髪との関係は新時代へ vol.1 ヘアを植物と科学する新感覚サロンとは | Numero TOKYO
Beauty / Feature

髪との関係は新時代へ vol.1 ヘアを植物と科学する新感覚サロンとは

昨今、ヘアの世界では新しいムーブメントが巻き起こっている。時代の最先端をいくヘアサロンの紹介からヘアドネーションの方法、ヘアケアアイテムまで自分らしいヘアとの付き合い方を探してみよう。vol.1は新感覚サロンをご紹介。(『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2023年3月号掲載)

中央には本格的な特注品の蒸留装置が鎮座。
中央には本格的な特注品の蒸留装置が鎮座。

サロンで独自に調合したエッセンシャルオイル。
サロンで独自に調合したエッセンシャルオイル。

ヘアを植物と科学する新感覚サロンの全貌

原料のドライハーブがずらりと並ぶラボスペース。
原料のドライハーブがずらりと並ぶラボスペース。

植物の力で髪に働きかけ長期的な美を追求する、まったく新しいフォーマットのヘアサロン──「Epo Hair Studio」は開店以来、そんな評判をほしいままにしてきた。納得できる品質のボタニカル成分を配合した自家製プロダクトを作るため、蒸留設備を備えたラボを併設。月替わりのシャンプーやコンディショナー、ハーブウォーターをはじめ、発酵の力で毛髪の修復効果を高めたトリートメントや、自然療法の要領でハーブから有効成分を抽出したティンクチャーをサロンワークに生かし、髪や頭皮が生来持つヘルシーなしなやかさを引き出す。

原材料は青森のヒバや宮崎のユズ、高知のショウガなど、全国津々浦々、国内外の信頼できる生産者から買いつけ。手に入らないものがあれば従業員が自ら許可を得て野山に入り、収穫するという徹底ぶりだ。サロン内に足を踏み入れると、無添加のハーブや精油の馥郁たる芳香が嗅覚に訴えかけてくる。

ドライハーブをアルコールに漬け込んでティンクチャーに。
ドライハーブをアルコールに漬け込んでティンクチャーに。

ヘッドスパは頭皮に精油のスチームを当てながら行う。シリンジに入っているのはシャンプーで、毎朝その日に使う分だけをブレンドして真空パック。生きた成分をフレッシュな状態で使用する贅沢さを味わって。
ヘッドスパは頭皮に精油のスチームを当てながら行う。シリンジに入っているのはシャンプーで、毎朝その日に使う分だけをブレンドして真空パック。生きた成分をフレッシュな状態で使用する贅沢さを味わって。

「人の髪や肌には心身の状態が反映されますが、エッセンシャルオイルは嗅覚を通じてそのバランスを整えてくれます」と教えてくれたのは、ディレクターの渡辺靖雄さん。都内のモード系サロンで勤務したのち、「Epo Hair」の立ち上げに加わった。植物の香りの効果とパワフルな有効成分を活用するにあたっては、各国に伝わる植物療法に着想を得たのだという。

「動物も不調なときには本能的に植物を摂取します。髪は装いの最高のアクセサリーであると同時に、大切な体の一部。自然からの恩恵を現代のテクノロジーと掛け合わせ、均整の取れた根源的な美しさを引き出すことで、新たなヘアサロンのあり方を創出したいんです」

Epo Hair Studio(エポ ヘアスタジオ)
住所/東京都渋谷区富ヶ谷1-9-15 1F
営業時間/11:00〜19:00(日・祝は9:00〜17:00、火・土はLabo&Factoryのみ営業で11:00〜17:00)
休み/第2日曜
Instagram/@epohair

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Interview & Text:Misaki Yamashita Edit:Sayaka Ito, Mariko Kimbara

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