沼の底からこんにちは。マニアな東京ショップガイド vol.1 MOGI Folk Art
圧倒的に突き抜けたマニアが手がける、ユニークな専門店をご紹介。一癖ある店主と唯一無二の商品ラインナップは、知れば知るほど沼にはまるような魅力がある。心がホットになるお買い物体験をするべく、街へ出よう。(『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2023年12月号掲載)
MOGI Folk Art
フォークアート、ヴィンテージファッション
オーナー二人の対話と収集による通な店
世界各地のフォークアートとオリジナルの別注品、セレクトアイテムを販売する「モギフォークアート」。長年のバイイングのキャリアを誇り「高円寺の良心」とも呼ばれるオーナーたちが2022年にオープンした。所狭しと置かれた品々には、手仕事の温かみとユニークさ、さらにファッション業界でディレクターとして活躍した二人の洗練された審美眼が光る。
「“用の美”といいますが、使えなくても身近に置いて好きだな、素敵だなと思えたらそれで十分だと思っています。情報が手に入りにくい時代に買い付けを始めたので、土地に出向き何度も人に会って話をして買ってみる。ずっと続けて体で覚えてきたことですね。別注品は、長い付き合いと小規模だからこそ実現できているものばかりです(北村さん)」。
さまざまな土地の文化をアイデア次第で自由にクロスオーバーさせる。ネットで見つからないような情報やバックストーリーに耳を傾けて思いを巡らせると、すっかり魅了されてしまう。まさに“沼”な店だ。
食器は、陶器から漆、木製のものも。ガラス作家のグラスや皿も取り扱う。
イギリスの手紡ぎの糸を使い、盛岡のニットメーカーにお願いして作ったニットや、古着のTシャツや「Out of Trad」などのセレクトも充実。
(左)伝統的な泡盛の瓶をランプに仕立てた。独特な絵付けがインパクト大。(右)ジャマイカ出身のエリスさんにちなみ、帽子をかぶったラスタカラーのこけし。
ムーンスターとのコラボスニーカーとオリジナルのスウェットも、ツイストが効いたデザイン。音楽好きならではの「MOGI SOUND SYSTEM」、56年五輪のジャマイカのウェアからヒントを得た「JAMAICA」のレタリングが。
MOGI Folk Art owner
テリー・エリス
1962年、ジャマイカ生まれ。ロンドンでスタイリストをしながら、メンズ向けのショップを営む。日本や北欧など世界中の民藝や伝統文化に魅了され収集する。
北村恵子
1984年に渡英。翌年、テリー・エリスとビームスロンドンオフィスに参画。94年にビームスモダンリビング、97年にフェニカを始動。企画や買い付けを行う。
MOGI Folk Art
住所/東京都杉並区高円寺南3ー45ー12
営業時間/ 12:00~19:00 火・水休み
Instagram/@mogi_folk_art
URL/mogi-shop.com
Photos:Miyu Terasawa Text:Aika Kawada Edit:Chiho Inoue