Fashion / Feature
偏愛スカーフ物語 vol.3 スタイリスト 池田尚輝
たった一枚の布。その図柄や色、素材によって表現できる世界観の奥深さと、多様性、そして機能性。シンプルでありながら、一言では語りつくせない魅力で愛されているスカーフ。十人十色の物語を探るべく、愛用品を見せてもらった。(『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2023年9月号掲載)
池田尚輝|スタイリスト
けがをしたときでさえ、おしゃれ心を満たすもの
「ドリス ヴァン ノッテンの2022春夏(写真左)は、16世紀のベルギーの画家ピーター・ブリューゲルの原画を、アーティストのピーテル・ファン・デル・ヘイデンが作品にした図柄。茶と黄緑という意外な配色がレザーと好相性。
アダムキメルの2011春夏(写真右)は、カウボーイがテーマでした。90cm四方と大きく、素材がコットンシルクなのでカジュアルに使えます。スウェットシャツとデニムなどに、ドレスアップ要素として細めに絞る、または三角にして首に巻くことも。肩を痛めたときに、三角巾代わりにスカーフで吊るす方法を知り、実践しました。けがしたときもファッションを楽しめるなんて、スカーフの醍醐味ですね」
Photos:Kouki Hayashi Edit & Text : Aika Kawada
Profile
池田尚輝Naoki Ikeda
スタイリスト。メンズファッションを主軸に、ファンション誌、広告、TVなどで、幅広い分野で活動。近年では独自の視点で編集した、企画展を開催することも。最近はブルース・ウェーバーの作品に凝っているそう。