【インタビュー】平野莉玖、パワフルな挑戦のはじまり
アーティスト・RIKUとしてデビューを果たしたばかりの平野莉玖。幼少時から磨き続けてきた音楽やダンスのスキルを活かした活動のみならず、自身のアパレルブランドを立ち上げるなど、多面的な表現に挑戦する、期待の新星をフィーチャー。(『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2024年3月号掲載)
表現することが幸せ。平野莉玖の現在地
スタート地点に立ったばかり
──昨年12月に1st シングル「Doubt it」をリリースされましたが、この楽曲をデビュー曲に選んだ理由を教えてください。
リード曲の「Doubt it」のほかに、「Stupid」と「細胞レベルで恋してる」という2曲をリリースしたんですけど、「Doubt it」は男女問わず聴いてもらえる楽曲だなと感じていたので、一発目にしました。「Stupid」はどちらかというと男性に、「細胞レベルで恋してる」は女性に刺さる歌だと思うので、両方の心を掴めたらいいなと思い、こういう構成にさせていただきました。
──3曲とも結構攻めたタイトルですね。
やっぱりそうですか? パンチのあるワードで最初は「?」っていう疑問符から入ってもらえたら、そこから楽曲の中身に注目していただけると思うので、そういう意味でも「Doubt it」をリードにしました。
──RIKUさんのために集まったというプロデュースユニット「Nu CANdY」とは、どういう関わり方をされているのでしょうか?
僕も「Nu CANdY」の一員のような感じで、クリエイティブに関することはすべて一緒に動いています。あらゆる面において、チームと一緒になって楽曲制作を行っています。
──ちなみに「Nu CANdY」とは何者なのでしょうか?
謎のチームですよね? 実はまだメンバーを公開していないんです。言えるのは、ものすごいメンツの方々が一緒に作ってくださっているということです。ひょっとしたらいつか公表する日が来るかもしれませんが、しばらくは謎のヴェールに包んだままやらせていただきます。
──昨年はSEAMOさんやnobody knows +のCrystal Boyさんをはじめ、名古屋を代表するヒップホップアーティストの方々とライブもされていましたね。
経済的な理由などから学校給食を食べることのできない子どもたちの役に立てたらいいなという思いで、東海エリアの素晴らしいアーティストさんたちが集結して、「みんなのおいしい音楽祭」というチャリティライブイベントを行ったんです。ありがたいことに、その錚々たる面子の中に僕も入れさせていただいたので、本当に日々、頑張らないといけないなと思っています。
僕は自由でポジティブな人間
──RIKUさんは、ご自身をどういう性格だと分析しますか?
めちゃくちゃ自由でポジティブな人間だと思います。やりたいなと思ったらすぐに行動に移して、それをとことん突き詰めるタイプです。ダンスも歌もそうですし、やりたいことは我慢せず、なんでも挑戦する。子どもの頃からそういう性格でした。
──親から「それはダメ」と反対されるようなことはなかった?
僕がやりたいと思ったことを反対されたことは、一度もありません。ただ、自由にやる代わりに他人に迷惑だけはかけるな。そして、感謝の気持ちを忘れてはいけないということは、ずっと言われ続けてきました。でも、ダンスや歌、アパレルもそうですけど、僕が自ら始めたことに関しては、結局家族がいちばん厳しい意見を言うんです。この前も家族がライブを観に来てくれたんですけど、「腹から声が出てない」ってダメ出しをされました。母からも兄からもダメ出しをされるので、そういうときは妹に「怒られちゃったよー」って癒しを求めたりします(笑)。
──今日のようなファッション撮影はあまり経験がないとおっしゃっていましたが、ダンスをやられているからでしょうか? 服の見せ方や表情など、表現力が豊かでフォトグラファーも驚いていました。
そう言っていただけると嬉しいです。小学生の頃から兄弟ユニットでダンスを踊っていたんですけど、スキルでは全然兄の方が上で、どうやっても勝てないでいたんです。それで、なんか勝てるところはないかなと思っていたときに、兄がいつも真顔でダンスをしてることに気づいたんです「あれ、いつも真顔じゃね? だったら、自分は感情を作って、顔の表情で差をつけよう」と。ひょっとしたらその経験が今につながっているのかもしれません(笑)。
──今後5年、10年先の未来予想図はどう描かれていますか?
今に必死すぎて、未来はまったく想像がつかないというのが正直なところです。でも、ストレートにアーティストとして 、音楽という表現を通してたくさんの人にいろんな思いをぶつけて、繋いでいきたいなと思っています。23年は自分で決めていた「挑戦の年にする」という抱負を有言実行できたなと思える1年になりました。とはいえ、今ようやくスタート地点に立ったばかりなので、24年はここからもっともっと活動の場を増やして、飛躍の1年にしたいなと思っています。
Photos : Maciej Kucia Styling : Katsuhiro Yokota(YKP) Hair & Makeup : Yuto Okada for Goald Interview & Text : Reiko S. Edit : Naho Sasaki