超入門!「NFTアート」ことはじめ | Numero TOKYO
Art / Feature

超入門!「NFTアート」ことはじめ

絵画や彫刻は一点もの。でもデジタルデータはコピー可能で、固有の価値が付けられない──。それを解決した技術がNFT。ではどんなアートが話題? どう楽しめば? どこで買える? 疑問だらけのあれこれを、NFT専門メディアがやさしく解説。超入門編の始まりです!(『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2022年6月号掲載)

目次
1. NFTアートの基礎知識
■ NFTアートとは?
■ NFTアートのトレンドは?
■ 現代アートとの違いとは?
2. NFTアートの楽しみ方
3. NFTアートを買える場所

記事監修:dApps market(ダプマ) NFTメディアの草分け的存在として、2018年3月にスタート。国内外のプロジェクトを中心にさまざまな情報を掲載し、コラボやイベントにも意欲的に参加。NFTアートやGameFi(NFTゲーム)・DeFi(分散型金融)の専門チームで取材を行い、海外の一次情報やインタビューなどをわかりやすく、正しく読者へ提供する目的で運営。ブロックチェーンを知らない初心者にも興味を持ってもらえるよう、NFTとつながる他分野のサポートも行う。 https://dappsmarket.net/

1. NFTアートの基礎知識

NFTって何? どうして話題に? これまでのアートと何が違う? まずは基礎からご説明!

■ NFTアートとは?

近年、新しい芸術表現の一つとして世界をはじめ日本にも浸透し始めているNFTアート。果たして、従来のWebのデジタルコンテンツと何が違うのか? 表向きは、デジタルとNFTのアートに違いはない。NFT(Non-Fungible Token/非代替性トークン)とは、デジタル上の証明書を指す技術だ。暗号資産(仮想通貨)に使われるブロックチェーン技術を用いて複製ができない証明を行うことで、デジタルコンテンツの価値が固有のものになる。作品を無断で複製したデジタルデータに価値は認められないが、唯一無二だと証明できるNFTの登場で、デジタルデータにオリジナル作品としての価値が認められ、アート市場からも注目されることになった。デジタルなアート表現に価値を与える新しい概念、それがNFTアートの正体だ。

「CryptoPunks」(2017年)

当初は無料で配布されたが、NFTアートの市場に最初の熱狂をもたらした。1万点からなる草創期の伝説的作品。(画像:公式サイトより)
当初は無料で配布されたが、NFTアートの市場に最初の熱狂をもたらした。1万点からなる草創期の伝説的作品。(画像:公式サイトより)

■ NFTアートのトレンドは?

NFTアート史上、最も歴史のある作品として名を残すのは「CryptoPunks(クリプトパンクス)」。1万点からなるシリーズで、いずれもデザインが異なっている。どのように1万もの作品を手がけたのか? アルゴリズムによって自動生成されるジェネレーティブアートの手法を用い、NFTとして発行。この手法を用いた作品が大流行し、模倣品が出ては消え、第一次NFTブームの火付け役となった。次に世界へNFTアートの存在を印象づけたのがBeepleの単一の作品で、当時75億円もの価値を付けて落札された。これを機に世界的にNFTアートが普及。現在市場をリードしている「BAYC(Board Ape Yacht Club)」をはじめ、ナイキが買収したRTFKT Studiosの「CLONE X」などが人気を博している。「CryptoPunks」同様、奇しくもジェネレーティブアートの手法を用いた作品という点でも印象深い。

「BAYC(Board Ape Yacht Club)」

Yuga Labsによる1万点からなるコレクション。セレブがこぞってSNSのアイコンに使ったことで価格が急騰し、最低2000万円以上に。(画像:OpenSeaの販売画面)
Yuga Labsによる1万点からなるコレクション。セレブがこぞってSNSのアイコンに使ったことで価格が急騰し、最低2000万円以上に。(画像:OpenSeaの販売画面)

■ 現代アートとの違いとは?

NFTアートには、従来の現代アートとは異なる特徴がある。一つはアーティストへの還元だ。NFTアートは二次流通が盛んだが、ある工夫が加えられている。売買された手数料の一部がアーティスト(発行元)へ還元される仕組みのため、保有者もアーティストも気兼ねなく二次流通を受け入れられる。次に、コミュニティの在り方にも注目したい。NFTは証明書として利用できるため、作品所有者のみが参加できる限定的なコミュニティやイベントなど、関連プロジェクトへの参加権などを得ることができる。「作品を所有したらゴール」ではなく、作品を所有したらスタートに立つという、コミュニティとの交流に楽しみが生まれる。その記録はすべてブロックチェーンに刻まれるため、アーティストだけではなく関わったすべての人々が一つのアートを紡いでいく……そんな世界感に酔いしれているのかもしれない。

「CLONE X – X TAKASHI MURAKAMI」(2022年)

あの村上隆がNFTクリエイター集団RTFKTと共同で約2万体のアバターを展開。なお村上は代表的モチーフの「お花」をドットで表現したNFT作品「murakami.flowers」も発表し、注目を集めている。(画像:OpenSeaより) © Takashi Murakami/Kaikai Kiki Co., Ltd. All Rights Reserved.
あの村上隆がNFTクリエイター集団RTFKTと共同で約2万体のアバターを展開。なお村上は代表的モチーフの「お花」をドットで表現したNFT作品「murakami.flowers」も発表し、注目を集めている。(画像:OpenSeaより) © Takashi Murakami/Kaikai Kiki Co., Ltd. All Rights Reserved.

