ランウェイにオフィス旋風!? 2023 AWトレンドアイテム分析
この秋冬に取り入れるべきは、オフィスウェアのムード。徐々に注目を集める“クワイエット・ラグジュアリー”の影響もあり、控えめで知的にキメたスタイルが気分。ミニマルなオフィスレディ風だけどとびきりモードでエッジが効いた数々のルックから、トレンドをチェックしよう。(『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2023年10月号掲載)
【目次】
1. GREY KNIT|グレーニット
2. JACKET & SKIRT|ジャケット×スカート
3. SHIRT & TIE|シャツ×ネクタイ
4. BOW TIE|ボウタイ
5. CHESTER COAT|チェスターコート
6. WIDE PANTS|ワイドパンツ
1. GREY KNIT|グレーニット
プレーンなトップスで、引き算の美学を謳歌する
全身グレーのルックが数多く見られた今季。90年代に一世風靡したプラダのハイゲージニットを思わせるトップスがマストアイテム。グレーのクルーネックやカーディガンに、ペンシルスカートを合わせ、足元はローヒールのポインテッドトゥのパンプスを。エレガントでありながら、お疲れ気味風のヘアメイクで外したり、ミニマルなヘアメイクで一癖あるのが今年流。
2. JACKET & SKIRT|ジャケット×スカート
上半身の直線的なラインと、なびくスカートが好相性
時代を映す鏡といって過言ではない、ジャケットのシルエット。今季はボクシーな肩のラインに加えてダブルのボタンのジャケットが勢ぞろい。グレーの格子柄やチェック、ピンストライプのテキスタイルであれば、オールグレーのルックにリズムと奥行きが生まれる。ボトムスはジャケットのシルエットを際立たせる、膝丈のフレアスカート、またはタイトスカートで。
3. SHIRT & TIE|シャツ×ネクタイ
ジェンダーを超えていけるアクセサリーを主役に
シャツにネクタイを合わせたアレンジも豊富。ワーキングムード漂うアイテムだが、白いシャツに黒いネクタイといったクラシックなスタイルから、色合わせで遊んだり、ストライプのシャツに同柄のネクタイを合わせた、ひねりが効いたスタイリングまで表情豊か。オーセンティックでマスキュリンなアクセサリーだからこそ、逆説的に女性が身につけることで着こなしに大きなインパクトを生む効果あり。
4. BOW TIE|ボウタイ
ショート or ロング丈のボウタイでキャラが立つ
オフィススタイルに新鮮さが欲しいのなら、ボウタイブラウスを。受付嬢の制服を思わせるような、丈が短いボウタイはキュートな印象だが、マットなテキスタイルで、相反するストイックな印象に。一方、シルクブラウスのボウタイは、目を奪われる規格外の長さ。加えて、柔らかいシルクが大胆不敵なボス風だ。ボウタイは、パーソナリティの決め手となるアイテム。
5. CHESTER COAT|チェスターコート
己の存在感を示すビッグシルエットとロング丈
定番のチェスターコートが縦横方向にサイズアップしてカムバック。メンズ服を着ているようなデザインで、ずっしりとした重厚さを感じさせる。肩はセットインスリーブだったりドロップショルダーだったりとさまざま。ベルトでウェストマークしたり、ダブルのボタンだったりと、ディテールの差異が楽しい。働く女性のマストハブは身を守る鎧となるアウターだ。
6. WIDE PANTS|ワイドパンツ
歩を進めるほど迫力を増すスーパーワイドパンツ
腰ばきで、ドレスダウン。全身をグレーで統一したミニマルなスタイルだからこそ、ボトムスに重心を持ってくるバランスがフレッシュ。かつてのスケーターやラッパーのように、最高にグッドバランスな太さで周囲を圧倒するべし。しかし、ステータスベルトや、バッグまたはグローブなどで、どこかに一点、フックとなるアクセサリーを。こなれた抜け感を忘れずに。