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福岡随一の摩天楼「ザ・リッツ・カールトン福岡」で愉しむ天空のラグジュアリーステイ

2024.4.28up

2023年6月21日、マリオット・インターナショナルの最高級ブランドのホテルであり、九州初進出となる「ザ・リッツ・カールトン福岡」が天神エリアにオープンした。これまで都市の規模に比して、外資系ラグジュアリーホテルの数が少なかった福岡に誕生した最高峰ホテルとあり、注目している人も多いだろう。今回「ザ・リッツ・カールトン福岡」に滞在する機会に恵まれたので、その魅力を紹介する。

織りからインスピレーションを受けたデザインやアートを、ラグジュアリーに表現

提供：ザ・リッツ・カールトン福岡

「ザ・リッツ・カールトン福岡」は、福岡市で進められている都市開発プロジェクト「天神ビッグバン」の一環として、福岡市天神の旧大名小学校跡地に建設された複合施設「福岡大名ガーデンシティ」に位置する。東京の久米設計がデザインした地上25階建てのガラス張りのビルで、高さ111メートルと福岡市の中心部に位置する商業施設で最も高い。緑豊かなガーデンが印象的で、ビル内にはオフィスやコミュニティ施設のほか、「ASAKO IWAYANAGI FUKUOKA」「米ル／鳥カミ」など話題の飲食店も軒を連ねている。

「ザ・リッツ・カールトン福岡」のエントランスはビルの1階。障子がモチーフとなった、まばゆいアプローチが目印だ。

エントランスをくぐり抜けると、福岡の伝統工芸である絹織物「博多織」からインスピレーションを受けたというホテルコンセプトを体現したアライバルロビーにたどり着く。ホテルのインテリアデザインは、オーストラリアのメルボルンに拠点を構えるLAYAN Architects + Designersが監修している。

1階と18階のエレベーターホールでは、玄界灘と月をイメージした屏風と石庭がお出迎え。3階はボールルームとチャペル、18階にはホテルのロビーやダイニングがあり、19階から23階が客室になっており、ビルの9フロアを「ザ・リッツ・カールトン福岡」が占有している形だ。

館内各所には、博多織のパンチカードに着想を得たオリジナルの照明、久留米絣、小倉縞、上野（あがの）焼など地元の職人による器、絵画、織物といった装飾やデザインが施されている。

「ザ・ロビーラウンジ & バー」

伝統と技術に裏打ちされた福岡、九州の手仕事の素晴らしさを、ラグジュアリーに昇華した空間造りはさすが「ザ・リッツ・カールトン」ブランドだ。

「福岡スカイライン」「パークビュー」「ベイビュー」から選べる50平米以上の客室

「ザ・リッツ・カールトンスイート」

19階から23階には、ゆったりとくつろぐことができる50平方メートルのゲストルームと75平方メートル以上のスイートルームを完備。132平方メートルの「プレジデンシャルスイート」と188平方メートルの「ザ・リッツ・カールトンスイート」には、それぞれダイニングルームとサービスキッチンが備えられている。

「プレミアムキングベイビュー」

客室の眺望は主に3タイプ。福岡の街並みを望む「福岡スカイライン」、大濠公園の豊かな緑を見渡す「パークビュー」、博多湾を行き交う船やその先に広がる眺望が美しい「ベイビュー」とそれぞれ眺望に優れており、どのタイプを選ぶか迷ってしまう。今回は市街地の街並みを眺めながら、オーシャンビューも満喫できる「ベイビュー」に宿泊した。

客室は博多織や竹編細工など福岡、九州をはじめとしたテキスタイルを取り入れながら、バスルームの壁面はモンテカルメロという石材を取り入れ、和モダンで高級感あるしつらえに仕上げている。

ドリンクアメニティには、ミネラルウォーターやコーヒー、紅茶に加え、「茅乃舎」のだしスープも備えられ、福岡らしいおもてなしが随所に光る。

福岡の豊かな食材を生かした4つのレストランと2つのバー

ホテル内には、4つのレストランと2つのバーがあり、福岡の豊かな食材を生かしたメニューを味わえる。ホテルの総料理長は「ザ・リッツ・カールトン日光」の評判を高めた立役者の一人である早坂心吾シェフだ。18階に位置する日本料理レストラン「幻珠（げんじゅ）」では、日本が誇る三大美味、会席、鮨と鉄板焼を展開。壱岐島の黒毛和牛や、玄界灘で獲れた魚介類などを使った料理を、有田焼の器で楽しめる。

