小さき視点のアートたち【2】岩崎貴宏 | Numero TOKYO
Art / Feature

小さき視点のアートたち【2】岩崎貴宏

見慣れた眺めのはずなのに、目を凝らしてみた途端、自分を取り巻く景色が一変する。身近なものの形や影、思わぬ隙間や裏側まで。いつもの世界の見え方が鮮やかに変わる。それこそアートの得意技! 小さな視点から広がる奥行きを、じっくり覗いて感じてみよう。Vol.2は岩崎貴宏。(『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2022年7・8月合併号掲載)

 

Takahiro Iwasaki|岩崎貴宏

『アウト・オブ・ディスオーダー(コニーアイランド)』

『アウト・オブ・ディスオーダー(コニーアイランド)』2012年 ビーチタオル ©︎Takahiro Iwasaki Courtesy of ANOMALY
『アウト・オブ・ディスオーダー(コニーアイランド)』2012年 ビーチタオル ©︎Takahiro Iwasaki Courtesy of ANOMALY

原爆が投下された過去を持つ広島で生まれ育った岩崎貴宏。「都市に対して、一瞬で消え去るようなもろい空間感が自分の中にある」という。日用品を素材に都市の風景をジオラマ化する『アウト・オブ・ディスオーダー』は、こうした感覚から生まれたシリーズだ。本作のモチーフはニューヨーク近郊で最大のビーチであり、隆盛と衰退を繰り返した歴史を持つ遊園地で知られるコニーアイランド。積み重なるビーチタオルの糸から作られた建造物は、果たして作品の中だけの景色なのだろうか。

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Text : Akane Naniwa Edit : Keita Fukasawa

Profile

岩崎貴宏Takahiro Iwasaki 1975年、広島県生まれ。歯ブラシ、タオル、本のしおり、ダクトテープなど日用品を用いて繊細ではかない立体作品を制作。日常的な現実を対象との距離やスケールを変えて可視化することで、見る者の固定化された視点や意識を変容させる作品のほか、歴史的な建築物の地上の実像と水面に反射する虚像を一体化させ、ヒノキの木片で再現する『リフレクション・モデル』シリーズも制作。「第57回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展」(2017年)の日本館代表に選出されるなど、国内外で作品を発表。

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