全室プール付きヴィラの「モーベンピック・リゾート・クレディヴァル・モルディブ」へ
都会の喧騒を離れ、自然あふれるリゾートで心身を癒したいなら「1島1リゾート」を掲げるモルディブを訪ねてみてほしい。26の環礁、1,192の島々からなるリゾートアイランドで、国内に約170あるリゾートはそれぞれに異なる特色を持つ。
今回はモルディブのリゾート3軒を3回に分けてご紹介。第1回目で紹介した「フヴァフェン・フシ」から移動し、第2回目ではヌーヌ環礁にある5つ星ホテル「モーベンピック・リゾート・クレディヴァル・モルディブ(以下、モーベンピック)」でのリゾートステイを紹介する。
モルディブのリゾート間の移動は、スピードボートや水上飛行機で
インド洋に浮かぶモルディブへは、日本各地からの就航便も多く、トランジットもスムーズに叶うシンガポール航空を利用するのが便利だ。東京からシンガポールまでの飛行時間は約7時間、シンガポールからモルディブへの飛行時間は約4時間半。他社便の場合、夜着が多いため空港近くのマーレで一泊してから各リゾートへ移動する必要があるのだが、シンガポール航空を利用すればモルディブへの到着は午前中になるため、その日のうちに各リゾートへの移動が可能だ。シンガポール航空のビジネスクラスを利用した搭乗記もあるので、よろしければ参考にしてほしい。
「モーベンピック」はマーレ空港から水上飛行機で45分ほどのヌーヌ環礁に位置する。今回のように別のリゾートから移動する場合は、一度マーレ空港に戻ってから移動しなければならない。ヌーヌ環礁内のリゾート間の移動は、スピードボートのアレンジが可能。
モルディブのリゾートは、一部を除いてTRANS MALDIVIAN AIRWAYSなどの民間水上飛行機輸送サービスを利用しており、出発時刻がわかるのは前日夜だ。フライトでは途中別のリゾートに立ち寄ることも珍しくなく、停留している間は波で揺れるので、乗り物酔いしやすい人は酔い止めを飲んでおくことをおすすめしたい。移動をスムーズに済ませたい人は、専用機を持つリゾートを選ぶのもいいだろう。
また、15人乗りの小さな飛行機で重量制限が厳しく、荷物が乗り切らない場合もあるため、到着後すぐに必要なものは手荷物に含めておくといいだろう。スピードボートや水上飛行機は天候や海の状態によって遅延することも多いため、スケジュールにも余裕をもっておいてほしい。実際5月の雨季に訪れた我々は、「フヴァフェン・フシ」から「モーベンピック」までの移動に6時間以上かかった。
マーレの水上飛行機専用のターミナルには、公共の待合スペースのほか、リゾート所有のラウンジもある。「モーベンピック」に宿泊するすべてのゲストは、VIPラウンジで搭乗までの時間、軽食や飲み物を嗜める。
全105棟にプールを備え、うち72棟が水上ヴィラの「モーベンピック」
「モーベンピック」に到着するとスタッフに出迎えられ、ウェルカムココナッツウォーターをいただきながらアイランドホストが運転するバギーに乗りこむ。レセプションへ案内され、こちらでチェックイン手続きを済ませる。チェックインは、リゾートの案内などがすべて確認できる「モーベンピック」の専用アプリでも手続きが可能だ。
105棟のヴィラからなる「モーベンピック」は、全棟にプールを備えたリゾート仕様だ。今回私が宿泊したのは、透き通った海を一望できる140平方メートルの広さを誇る「水上ヴィラ」。
リビングやバスルームは一面ガラス張りのオーシャンビューであるほか、エントランスの床もガラス張りで海が見える。実際に私は滞在中、ガラス張りの床越しにマンタが泳いでいるところを見ることができた。
バスルームにはバスソルトも備えられた大きなバスタブがあり、海を眺めながら入浴ができる。客室のドアやベッドボードなど、随所にココナッツの殻を用いた南国らしいデザインも印象的だ。
そして驚いたのがシャワールームとトイレ。塀の向こう側の床が吹き抜けになっており、直接海を感じられる仕様だ。
テラスからはインフィニティプールだけでなく、直接海に入ることもできる。プールサイドベッド、テーブルとチェアも配され、思う存分オーバーウォーターステイを満喫できるはずだ。
ファミリーやグループ利用も多い「モーベンピック」は、190平方メートルの「ビーチプールヴィラ」が30棟、230平方メートルもの広さを誇る「ビーチプールレジデンス」が3棟ある。豊かなガーデンに囲まれたプールもあり、ビーチに直接アクセスできる優雅な邸宅だ。
3つのレストランやバー、客室でのフローティングブレックファストも!
