Art / Feature
それは2021年のことだった。コロナ感染の猛威を受けてイギリス政府はロックダウンを実施。展示を目前に控えて来日はおろか、アトリエにすら行けなくなったアーティスト本人から関係者へ、こんなメッセージの着信があった。「収蔵品展のキュレーションなら遠隔でもできるのでは?」。そして、薄暗い展示室内を懐中電灯を手に観賞するなど、前代未聞の企画が実現。そう、これがライアン・ガンダーなのだ。
何もない室内に吹き抜ける風を作品として発表するなど、世界的に注目を集めるコンセプチュアルアートの旗手。謎めいた作品名に、絵画、立体、映像、インスタレーション……多岐にわたる手法で身近なものを照らし出し、新たな見方を喚起する。時間やお金など、見えにくい物事に光を当て、疑問や想像力をかき立てる。
延期を経て開催される本展は、東京で初めての大型個展。新旧さまざまな作品を組み合わせ、空間全体を一つの大きな作品として作り上げるという。と同時に「ライアン・ガンダーが選ぶ収蔵品展」を新たな趣向で再び開催。果たしてどんな展示になるのだろう。クスッと笑える印象が、後からハッと気づきに変わる。本人降臨によるライアン・ガンダー体験が、いよいよ東京で幕を開ける。
東京初の大規模個展「ライアン・ガンダー われらの時代のサイン」@東京オペラシティ アートギャラリー
『最高傑作』2013年 公益財団法人石川文化振興財団蔵 Photo: Martin Argyrogl Courtesy the artist and TARO NASU
何げなく目にした光景に、どこか引っかかるものがある。何かがおかしい——。これがライアン・ガンダー流、ユーモアあふれるコンセプチュアルアートの世界。満を持しての大型個展×前代未聞の収蔵品展再び。何が起きるか、さあお立ち会い!(『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2022年9月号掲載)
『2000年来のコラボレーション(予言者)』2018年 公益財団法人石川文化振興財団蔵 Photo: Stevie Dix Courtesy the artist and TARO NASU
それは2021年のことだった。コロナ感染の猛威を受けてイギリス政府はロックダウンを実施。展示を目前に控えて来日はおろか、アトリエにすら行けなくなったアーティスト本人から関係者へ、こんなメッセージの着信があった。「収蔵品展のキュレーションなら遠隔でもできるのでは?」。そして、薄暗い展示室内を懐中電灯を手に観賞するなど、前代未聞の企画が実現。そう、これがライアン・ガンダーなのだ。
『ひっくり返ったフランク・ロイド・ライト+遠藤新の椅子、数インチの雪が積もった後』2022年 Photo: David Tolley Courtesy the artist and TARO NASU
何もない室内に吹き抜ける風を作品として発表するなど、世界的に注目を集めるコンセプチュアルアートの旗手。謎めいた作品名に、絵画、立体、映像、インスタレーション……多岐にわたる手法で身近なものを照らし出し、新たな見方を喚起する。時間やお金など、見えにくい物事に光を当て、疑問や想像力をかき立てる。
『時間の問題にすぎない』2020年 Courtesy the artist
延期を経て開催される本展は、東京で初めての大型個展。新旧さまざまな作品を組み合わせ、空間全体を一つの大きな作品として作り上げるという。と同時に「ライアン・ガンダーが選ぶ収蔵品展」を新たな趣向で再び開催。果たしてどんな展示になるのだろう。クスッと笑える印象が、後からハッと気づきに変わる。本人降臨によるライアン・ガンダー体験が、いよいよ東京で幕を開ける。
ライアン・ガンダー近影 Photo: Jon Gorrigan Courtesy the artist and TARO NASU
「ライアン・ガンダー われらの時代のサイン」
会期/7月16日(土)〜9月19日(月・祝)
会場/東京オペラシティ アートギャラリー
住所/東京都新宿区西新宿3-20-2
TEL/050-5541-8699
www.operacity.jp/ag/
※最新情報は上記サイトを参照のこと。
Edit & Text : Keita Fukasawa