、900台以上のクラシックカーやカスタムカー、マッスルカー。フェスティバルでは50~70年代のファッションアイテムを売る屋台も多く並んでいて、それを吟味する人たちも思い思いの装いに身を包んでいて笑顔がこぼれている。

広大な敷地内では、毎年恒例のショー ‘ン’ シャイン、ライブ音楽、ダンス、サタデー ナイト カー クルーズなど、さまざまなプログラムやアクティビティが催されていた。

そしてこのフェスティバルのハイライトともいえるのが、クーリー・ロックス・オン・アルティメット・エルヴィス・トリビュート・アーティスト(UETA)コンテストだ。UETA コンテストは、オーストラリアに 2 つしかない、エルビス プレスリー エンタープライズが公認する世界中で数少ないコンテストのうちの1つだ。

このコンテストに優勝すると、アメリカのメンフィスで開催されるエルヴィス・ウィークでフェスティバルの代表として出場することができる。そして今年の優勝者は、なんと日本からエントリーしたエルヴィス・トキこと土岐豊一さん! イングリッシュスピーカーが多い出場者の中、のびやかでパワフルな歌声で会場を沸かした土岐さんに心を動かされたコンテストだった。

フェスティバルの会場はショッピングモールやホテルが立ち並ぶエリアのため、買い物や食事にも事欠かない。フードの屋台も立ち並んでいるが、今回ランチではオーシャンビューが美しい「クーランガッタ・サーフ・クラブ」でいただいた。

サラダやシーフード、ピッツァやハンバーガー、アジアン、メキシカンなど料理の種類も豊富なほか、ビールやカクテルなどアルコールも充実。大箱タイプのレストランで、フェスの賑わいをそのまま感じられるお店だ。

クーリー・ロックス・オン(Cooly Rocks On)
URL/https://www.coolyrockson.com/

クーランガッタ・サーフ・クラブ(Coolangatta Surf Club)
住所/Marine Parade, Coolangatta QLD
TEL/+61755364648
URL/https://www.coolangattasurfclub.com/

ゴールドコーストへはカンタス航空の直行便が便利

提供元:カンタス航空
提供元:カンタス航空

日本からゴールドコーストへは、オーストラリアおよび南半球最大手の航空会社であるカンタス航空に乗るのが便利だ。東京の成田空港から、ゴールドコーストへの玄関口となるクイーンズランド州の州都・ブリスベンまでは毎日直行便が運航中。往路のフライトスケジュールは成田を21:30に出発し、ブリスベンには朝の7:25に到着するため、機内でゆっくり過ごした後、翌朝から観光することができる。復路は10:25ブリスベン発、18:45成田着だ。飛行時間は約8時間半から9時間弱。日本との時差は通年で1時間のため、ジェットラグの心配もいらない。

提供元:カンタス航空
提供元:カンタス航空

カンタス航空はフルサービスキャリアのため、エコノミークラスでも個数制限なしで30キログラムまでの預け荷物、食事、機内エンターテイメントなどが運賃に含まれている。 機内食はエコノミークラスでもプラントベースを含む3種類から選べるほか、温かいパンやアイスクリーム、オーストラリアが誇るスナック菓子・Tim Tamやホットチョコレートのサービスなど、充実の内容だ。ドリンクもオーストラリア産ビールやワインなど豊富に揃う。

提供元:カンタス航空
提供元:カンタス航空

ちなみにカンタス航空はJALなどと同じく、ワンワールドというアライアンスに加盟している。そのためワンワールド・サファイア以上のステータスを持っている人やビジネスクラス以上を利用する場合などは、成田空港ではJALのサクララウンジやアスパイアラウンジを、ブリスベン空港ではカンタスラウンジを利用できる。カンタスラウンジは朝昼夜でメニューが変わる軽食が用意されているほか、アルコールも充実。個人的にはバリスタが常駐しており、淹れたてのコーヒーやエスプレッソを味わえるのが嬉しかった。

ブリスベン空港からゴールドコーストまでは、エアポートバスの「Conn-X-ion」で約1時間から1時間半ほど。事前のWEB予約も可能で、宿泊予定のホテルまで送り届けてくれる。

カンタス航空
URL/https://www.qantas.com/jp/ja.html
Conn-X-ion
URL/https://www.con-x-ion.com/

冬でも温暖なゴールドコーストで、人々の温かさにも癒される旅を

今回で渡豪4回目、ゴールドコーストを訪れるのは2回目の筆者だが、ゴールドコーストは街を歩いているだけで多幸感あふれる場所だと再認識した。治安も良く女性が一人で歩いても怖さを感じることはほとんどないが、それでいて街やビーチがごった返していることはないし、日本人も少ない。眩いばかりの太陽と青く輝く海、ビーチの白砂は美しく、街もハワイのワイキキのようにクリーンで快適だ。都市と自然の距離が近く、どちらにもアクセスしやすいのも嬉しい。

ゴールドコーストは、欧米のような雰囲気も感じるが、夜になると電飾をつけた人力自転車が走っていたり、週末には屋台が並ぶ賑やかな様子は、どことなく東南アジアのような空気も感じる。また、多国籍国家であるため食事もレパートリーに富む。グルテンフリー、乳製品不使用、ヴィーガン&ベジタリアン対応など食事の配慮も行き届いている。円安とはいえ、食べ物の量が日本よりもかなり多いのでシェアすれば意外と高くはないし、無料で楽しめるアクティビティも多いので、東京での暮らしとそれほど変わらないとも感じた。

そしてとにかくどこに行ってもベビーカーが多くて、人々に余裕があり、英語がそこまで話せない日本人にもかなり寛容で優しい。気さくなオージーの人柄には、訪れるたびに毎回惹かれるものがある。

南半球にあるゴールドコーストは日本と季節は逆だが亜熱帯性気候のため、冬のいまの時期でも平均気温は12〜21度ほどとかなり温かい。夏の平均気温も21~28度のため、真夏の日本より過ごしやすいはずだ。日本での暮らしにちょっぴり疲れたら、ぜひともゴールドコースト、ひいてはオーストラリアに行ってみてほしい。そこにはきっと幸せに生きるためのヒントがあるはずだから。

取材協力:クイーンズランド州政府観光局 www.queensland.com
※AUD=オーストラリアドル、AUD1=101円(2024年7月30日時点)

 

Photos & Text : Riho Nakamori

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