Fashion / Feature
偏愛スカーフ物語 vol.4 「MA déshabillé」デザイナー 村田明子
たった一枚の布。その図柄や色、素材によって表現できる世界観の奥深さと、多様性、そして機能性。シンプルでありながら、一言では語りつくせない魅力で愛されているスカーフ。十人十色の物語を探るべく、愛用品を見せてもらった。(『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2023年9月号掲載)
村田明子|「MA déshabillé」デザイナー
美とユーモアを愛する友人たちからの贈り物
「クリスチャン ディオールのクチュール期のスカーフ(写真左上)は、アントワープで友人が開催したヴィンテージスカーフ展で譲り受けたもの。エミリオ プッチの70年代のスカーフ(写真下)は、私が同じ柄のワンピースを所有していることを知る友人がフリマで発見。フィレンツェの貴族らしい色と柄が気に入っています。『白雪姫』の七人の小人のスカーフ(写真右上)も友人から。
スカーフは、誰が何のためにこんなに凝った絵柄を描いたのだろう、馬鹿馬鹿しいけれど美しく、つい笑ってしまう。ヨーロッパでは、若かりし日のルル・ド・ラ・ファレーズのように頭に巻き、柄オン柄の過剰な装いに、赤い口紅を。赤いスカーフが多いのは、顔まわりが赤いとリップとのバランスが取りやすいからなんです」
Photos:Kouki Hayashi Edit & Text : Aika Kawada
Profile
村田明子Akiko Murata
アントワープ王立芸術アカデミーファッション科卒。ヴィヴィアン・ウエストウッドでインターンとして働き、卒業後はスタイリストやヴィンテージディーラーを経て、2010年に帰国。13年よりファッションブランド「MA déshabillé」をスタート。