「マリー・ローランサンとモード」展
芸術の都パリ。女性たちが羽ばたいた時代を象徴する、二人の才能──マリー・ローランサンとガブリエル・シャネル。伝説の1920年代、 アートとファッションの交点に生きた二人の輝きに触れる展覧会。 (『ヌメロ・トウキョウ(Numero TOKYO)』2023年4月号掲載)
1920年代のパリ、狂騒の時代(レザネ・フォル)に花開いた、革新的な芸術文化。その象徴となったのが、自立心に輝く女性たちだった。体を締め付けるコルセットや堅苦しいしきたりから解放され、短いスカート丈にボブカットのヘアスタイルで街を闊歩する彼女たちの生き方は、アートやファッション、文学、音楽などジャンルの垣根を超えて共鳴し、新たな価値観を切り開いていった。
その一人が、リトル・ブラック・ドレスをはじめ、シンプルかつ機能的な装いで女性の社会進出を後押ししたガブリエル・シャネル。そして、エコール・ド・パリの画家として頭角を現し、パステルトーンに彩られた社交界の肖像で時代の寵児となったマリー・ローランサン。本展はともに1883年生まれの二人の生誕140周年を記念し、その功績に光を当てる試み。ポール・ポワレ、ジャン・コクトー、マン・レイ、マドレーヌ・ヴィオネら同時代の才能との関係に加え、カール・ラガーフェルドがローランサンからインスピレーションを得て発表したシャネルの2011年春夏オートクチュールコレクションなど、約90点で構成される。
彼らが追い求めた女性性(フェミニティ)のヴィジョン──100年後を生きる私たちは、そこにどんな光を見いだすのだろうか。
「マリー・ローランサンとモード」
会期/2月14日(火)〜〜4月9日(日)
会場/Bunkamura ザ・ミュージアム
住所/東京都渋谷区道玄坂2-24-1-B1F
Tel/050-5541-8600(ハローダイヤル)
www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/23_laurencin/
※最新情報はサイトを参照のこと。
Edit & Text : Keita Fukasawa