ファッションストーリー「ヘアと魅せるファッションアディクト」
ヘアはファッションを盛り上げる大きな要素のひとつ。多種多様でフレッシュなモデルたちがファンでアクティブ、そしてときにアーティなヘアスタイルで2023年春夏コレクションのトレンドルックを纏った。(『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2023年3月号掲載)
無駄を削ぎ落としたユニークネス
ミュウミュウのバックルベルト付きのナイロンブラトップと、ビッグなポケットが主張するレザースカート。アクティブな印象のブラと渋みあるレザーの対比でエッジを効かせた。シンプリシティなルックはあえてキュートポップなヘアスタイルに合わせたい。
主張するレッドはプレイフルに纏う
鮮やかなエナメルレッドが艶めく、バレンシアガのパッファージャケット。クロップト丈がY2Kトレンドにもマッチしているから、ボトムを合わせるならオーバーサイズなものでバランスを取りたい。カラフルなキャラクターもののヘアアクセサリーと編み込みで、ジャパニーズkawaiiスタイルのダンサー風に仕上げてみて。
あの頃のフレンチシネマの女優になりたくて
シャネルのインスピレーション源となったのは、1961年の映画『去年マリエンバートで』。一世を風靡した映画運動ヌーヴェルヴァーグの時代を思い起こさせるレトロなピンクパターンのスーチングジャケットで、プリティレディを体現して。緩やかなウェーブパーマのヘアがさらにムードを盛り上げてくれる。
海に棲む洗練されたクリエーチャー
社会の多様性が出会う場所としてイギリスの「ビーチ」に着想を得た、バーバリー。自身の体を受け入れるマインドや解放感がボディコンシャスなシースルーやキャットスーツのデザインに落とし込まれている。レースがあしらわれたジャケットやドレス、「馬の騎士」モチーフパターンが全身に描かれたキャットスーツに、ブランドが受け継ぐエレガンスを感じさせる。唯一無二のクリエーションは、海の生物さながらのチャーミングなヘアでトータルコーディネートしたい。
懐かしさのあるロマンティシズムに恋焦がれて
ジバンシィの、ダスティな雰囲気のあるウォッシュドデニムのジャケット。ジャケットから生えるように野花をヘアに絡めて遊びたい。またディオールのドレスは、クリエイティブ・ディレクターのマリア・グラツィア・キウリが得意とするロマンティックな総レースに仕立てられた。トップだけをカーリーにしたヘアでネオクラシカルにきめたい。そして、夕焼けに黄昏れる鳥のフォトパネルがアタッチドされた斬新なロエベのコート。シンプルなドレッドヘアとともに粋に着こなしたい。
絶妙な透け感が生み出すスキンコンシャスの魔法
アイコニックなバーバリーチェックのパターンをあしらった、シアーなテクニカルコットンのロングドレス。プリントを施したようにダイイングしたウィッグで、粋なマッチングを楽しもう。キュートなレースの中にあえて閉じ込められたリボンが乙女心をくすぐる、アクネ ストゥディオスのトップ。ヴィンテージ感ある退廃的なウェディングがテーマのコレクションルックには、ノスタルジーあふれるガーリーなヘアにセットしてみて。
大海原に身を任せるようなヒーリングを感じて
和紙のようなペーパーをイメージし、絶妙なブルーベースの花柄がプリントされたプラダのドレス。品あるドレスには、まるで海で漁猟をするかのような幾何学的なフィッシュネット状の編み込みヘアの大胆さで対比を楽しみたい。
上品なライトグリーンで90sにドレスアップ
ミニマリストの気軽さと、ポップな要素のぶつかり合いを表現したフェンディ。ライトグリーンのテクニカル素材のニットドレスは、スポーティながらもほどよくカッティングされたパーツで、エレガントに肌見せを楽しめる。ヘアはファンキーさを表現して、ドレスと絶妙にバランシング。
360度抜かりないネオヴィンテージスタイル
フラワーパターンとチャイナドレスのようなシェイプ、フォークロアのキルトなどでグランマっぽい可愛らしさのあるグッチのトップ。ブルーとパープルのグラデーションに染め、バックはハート柄がオンされたフューチャリスティックなムードにキッチュなピンで盛ったヘアで、自分らしさに染め上げて。
ディテールで遊ぶシンプルシティ
ディテールをあえて巨大化させるという試みに出たルイ・ヴィトン。アームベルトや、ショルダーベルト、ボタンにもそれが顕著なトレンチコートでユニークなクラシカルを体現できる。ドレッドヘアをツノやそこから伸びる枝垂れ柳のように繊細に作り上げて、ニューイヤーらしい気合を感じさせて。
明るい未来へのアンテナをはって
ビッグなホワイトのアンスリウムのモチーフがポイントのトップと、ブラックパンツ。楽しい違和感を覚えながら未来を明るく捉えるロエベの神髄を感じ取って。上下に分かれた構築的なヘアでアンスリウムにシンクロさせたい。
さりげなく見せたい煌めく多幸感
結婚式の前夜の幸福感とおかしさを表現したアクネ ストゥディオスのメンズコレクション。ゴールドに編まれたニットベストの主張しすぎない光沢感でハッピーモメントを表現できる。ヘアをペイントすれば、さらにムードを高められる。
ボーダレスに自由にポップを纏う
グッチの、イエローのジャケットとレッドのジャージーパンツ。懐古風のポップカラーリングで、クラシカルとスポーティな要素を見事に調和させた。カラフルなビーズを並べたブレイズヘアで、カテゴリーを超えたファッションスタイルを作り上げて。
運気を上げてくれそうな個性的ドレス
左肩部分で絞られた、まるで金魚が入った袋をそのままデザインしたかのようなドレス。JW アンダーソンらしい斬新なアイデアは、マーメイドっぽい伝説の生物らしいキャラクタリスティックなヘアがちょうどぴったり。
あくまでもさりげなくフェティッシュに
クリスタルがあしらわれた、ヌードベージュのフィッシュネットトップ。バレンシアガの巧みな技術で肌を繊細に煌めかせて。艶を出してポイントをつくったヘアがセンシュアルに寄り添ってくれる。
近未来のフェミニン像
パコ ラバンヌのアイコニックなシルバーメタリックがベースとなったルック。フリンジとチュールが絶妙に融合されたチュチュをヘアにもリンクしてみて。
Photos by Sofia Sanchez & Mauro Mongiello Styling:Felipe Mendes Hair:Yumiko Hikage at CLM Agency Makeup:Lloyd Simmonds at Agence Carole Manicure:Inès Okaci Set Design:Félix Guesnouin at Total World Model:Akira at Oui Management, Amine and Flo at Elite Paris, Emmanuel and Jeanne Z at Premium Models, Kauda, Louise, Mahmadou at M management, Nyakong at Select Models, Violette at Next Management, Yue at Mademoiselle Agency Casting Director:Ikki Casting Edit & Text:midori at W