もうすぐ日本上陸! 注目のホテルブランド、カペラとローズウッドをバンコクでハシゴ
久しぶりに訪れたバンコク、見まわしてみると、あれ、ホテルの勢力図が変わっている! コロナ禍の間にバンコクでは新規のインターナショナルなホテルブランドが続々と登場。中でも今、勢いがあるカペラとローズウッドの2つのウルトラ・ラグジュアリーなホテルブランドがあるじゃないですか!? 近々日本に開業予定のこの2つのブランドを、バンコクで一足早く体験してきました!
カペラとローズウッド、2つのホテルブランドの特徴は?
今、めきめきと頭角を現しているウルトラ・ラグジュアリーホテルといえば、カペラ ホテルズ&リゾーツ(以下、カペラ)とローズウッドホテルズ&リゾート(以下、ローズウッド)。どちらも徹底的なパーソナルサービスであること、部屋数が多くはないブティック系であることは、共通項といえるでしょう。
そしてどちらも、ホテルが建つ地域の文化や生活習慣、歴史など多岐にわたって徹底的に深掘りし、ゲストにその土地ならではのひねりの効いた体験を提供してくれます。カペラならばカペラ・カルチュリストによる「カペラキュレーツ」、ローズウッドならば「SENSE OF PLACE」という独自の哲学のもと、その土地の感性を味わう滞在を叶えてくれるのです。今どきのジェットセッターは、どこへ旅しても同じ“豪華さ”だけでは、もう飽き足りないようです。
バンコクにオープンしたのは、カペラ バンコクが2020年10月、ローズウッド バンコクが2019年3月。この2軒をハシゴしようと思ったのは、ロケーション的に最高の組み合わせだから!
バンコクにおけるラグジュアリーなホテル分布図は、チャオプラヤー川に面したアーバンリゾート的なリバーフロントと、エキサイティングな街の息吹を感じるシティの2エリアに分かれます。カペラが位置するのはリバーフロント、一方のローズウッドはシティのど真ん中。ハシゴすれば、川辺でまったりし、街でエキサイトする、両極のバンコクの魅力が一度に満喫できるのです。
そしてこの2つのホテルグループの共通項、近々日本にオープンします!
カペラ京都が2025年夏、カペラの姉妹ブランドのパティーナ大阪は2025年春、ローズウッド宮古島は2024年。どのプロジェクトも今から話題になっています。この2つのホテルブランドを予習しに、バンコクへ出かけてみるのはいかがでしょう?
チャオプラヤー川を望むリバーフロントの特等席、カペラ バンコク
カペラ バンコクでは滞在が始まる前から、担当するバトラーの“カペラ・カルチュリスト”とのやりとりが始まります。滞在中に何をしたいか、食べ物のアレルギー、空港からの送迎についてなど、細やかに要望をたずねてくれます。こうして準備万端の状態で迎えてもらえます。
チェックインはカウンターではなく、「ザ・リビングルーム」という名の宿泊者向けのラウンジにて。まるで誰かの邸宅に招かれたような気分です。ウェルカムドリンクとマカロンをいただきながら、滞在の説明を受けます。
たとえば滞在中、無料で参加できるアクティビティ「カペラ・モーメント」について。館内のアートツアーや自家菜園のグリーンハウスの案内、アイスティー作りなど、アートやウェルネス、美食などがテーマになったプログラムで、毎日午前と午後に開催されます。
このザ・リビングルーム、コーヒーや紅茶などが常時用意されているので、出先から戻った時などに立ち寄る“居間(リビングルーム)”のような存在です。
チャオプラヤー川のフロントロウ! バンコクでは貴重なヴィラも
ホテル棟は10階建て101室。加えて、ヴィラ6棟からなります。“pied a terre(都心のアパートメント)”というコンセプトから、ゆったりとした居住空間のレジデントスタイルです。
「リバーフロント」がエントリークラスで、広さ61㎡以上。シッティングエリアとベッドルームの仕切りがないワンルームタイプで、大理石のバスルーム、ミラーやチェアを置いたウォークインクローゼット、そしてデイベッドを置くプライベートバルコニーからなります。
バスアメニティはラ・ボッテガ社の「エトワール・ドゥ・サイアム」。バスローブは入浴直後用とリラックス用の2種類を用意。時間を指定して、バブルバスにしてもらうこともできます。ディナー後にお部屋に戻ると、バブルバスが待っているという段取りです。
冷蔵庫のソフトドリンクや日替わりお菓子は無料、エスプレッソマシーンも設置。バトラーと顔を合わせずにやりとりできるボックスもあります。
おすすめの客室は、リバーフロントの中でも5~10階の高層階を占める「リバーフロントプレミア」。床から天井までのフルハイトの窓からはチャオプラヤーの風景が絵巻のように広がります。特に夕暮れ時は、茜色の空の下、ディナークルーズ船やシャトルボートなどが行き交い、いつまでも眺めていたい風景です。