隣接する「ザ・ロビーラウンジ & バー」では、九州産のお茶や、ジャパニーズウイスキーを中心に終日提供。博多湾に夕陽が沈む様子を静かに眺められる、穴場スポットでもある。

同じく18階に位置する「Viridis（ヴィリディス）」は、「Farm-to-Sky 地産地消（農場から、空へ）」をコンセプトに、九州産食材を使ったモダンウェスタンメニューを味わえるオールデイダイニング。シェフのプライベートキッチンに招かれたかのようなオープンキッチンが中央に配され、北欧風のインテリアが異国情緒を醸す。

朝食では、シグネチャーオムレツの「明太子博多ねぎ茅乃舎だしの出汁まきオムレツ」をはじめとした選べる卵料理とともに、地産食材をふんだんに使った料理をブッフェで味わえる。ブッフェ台には熊本県産和栗のモンブランデニッシュや、阿蘇自然豚生ハム、九州産黒毛和牛の柳川風、長崎県産アジフライなどが並んでいた。今回春に訪れたおかげで、福岡が誇るブランドいちごのあまおうを、朝から好きなだけ味わう幸せにも恵まれた。

エネルギッシュな博多の夜を味わいたいなら、24階に位置するバー「Bay (ベイ) 」へ。海を行き交う船からインスピレーションを得たスタイリッシュできらびやかな屋内席に加え、博多湾をパノラマビューで楽しめる開放的なテラス席も備えている。店内に鳴り響くDJによるアップチューンな音楽もあいまり、どこか海外リゾートのような雰囲気が漂う。

「Bay」の興味深いところは、バーでありながら料理人が常駐しており、多彩な料理がメニューに並んでいること。店頭に食材が並ぶほか「唐泊恵比寿かきオイスターカクテル 3種盛り合わせ」など、新鮮でクリーンな魚介類も味わえる。

さらに店内には炭火焼きを行う調理場もある。さすが独自の焼鳥文化が育まれた博多のホテル、バーと言っても一味違ったサービスだ。

「阿蘇自然豚サルシッチャソーセージのグリル粒マスタード」や「糸島豚バラ肉チミチュリソース」、「みつせ鶏もも肉燻製ガーリッククリスプ」など、畜産が盛んな九州ならではの炭火焼き料理が揃う。

バーテンダーには、「マリオットジャパンカクテルコンペティション2023」でジン部門ファイナリストに選ばれた山中秀仁氏も在籍。コンペティションで賞を獲得したカクテルはもちろん、「明太マティーニ」など福岡らしいドリンクが揃う。

豊かな食の宝庫である九州北部の魅力を体感するアフタヌーンティー

ロビーラウンジの隣に位置する「Diva（ディーバ）」では、軽食やスイーツ、九州の銘茶を取り入れたアフタヌーンティーや、ケーキ、ペストリーを宿泊客ならずとも楽しめる。ペストリーシェフの斎藤拓野氏は「パティシエイナムラショウゾウ」で5年修業したのち、フランスの「ピエール・エルメパリ」のレストラン、ベーカリーを経験し、東京の「DRYADES」で経験を積んだ実力者だ。

そんな斎藤シェフの手腕をさまざまな角度から楽しめるのが、福岡の絶景とともに味わうアフタヌーンティー。訪れた際には「ストロベリーアフタヌーンティー」が開催されていた。

「あまおう」を使ったショートケーキやムースやヴェリーヌにとどまらず、佐賀県産の「いちごさん」を使ったシュークリーム、同じく佐賀県産の「淡雪」を使ったタルトなど多彩ないちごスイーツが、有田焼の器に並んでいた。甘さだけに頼らず、佐賀県産ベルガモットでアクセントを利かせたり、ローズヒップと組み合わせて酸味や爽やかさを加えたりと、最後まで食べ疲れずおいしく楽しめるスイーツたちにシェフの腕の高さを感じる。

セイボリーには雲仙ハムと福岡県糸島産のチーズを使ったサンドウィッチや、福岡県産菜の花と百合根のキッシュなどが登場。豊かな食の宝庫である九州北部の魅力に加え、一口サイズのセイボリーでありながら、料理としての完成度の高さを感じる品々だ。

陸・海・空の絶景を天空から眺める寛ぎのスパ

24階には博多湾を見渡す25メートルの屋内プールやシティビューが広がるジム、英国のスパブランド「ESPA」によるボディトリートメントが体験できる「ザ・リッツ・カールトンスパ」もある。二面ガラスのプールからは、福岡の街だけでなく、船が行き交う海や、飛行機が往来する空を大パノラマで見渡せるため、目にも楽しいプールだ。