描き下ろし超大作、日本初公開作品含む170点の大規模個展「村上隆 もののけ 京都」展 @京都市京セラ美術館

日本を代表する現代アーティストが、国内8年ぶりの大規模個展を開催──。封印を解かれた村上隆の“もののけ”たちが、京都から私たちを手招きする。（『Numero TOKYO（ヌメロ・トウキョウ）』2024年3月号掲載）

村上隆が、日本で8年ぶりの大規模個展を開催する。その一報から思い浮かんだのは次の言葉だった。「恠恠奇奇（怪々奇々）」──人を怪しく魅了してやまないもの。安土桃山時代の絵師・狩野永徳（かのうえいとく）へ捧げられた言葉にして、村上隆が率いる工房「カイカイキキ」の名。2000年より村上は「スーパーフラット宣言」を掲げて日本の伝統絵画とアニメなど現代の文化状況を結び付け、欧米至上主義の現代アート界に真っ向勝負を挑んできた。その彼が日本文化の中枢たる京都で展示を行うというから、ただ事ではない。

俵屋宗達（たわらやそうたつ）『風神雷神図屏風』の村上版新作をはじめとする歴史的名作の再構築や、風水や陰陽道の結界都市・平安京に跋扈（ばっこ）する物（もの）の怪（け）を想起させる作品、自身を代表するキャラクター「DOB君」を召喚するなど、培ってきたアート原理の総力を結集。描き下ろしの超大作に国内初公開作品など、展示約170点の大多数を新作で構成する。

自らを依（よ）り代（しろ）として日本の古層を呼び覚まし、前人未踏の芸術宇宙を切り開く試み。怪しくも心震わせる“もののけ”的アートの地平が、京の都に出現する。

京都市美術館開館90周年記念展「村上隆 もののけ 京都」
会期／2024年2月3日（土）〜9月1日（日）
会場／京都市京セラ美術館 新館 東山キューブ
住所／京都市左京区岡崎円勝寺町124
TEL／075-771-4334
URL／takashimurakami-kyoto.exhibit.jp/
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