スイートタイプでおすすめはプランジプール付きの「ベランダ」(3階)。ハイエンドのお部屋はプレジデンシャルヴィラ(259平方メートル)。デイベッドを置くガゼボ、プランジプール&ジャクジーをしつらえ、芝生の庭ではバーベキューのアレンジもできます。バンコクでヴィラは珍しく、川辺でくつろいだ時間が過ごせるのは貴重です。
ミシュランの星に輝くレストランと社交場となるホットなバー
カペラ バンコクが位置するチャルンクルン通りは代々続くレストランが多いグルメエリア。そしてここカペラ バンコクもミシュランの星に輝くレストランを擁する美食の殿堂でもあります。
川辺近くにあるタイ料理の「プラナコーン」はまるでサンルームのように日差しが注ぐインドアと、川風が心地いい屋外のテラス席からなります。まるで一昔前の台所のようなオープンキッチンから活気が伝わってきます。
メニューはタイ各地の素朴な家庭料理。新鮮な食材にこだわり、仕入れはシェフが長年信頼を置く生産者から。敷地内にあるグリーンハウスで育てたハーブや野菜も使います。
朝食会場もプラナコーンにて。朝食はセミオーダーのビュッフェスタイルで、ホットディッシュはタイ料理、西洋料理、日本料理など、迷ってしまいそう。メニューを前に悩んでいたら、「いくつでもオーダーしてかまいませんよ」。ちょっと冒険して「うなぎベネディクト」と、週末限定メニューの茶そばをオーダーしてみました。うなぎと卵、意外とあいました(見た目はともかく……)。
ランチはプールサイドでオーダー。“ピント”と呼ばれるタイのお弁当スタイルで運ばれてきました。どこかピクニック気分が味わえます。
そしてバンコクのセレブに人気なのが、バー「ステラ」。夜はなかなか予約が取りにくいのですが、17時からの「CIN CIN」は宿泊者限定の無料のソーシャルイベント。カクテルと軽食をいただきながら、きらびやかなステラの世界観を満喫できます。
ちなみに、ステラの中央にスッとたたずむ真っ白なクジャク。名前はエイギス君だそうです。
今回、クローズ中で残念ながら訪れられなかったのですが、フランス料理「コート・バイ・マウロ・コラグレコ」はミシュラン1ツ星。2019年に「世界のベスト・レストラン50で一位に輝いたマウロ・コラグレコ氏が率いています。ぜひ、行ってみてください!
フォーブスの5スターに輝くスパ。室内プール&ジャクジーは宿泊者フリー
“星座”という名のスパ「アウリガ」。フォーブス・トラベルガイドでは最高ランクの5スターを獲得しています。緑のガーデンに面し、穏やかな時間が流れています。
東洋と西洋の伝統的なメソッドとメディカルスパの技術も融合したスパメニューを用意。おすすめは「HOM MALI(ホム・マリ)」。タイ東北部のホム・マリ米(ジャスミンライス)を使い、スクラブやハーバルボール、オイルマッサージを行います。ジャスミンライスの香りに包まれ、施術後はお肌もしっとり。
宿泊者はインドアプール&ジャクジー、エクスペリエンスシャワー、サウナが自由に使えます。日差しがキツイ日中、スパの施術前、ディナー前など、幾度となく利用したい場所です。
カペラ バンコク Capella Bangkok
住所/300/2 Charoenkrung Road, Yannawa, Sathorn, Bangkok 10120 Thailand
TEL/+66-2-098-3888
https://capellahotels.com/jp/capella-bangkok
メトロポリスの真ん中でシティを楽しむ拠点に
とうとうと流れる川の眺めのカペラ バンコクから一転して、ローズウッドはバズ・シティのど真ん中。スクンビットとトンローの間のプリンチットというエリアで、周囲にはオフィスや大使館などが集まっています。BTS(高架鉄道システム、バンコク・スカイトレイン)のプルンチット駅と直結し、サイアムスクエアへも一駅の立地です。
ビルが立ち並ぶエリアにおいても、30階建てのローズウッド バンコクのユニークな姿は目を引きます。ガラス張りの鋭角なビルは、タイの歓待の挨拶“ワイ”がモチーフ。ビル全体でウェルカムと、迎えてくれているよう。
ローズウッド バンコクの魅力も、カペラ バンコク同様、ビュー。眼下にはバンコクのスカイラインはもとより、BTSや高速道路を見下ろします。夕暮れから夜にかけては、交通網が脈打つ大都市の血管のように見え、躍動するバンコクが感じられるのです。
そしてバトラーのケアの細やかさ、レスポンスの素早さも秀逸。WhatsAppのやりとりで、レストランやバーの予約&時間変更もすぐに完了。おすすめのお店なども、矢継ぎ早に情報を送ってくれます。丁寧だけれど丁重すぎる感じはなく、さらりとスマート。スーパーバトラーと呼びたいくらいです。
