7人の写真家が撮り下ろす新作ブラックアイテム
素材、ディテール、シルエットなどブランド独自のブラックの世界が際立った今シーズン。人それぞれが見てきたもの、またはその瞬間によってブラックの見え方は変容する。写真家たちの目に映ったものをありのままに感じ取りたい。新作アイテムと個性豊かな7つのストーリーを楽しんで。(『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2022年11月号掲載)
Prada|プラダ
シックなブラックでデザインされたトライアングルロゴ。存在感を放ちながらクラシックなムードと調和する。
熊谷勇樹
(くまがい・ゆうき) 1988年生まれ、静岡県出身。2012年に第6回1_WALLグランプリ受賞。 写真家の横浪修氏に師事し、16年に独立。 神秘的で緊張感のある世界観をつくり出す。22年5月には、写真を始めて10年を経た節目として作品集『Interlude』を発売し、同時に写真展も開催。
Louis Vuitton|ルイ・ヴィトン
ベルベット素材で気品ある佇まいの日本限定ブーツ。ソールもモノグラム・フラワーで統一され遊び心も感じる逸品。
森 栄喜
(もり・えいき) 1976年生まれ。パーソンズ美術大学写真学科卒業。声やあらゆる関係性を可視化し、既存の制度や規範に疑問を投げかける作風で注目を集める。近年の展覧会に「高松コンテンポラリーアート・アニュアル vol.10 ここに境界線はない。/?」(グループ展、高松市美術館、2022年)などがある。
Gucci|グッチ
毒っけのあるチェリーとラディッシュのブローチ。ゴールドとブラックの組み合わせはより強固な印象を与える。
清水はるみ
(しみず・はるみ) 1989年生まれ。スタジオアシスタント、書店の写真集担当を経てフリーに。風景やスティルライフを中心に撮影しており、自然の中に立つ十字架のシリーズや突然変異の動植物を記録するシリーズに取り組んでいる。2022年に京都国際写真祭での企画展示「10/10 現代日本女性写真家たちの祝祭」に参加。
Balenciaga|バレンシアガ
ビッグなフォルムで足元に絶対的な存在感を与える。軽量で歩きやすいのも魅力。
KIZEN
(きぜん) 中国雲南省生まれ。2016年より東京をベースに活動。 自然と人間がつくり出す変化と調和を感じ取り、東洋の世界観をファンタジックに映し出す。国内外問わずファッション誌や広告の分野で幅広く活動している。
Saint Laurent|サンローラン
双眼鏡バッグからインスパイアされた新作モデル「JUNE」。パテントレザーとブラックでサンローランらしい強さを発揮。
菅井健也
(すがい・けんや) 1977年生まれ、福岡県出身。高校卒業後、ロンドンで映像を学ぶ。2008年に第31回公募「写真新世紀」で優秀賞を受賞。21年にはボッテガ・ヴェネタのデジタルジャーナル Issue 01に参加。スナップ写真で注目を集め、ファッション誌やブランドルックの撮影などで活躍。
Fendi|フェンディ
ブランコのようなフォルムと短めのチェーンハンドルがポイントの新作バッグ「オーロック スイング」。肩にかけてもクラッチバッグとしても。
久野美怜
(くの・みれい) 1996年生まれ、東京都出身。2019年にフリーランスとして活動を開始し、同年に女子美術大学デザイン・工芸学科 ヴィジュアルデザイン専攻を卒業。ファッション誌を中心に活躍するほか、22年7月に初個展「Heart Sicks -you broke my heart-」を開催。8月にはヒステリックグラマー渋谷店にて作品「GET ROUND IN THE SEASON」を展示。
Chanel|シャネル
ツイードが今季のコレクションの焦点となったシャネル。しなやかなデザインのブラックカラーのブーツは自然と優しく調和する。
嶌村吉祥丸
(しまむら・きっしょうまる) 東京都出身。国内外を問わず活動し、ギャラリーのキュレーターも務める。 近年の主な個展に「Inside Out」(Warsaw, 2016)、「photosynthesis」(Tokyo, 2020) がある。
Text & Edit:Saki Shibata