メイクAddictが選ぶ。この春、本当に欲しい新色
メイクが好き。トレンドも好き。そんな美容のプロが2023年春、注目するメイクをご紹介。あくまでも主役は“自分”! 纏いたい気持ちや高揚感が赴くかをプライオリティに選ぶのが今風。(『ヌメロ・トウキョウ(Numero TOKYO)』2023年3月号掲載)
【プロフィール】
MICHIRUさん
メイクアップアーティスト。雑誌や広告を中心に活躍し、女優からの指名も多数。本質的な美を求めるライフスタイルも常に注目の的。
楢﨑裕美さん
美容ライター。現場第一主義、読者が欲する情報を鮮度高くお届けするのを信条に、新作コスメにまみれながら取材や撮影に奔走する日々。
佐々木奈歩
本誌エディター。モードな世界とコスメを愛して美容編集歴20年。いいと思うコスメや人物を伝えることを信条に美容ページを手掛ける。
Z世代のトレンドにも注目!
MICHIRU(以下M)「今は、個の時代。大切なのは自分がどんなメイクをしたいか。今までの常識にとらわれず、ピンときたものを取り入れて、楽しもう、という機運がかつてなく高まっていますよね」
楢﨑(以下N)「すごくわかります。私はフューシャピンクを主役にしたい気持ちが強くて。人生で初めてかも(笑)。赤みの強いメイクをここ数年散々し尽くしたから、そろそろ違う色に移行したくて。フューチャリスティックな輝きを秘めた、サイバーな青みピンクに惹かれます」
佐々木(以下S)「私はイエローの口紅や、オレンジ&ゴールドのアイシャドウに異様に心惹かれています。新しい靴を買ったときと同じで、自分にとっての〝冒険色〟を手に入れると、ファッションも気分もガラッと変わるので、その感覚は毎シーズン結構大事にしているかも」
M「自分らしさを大事にしつつ、時代の空気感やリアルトレンドも情報として押さえておきたいですよね。最近は〝純欲〟メイクなど、Z世代のトレンドも学びがあって面白い。今季もY2Kのトレンドは継続されそうですが、そこにもメタリック感やキラキラ感がプラスされてアップデートされています」
N「中華圏のインフルエンサーやK’POPアイドルのメイクから生まれた、よりフューチャリスティックなY2Kを指す“Y3K”という言葉も聞くようになりました」
M「なかでも、私が推したいのがブルーなどの寒色系。今季の寒色シャドウは偏光感があるのが特徴で、のっぺりとせず立体的に見えるから、誰でも失敗なく使えると思います。ブルーに透明感のあるブラウンを合わせるのも素敵な組み合わせ」
S「いわゆるイエベな私でも、今年の寒色系はいける!と歓喜しています(笑)。肌色問わず自信を持って挑戦できるブルーやラベンダーが多いですね。どんなリップを合わせるのがおすすめですか?」
M「メタリックなベージュか、鮮やかなコーラルピンクかな」
S「『ブルーアイにベージュかフューシャピンクの口紅』という王道Y2Kの流れを汲みながらも、よりお洒落なメイクに仕上がりそう」
M「今季もリップが豊作で、依然としてマット系が多いですが、今はどちらかというとツヤ系やグロスに惹かれますね」
N「アイシャドウは、淡くてシアーな色が多いですね。ニュートラルなベージュやブラウンを入れたパレットも多く、使いやすそうで狙い目」
S「細めライナーで作る囲み目も、最近のマイブーム。透明感あるアイシャドウにもマッチするし、キュッと目元が引きしまった印象になる」
M「23春夏のバックステージでも、囲み目やスマッジライナーで目元にインパクトを与えたメイクが多かったです。あと、ラメやメタリック、ハイライトなどの光感を広範囲にのせたり、まぶただけではなく唇や眉、まつ毛にまで散らしていたのも印象的なトレンドでした」
N「ラメやパールの効いた単色シャドウやスティックハイライトを、のせたいところに好きにのせる、自由な感じが今っぽいですね」
TikTokで話題! 中華圏発“純欲メイク”って?
“純”=清純、“欲”=色気。ピュアさと色っぽさ、相反する2つの要素を含むツヤと血色感が効いたメイクで、中国や台湾のインフルエンサー(写真はオーヤン・ナナ)が発信源。陶器のようなセミマット肌に、涙袋はラメでぷっくり、ハイライトを鼻先やあご先にのせ、唇はツヤツヤに。パーツのすべてを丸く見せるのもポイント!
Photos : John Chan Text : Hiromi Narasaki Edit : Naho Sasaki