コーナールームは圧倒的なシティビュー。間取りは使い勝手も考慮
30階の建物に客室は158、うちスイートは24、ハウスと呼ばれるプール付きヴィラが3。ワイの形をしたユニークな建物のフォルムから、部屋の間取りも多彩です。
客室はタイのコンテンポラリーなデザインとヨーロッパのエレガントさを融合したレジデンシャルスタイル。どの部屋もフルハイトの窓からシティビューが広がり、ニュートラルな色使いが街のきらめきを引き立てます。
バスルームからもシティビューが楽しめます。シャワーのハンドルや蛇口はクラシカルなデザイン。バスタオルやバスローブ、リネン類はイタリアのフレッテ社の上質な肌触りのものでまとめられています。
エントリークラスのデラックスルームで広さ42平方メートル。ネスプレッソのコーヒーマシーンや、プレミアムなお酒も揃えたフルストックのプライベートバー(ミニバーの格上バージョン!?)なども用意。
スイートは2面がガラス窓のコーナールーム。窓が斜めになったデザインで、シティビューが迫って来るようです。今回滞在したプレミアムスイートはバスルームからリビングなどを通ることなく、直接ウォークインクローゼットへ行ける間取りで、居住性もばっちりです。
音楽ラバーにおすすめの天空のバー「レノンズ」と至福な朝食の「ラコーン・ヨーロッパ」
レストラン&バーは4カ所。ぜひ体験したいのが、ルーフトップバーの「レノンズ」です。
店名から音楽に関係するのかなと予想は付くのですが、エレベーターの30階の扉が開くと、そこはレコードショップのよう。6,000枚を超すLP盤のコレクションが展示され、ここで購入することもできるとか。レコーディングスタジオも併設しているそうです。
バー内に足を踏み入れると、天空に浮かぶガラス張りのスペースが広がります。カウンターとテーブル席があり、どちらも眺望ばつぐん。眼下には行き来するBTSや渋滞中の高速道路。アーバンです。
カクテルメニューはミュージシャンにちなんだもの。たとえばレノンの「WOMAN」にインスパイアされたカクテルは、プラムの香り付けしたジンに桜、レモン、苺のスパークリングソーダをあわせたもの。今、アジアで人気の“松原ミキ”のカクテルはドライジンをベースにカルピスが使われています。
オールデイダイニングは7階のブラッセリー「ラコーン・ヨーロッパ」。屋内と屋外のテラス席からなります。窓際の装飾は、タイの踊り子の指にはめる飾りをモチーフにし、伝統文化のエッセンスも。
食材はフリーレンジの鶏卵や豚肉、オーガニックファームの野菜など、ローカルの生産者から仕入れ、新鮮かつ季節折々の食材を使用しています。宿泊者の朝食はビュッフェ+セミオーダー(アメリカン、コンチネンタル、ウェルネス、タイのセットも含む)です。ビュッフェの品数はそれほど多くはありませんが、それを補ってあまりあるほどオーダーのメニューに手が込んでいます。
たとえば、フレンチトーストはヘーゼルナッツのフレーバーで、トッピングのスライスされたバナナは一枚ずつキャラメライズされています。タイ風のチャーシューが特徴のバミームーデンは青菜やワンタンの具材などが乗った、たまご麺。あっさりしたクリアなスープは飲み干したくなるほど美味です。どれも丁寧に作られた朝食です。
ほかにも館内には、中華料理のファインダイニング「ナンベイ」、プールサイドにヘルシーなカフェ「G&O」があります。
都会のオアシス、プールや本格スパでリラックス
9階にあるプールは、半アウトドアの開放的な雰囲気。エッジにはジャグジーがあり、そこからバンコクの爽快なシティビューが見下ろせます。涼し気な水音が響き、まさに都会の憩いの場です。
24時間利用できるフィットネススタジオは、ムエタイボクシングやヨガなどのパーソナルトレーナーをお願いすることも。
6階は1フロアを「センス スパ」が占有しています。シグネチャーはチョン族に伝わる「チョン・マッサージ」。カラダに走る“マッサージライン”にフォーカスしたタイ、スウェディッシュ、アロマのマッサージとストレッチを織り交ぜることで、筋肉の緊張をときほぐし、とっておきのリラックスが得られるもの。
メトロポリスのど真ん中でアクティブに街遊びするも、ホテル内でリラックスするも、お好み次第のローズウッド バンコクです。
ローズウッド バンコク Rosewood Bangkok
住所/1041/38 Ploenchit Road, Lumpini, Pathumwan Bangkok, 10330, Thailand
TEL/+66-2-080-0088
https://www.rosewoodhotels.com/en/bangkok
Photos & Text: Chieko Koseki