アートという名の “果てしなき色” vol.2 流麻二果 | Numero TOKYO
Art / Feature

アートという名の “果てしなき色” vol.2 流麻二果

私たちの見る色は、一人ひとり違う。色は光の知覚にして、個性や美しさの表れでもあるから。その極致がアートだ。内なる色彩に導かれ、色合いを深め、まだ見ぬ色を追い続ける——それはアーティストの生きる道そのもの。六人六様の“見果てぬ色”を眺めてみよう。Vol.1は流麻二果。(『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2024年1・2月合併号掲載)

Manika Nagare|流麻二果

ワークショップ成果展示『2019年の日本の色』2019年 Courtesy of Oita Art Festival "SPIRAL" 「今の日本の色」をリサーチし、伝統色をアップデートする試み。
ワークショップ成果展示『2019年の日本の色』2019年 Courtesy of Oita Art Festival "SPIRAL" 「今の日本の色」をリサーチし、伝統色をアップデートする試み。

『余波/Nagori』2023年 Photo: Ken Kato
『余波/Nagori』2023年 Photo: Ken Kato

『女性作家の轍の跡/Truck of Colors by Female Artists』2023年 University of Michigan Museum of Art Collection 歴史上の女性画家たちが用いた色彩を塗り重ね、その道を未来へつなげたいという願いを込めた作品。
『女性作家の轍の跡/Truck of Colors by Female Artists』2023年 University of Michigan Museum of Art Collection 歴史上の女性画家たちが用いた色彩を塗り重ね、その道を未来へつなげたいという願いを込めた作品。

2024年、どんな色にしたい?
「千差万別の色」

「実際に目にしないと感じられない、複雑に重なり言葉で表せない色が理想」と本人が言うとおり、流麻二果の描く画面はいつも底知れぬ色彩の深みに満ちている。薄い色を幾層も重ねて生まれる絵画は、環境によって見え方が大きく変化し、見る者に唯一無二の体験をもたらす。「色だけでなくすべての事象に人それぞれの見え方や個性、考え方があって当然なのだということを伝えたく、色の表現を追求しています」。草木染めなど日本の色彩文化を絵画表現に取り入れる探求も。2024年はどのような色に染める?「世の中の分断が進んでいくことを危惧し、白黒はっきりつけない無限のグラデーションが存在できる社会を願っています。千差万別の色にしたいです」

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Text : Hiroyasu Yamauchi Edit : Keita Fukasawa

Profile

流麻二果Manika Nagare 1975年、大阪府生まれ、香川県育ち。アメリカ滞在を経て国内外で精力的に個展を開催し、グループ展に参加を重ねる。パブリックアートや建築空間の色彩監修、ファッションブランドとのコラボレーション、ダンスパフォーマンス制作まで幅広く活動。現在、アメリカ・オレゴン州のジョーダン・シュニッツァー美術館で開催中の「Woman was the Sun」展に参加中(11月11日~2024年8月4日)。Photo: Ken Kato
https://manikanagare.com/

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2024.11.28 発売

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