ヘド・メイナー来日インタビュー。Desigualとコラボでの初挑戦とは?
バルセロナ発のファッションブランド「デシグアル(Desigual)」が、パリを拠点に活躍するイラスラエル出身デザイナー、ヘド・メイナー(Hed Mayner)との初のコラボレーションコレクションを先月発表した。
ヘド・メイナーはメンズのベーシックアイテムをベースにワークウェア、テーラリングなどの要素を取り入れながら独自に再構築し、コンテンポラリーでモードなユニセックスなアイテムを提案している。18年春夏から、パリ・メンズ・ファッション・ウイークの公式スケジュール内にてコレクションを発表、2019年には「LVMHヤング ファッション デザイナー プライズ」のカール・ラガーフェルド賞を受賞。いま最も注目されるデザイナーの一人だ。今回のコラボレーションコレクションでは、構築的なシャツやジャンプスーツなどジェンダーレスな12点のアイテムをリリース。初来日した彼にインタビュー。
──デシグアルからコラボのオファー、どのように思われましたか?
普段自分のブランドではリーチしない方々に自分のデザインを知ってもらういい機会をいただきました。ヘド・メイナーらしいスタイルを違う世界に持っていく面白さがあると思いました。 ――デシグアル側からのリクエストはありましたか? 自由裁量だったんです。自由にやらせてもらって、好きなようにできたので満足しています。
──デシグアル初のジェンダーレスコレクションですね。
ヘド・メイナーはメンズコレクションで発表していますが、性別関係なく多くの方に着ていただいています。コラボアイテムは、さらに形もシンプルでフラットにして、自分が普段やっている以上にユニセックスなコレクションになっていると思います。着る人のジェンダーにこだわらないようなデザインにしました。
──ヘド・メイナーのアイテムは、シルエットや素材のこだわりに定評があります。価格帯も違うところで、ある程度譲歩しなくてはならなかったかと。譲れないポイントはどこでしたか?
すべてのポイントで妥協したくなかった(笑)。と同時により多くの人に手に取っていただくにはどうしたらいいか、今回の経験を通して学びました。自分のコレクションではたっぷり生地を使っていますが、量産を見据えて削ぎ落としたり。気軽に着用できる服を作るという発想に切り替えました。
──制作過程で苦労した点は?
ヘド・メイナーはディテールが特徴的なのですが、そこは同じようにはできないので、シンプルで洗濯も簡単で気軽に着られる服にしなくてはならない。シンプルにしながらも、自分のブランドらしさを出すことが、技術面でいちばん難しかったですね。
──今回のコラボのお気に入りアイテムは?
どれも気に入っているけど、強いて言えばボーダーのセットアップ、ニットウェアかな。スモールコレクションでコンセプトが統一されているから、どのように組み合わせてもOK。
──デザイン過程で大事にしていることは?
出来上がった服を人に着せずにラックにかけ、あるいは床に置いて見ること。その後フィッティングして人と服の相互作用をよく見るようにしているんだ。僕にとって大事なのは、作品の動き。着た時に魂が動くような服作りがしたいんだ。日本のカスタマーもそこを理解してくれて好きでいてくれるんじゃないかな。
日本ではデシグアルストア銀座中央通り店、ヨーロッパではパリ・ル・マレ店、パリ・ロジエ店、ベルリン・ミッテ店、フィレンツェ・サンタマリア店、マドリッド・プレシアドス店、バルセロナ・カタルーニャ広場店の7店舗と公式オンラインストアで発売中。
Desigual×Hed Mayner
https://www.desigual.com/ja_JP/stories/desigual-by-hed-mayner/
Interview & Text : Michie Mito