アートという名の “果てしなき色” vol.3 今井俊介 | Numero TOKYO
Art / Feature

アートという名の “果てしなき色” vol.3 今井俊介

私たちの見る色は、一人ひとり違う。色は光の知覚にして、個性や美しさの表れでもあるから。その極致がアートだ。内なる色彩に導かれ、色合いを深め、まだ見ぬ色を追い続ける——それはアーティストの生きる道そのもの。六人六様の“見果てぬ色”を眺めてみよう。Vol.3は今井俊介。(『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2024年1・2月合併号掲載)

Shunsuke Imai|今井俊介

『untitled』2017年 個人蔵
『untitled』2017年 個人蔵

『untitled』2018年
『untitled』2018年

色面のパターンで構成される代表作、ペインティングのシリーズより。

2024年、どんな色にしたい?
『淀みのない色』

ヴィヴィッドな色合いのストライプや円によって形作られるのが、今井俊介の絵画作品の大きな特徴。そこから意味を読み取ることができないのに、色の取り合わせを見ているだけで気分が高揚してくるから不思議だ。今井にとって画面内の色とは「光であってほしい」存在であり、「定められた色の位置が視線の動きによって変わってしまうような経験が誘発できたらいい」という。色と形、構図などをめぐる試みは、紙による大型の壁面構成や、布を用いた映像作品にも広がる。けれども、あらかじめ自分の中に理想の色があるわけではない。「その作品に本当に必要な色をつくることが理想です。色がまずあるのではなく、選び出すことが重要な気がします」

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Text : Hiroyasu Yamauchi Edit : Keita Fukasawa

Profile

今井俊介Shunsuke Imai 1978年、福井県生まれ。絵画の基本的要素である色、形、空間の考察をもとに作品を制作。カラフルなストライプが重なり合う構図を描き、平面の可能性と“見ること”の根本的な意味を探求する。近年の個展に「スカートと風景」(東京オペラシティ アートギャラリー/2023年、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館/2022年)。東京・国分寺の second 2.にて個展が開催される(12月5日〜2024年1月24日)。
https://www.hagiwaraprojects.com/shunsuke-imai

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