あなたの推しアート、見せてください!vol.2 PRコーディネーター 市川靖子
アートを所有するってどういうこと?アートを愛するクリエイターたちが見せてくれた“推しアート”から、目で楽しむだけではない、いろんな想いが見えてきた。Vol.2はPRコーディネーターで株式会社いろいろ代表取締役の市川靖子の推しアートをご紹介。(『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2022年6月号掲載)
自分なりの飾り方で楽しみながらアーティストを支援
上2点/青山悟
『Shake Hands』2020
下/今村文
(左)『白いはなふたつ』2020 (右)『たくさんの花』2019
「アーティストはいつも知らない世界を教えてくれる」と語るのは、アートを専門にPRを手がける市川靖子。たくさんの国際的なアートフェアや芸術祭にも関わってきた。「アーティストという生身の人間が自己や自国が抱えている問題を、作品を通して教えてくれます。そこにはとても説得力があって、魂を揺さぶられるんです。行く機会がなかなかない地域について知ることができたり、海外で起きている社会的な問題をアーティストの目線で知ったり。ニュースを見るよりずっと伝わってきます」
国内外の作家の作品を購入してきたが、ここ最近は日本の作家のものが多いという。コロナ禍でアーティストを支援したいという気持ちも強くなったからだ。「刺繍で施されている青山悟さんの作品はまさにコロナ禍に作られたもの。握手をモチーフにした2点1組の作品で、あえて額に入れず、貼る距離感を変えて楽しんでいます。床に置いた作品は今村文さん。彼女の作品は10点ほど持っています。とても可愛らしく、部屋で植物を育てる感覚で飾っていますね。小さいドローイングは1万円ほど、大きい作品でも5万円くらいでした。やはり購入する際は価格も重要。自分らしい暮らしを我慢せず、無理なく応援できる範囲で購入しています。購入する機会としておすすめなのは『Art Collaboration Kyoto』という昨年京都で始まったばかりのアートフェア。海外のギャラリーも多く参加し、新しい出合いに期待できます。お手頃な価格の作品もありますよ」
購入した後は額装。「センスの信頼できる額装屋にお願いしたり、画材屋でも調達します。自分好みに額装すると、さらに愛おしくなりますね」
Photos:Shuichi Yamakawa Interview & Text:Sayaka Ito, Saki Shibata