リゾート内には3つのレストランがある。一つはバンブーを組んだ天井が印象的なメインダイニングの「ONU Marché」。
マルシェの名の通り、市場のように料理が並ぶビュッフェスタイルのレストランで、特にモルディブ近海で獲れた新鮮なシーフードの種類が豊富だ。
モーニングではシェフのライブクッキングによる卵料理のほか、ライスヌードルを使ったヌードルステーションもある。レストランの一角には、スパセラピストによる5分間の無料マッサージサービスを行うスペースも設けられており、個人的に大変ありがたかった。
そしてこのリゾートならではのサービスが、毎日午後4時から午後5時まで「ONU Marché」で行われているチョコレートアワー。宿泊客は無料でスイスチョコレートやモーベンピックアイスクリームなど、豊富なスイーツを自由に味わうことができる。
天気が良ければ、砂浜のテラス席で食事を楽しむのもいいだろう。ハネムーナーの利用時にはロマンティックなテーブルセッティングも施される。
また、ディナータイムはモルディビアンナイト、ラテンナイトなど、日替わりで7つのテーマナイトを開催。ライブ演奏なども行われ、リゾートの夜を盛り上げてくれる。
メインプールとビーチの目の前にあるのが、ランチからディナータイムまで楽しめる「Latitude 5.5」。
インターナショナルグリルレストランを標榜しており、モルディブ産タコのグリルや、パッタイなどアジア料理のクオリティも高い。イタリアンレストランで7年修業したインド人がシェフを務めるレストランのため、焼きたてのピッツァも評判だ。
またサンセットのベストロケーションでもあるため、オリジナルのカクテルとともにアペロを楽しむのもいいだろう。
リゾートのファインダイニングとなるのが、水上レストランの「Bodumas」。現地の言葉で「大きな魚=クジラ」を意味し、店内からは360度、青い海や白砂のビーチなどリゾートの景色が眺められる。
メニューには新鮮なモルディブの魚介類を使った、創作シーフード料理が並ぶ。特にディナーのシグネチャーメニューには「Sushi Sashimi Platter」が並ぶなど、日本料理にも強い影響を受けている。
メイン料理にはモルディビアンロックロブスターのグリルや、但馬牛のストリップロイン、和牛のカルパッチョなどがラインアップ。ソムリエセレクトのワインや日本酒とともに味わいたい。
よりエクスクルーシブな食体験を楽しみたいなら、10席限定で完全予約制の「Oak Lounge」へ。14か国から取り寄せた250以上のワインのほか、厳選された葉巻や蒸留酒が並ぶセラーで、ワインペアリングディナーを愉しめる。
そしてこのリゾートを訪れたなら体験したいのが、フローティングブレックファストだ。宿泊しているヴィラに専用の朝食を運んでくれて、プールに浮かべながらフォトジェニックなモーニングを楽しめる。メニューもトリュフとキャビアがのったエッグベネディクトや豊富なペストリー、色とりどりのトロピカルフルーツにキヌアやドライフルーツをトッピングしたヨーグルトパフェ、パンケーキとふたりでもかなり満足感のある内容だ。
プールやビーチ、スパや豊富なアクティビティで充実のリゾートステイ
敷地内にはリゾートステイを叶える施設やサービスも充実している。「Latitude 5.5」に隣接するインフィニティプールは白砂のビーチの目の前で、海もプールもどちらも満喫できる造りだ。
「モーベンピック」があるのは天然の島のため、手付かずの美しい自然環境も魅力の一つ。美しい白砂のビーチをはだしで歩き、晴れればクリアブルーに輝く海に潜るだけで、凝り固まった心身が解き放たれるはずだ。
さらに疲れた体を癒したければ、世界的に受賞歴のあるウェルネスとビューティーブランドであるHealing Earthのスパ製品を堪能できる「Sun Spa by Healing Earth」へ。アーユルヴェーダをベースにリンパにアプローチするボディマッサージやフェイシャルトリートメントなど幅広いメニューを展開している。
施術の際にぜひ選んでほしいのが、5室限定の「水上トリートメントルーム」だ。床の一部がガラス張りになっており、ベッドにうつぶせになると海中を行きかう海の生き物たちを眺めながら、ボディマッサージを受けられる。
このほかリゾートでは毎日豊富なアクティビティが開催されており、その多くは無料で体験可能だ。人気はサン スパで行われるヨガ セッション。
マリンアクティビティも、スタンドアップパドルボード(SUP)、カヤック、ウィンドサーフィンなどの電動以外のウォータースポーツは無料で体験できる。
さらにキッズクラブもあるので、子連れの方も安心だ。「ONU Marché」ではファミリーフレンドリーなサービスも多い。
ラグジュアリーなリゾートが多いヌーヌ環礁の中でもフレンドリーなサービスで、世界各国から訪れるさまざまなゲストのニーズに応える「モーベンピック」。ファミリーやグループ旅にもおすすめだ。
モーベンピック・リゾート・クレディヴァル・モルディブ(Mövenpick Resort Kuredhivaru Maldives)
住所/Kuredhivaru Island, 20026 モルディブ
TEL/+9606563000
URL/https://movenpick.accor.com/en/asia/maldives/kuredhivaru/resort-kuredhivaru.html
取材協力:モルディブ政府観光局 visitmaldives.com/en
モルディブ政府観光局日本事務所公式Instagram @visitmaldivesjapan
Photos & Text : Riho Nakamori