2. NFTアートの楽しみ方

デジタルなアートをどう楽しむ? 準備は? 購入方法は? イラスト仕立てで解説します!

図解:NFTアート 購入の流れ
NFTはブロックチェーン技術を用いて作られている……と聞くと「難解で、何から始めたらいいかわからない!」という方も多いだろう。耳慣れない言葉が多く、複雑な手順を踏むため難しそう……という先入観をなくすために、初めての読者でも簡単に始められるチャートをご用意。好きなアーティストの作品を見つけるところから、購入の手続き、楽しみ方、作品を売却するところまで。手順に沿ってぜひ試してもらいたい。

【01】 NFTアート作品を探そう
好きなアーティストがすでにNFT作品を出している場合はSNSからアクセスしよう。一から探したい場合はマーケットプレイス(NFT作品が出品されているサービス/「3. NFTアートを買える場所」)を利用して、好きな作品を選んでみよう。

【02】 暗号資産取引所の口座開設
多くの場合、NFTアートを購入するには支払いに暗号資産(仮想通貨)が必要となり、取引所の口座開設が必要となる。日本では暗号資産を入手するには取引所の仲介が必要なため、NFTアート作品の購入に必要な暗号資産を準備しよう。

【03】 暗号資産ウォレットの作成
取引所が銀行口座だとしたら、ウォレットは買い物をする財布だと想像してほしい。作成時の注意点として、端末の紛失やパスワードを忘れた際にリカバリーできる秘密鍵を必ず保管し、第三者へ絶対に知られないように注意しよう。

【04】 取引所からウォレットへ送金
NFTはウォレットにて売買・保管することになる。まずは、取引所で用意した暗号資産をウォレットへ送金しよう。取引所の口座やウォレットにはアドレス(口座情報)があり、それを入力することで送金が完了する仕組みだ。

【05】 マーケットプレイスへ接続しよう
NFTマーケットはウォレットをサービスへつなげることで取引が可能となるため、スマホやパソコンでサービスを開いてウォレットの接続を行おう。フィッシング対策などのため、URLが正しいものかどうか必ず確認してほしい。
【06】 NFTアートを購入しよう
好きなアーティストの作品へアクセスし、購入ボタンをクリックすれば取引が成立。マーケットプレイスごとに差があるが、暗号資産の送金には手数料が必要になるため、その金額も含めてチェックすることを忘れずに。

【07】 NFTアートを楽しむ
デジタル上のアートのため、現時点で閲覧する方法は限られる。スマホやPC、VRデバイスなどのほか、SNSで自身のアカウントと連携したり、所有者限定コミュニティへ参加したりするなど、NFTならではの交流を楽しもう。

【08】 NFTアートを売却しよう
マーケットプレイスに接続していれば、所有しているNFTアートはいつでも売却が可能だ。その際は売値を設定すればすぐに掲載される。作品の売買額や過去の所有者などの記録が公開される点も、NFTのメリットの一つだ。

3. NFTアートを買える場所

いよいよ作品購入へ。どこがオススメ? どんな特徴が? それぞれの違いを見てみよう!

NFTはアートをはじめ、ゲームや音楽、動画などその形態は多岐にわたる。中でもNFTアートは作品数がとにかく多く、評価の基準も定まっていない新興市場。基本言語は英語で情報収集も簡単とは言いづらい。その一方で、日本でもマーケットプレイスが続々とローンチ。ここではNFTアートにフォーカスして、世界一のマーケットプレイス「OpenSea」と、注目の国内事業者の特徴を紹介する。初心者はまず国内サービスに触れてみて、興味を持ったら規模の大きい海外サービスを利用してみよう。


多彩なNFTを取り扱う世界最大のマーケットプレイス
世界最大規模のマーケットプレイス。著名なNFTアート作品をはじめ、多岐にわたるNFTを取り扱っている。取引高・利用ユーザーともに世界で一番多く、幅広くNFTをチェックしたい方にお勧めしたい。現時点では言語は英語のみ。少し慣れがいるが、NFTアートの世界を体感する上でも一度は試してみていただきたい。

ニューヨークを拠点として2017年12月に開設、現在も急成長中の世界最大手マーケットプレイス。「MetaGallery by Numéro TOKYO」も展開中(詳細はこちら)。 https://opensea.io/


日本初の公認アーティスト制! 選りすぐりのNFTが並ぶ市場
認定している総勢190名のアーティスト作品を中心に、取り扱いを行っている。SBIは現代アートなどのオークションを運営していることもあり、そのバックボーンも大きな魅力。また、クレジット決済ができるため気軽にNFTアートを所有することもできる。メタバース内に設置されたギャラリーも楽しみの一つだ。

3月に全面リニューアル。メタバース空間に常設アートギャラリーを設置し、公認アーティストの作品展示などを行うほか、スプツニ子!らがパートナーとして参画。今後の展開に注目が集まる。 https://sbinft.market/


著名人のNFT作品で話題の国内サービス
GMOが運営しているマーケットプレイス。坂本龍一をはじめ、国内の著名人による作品が掲載されて話題を呼んでいるほか、NFTホルダーのみが閲覧できる限定コンテンツなども用意されている。決済手段も銀行振り込みとクレジットカードに対応しており、暗号資産を持っていない人でも気軽に利用できるのが大きな魅力。

坂本龍一の楽曲からメロディ595音を1音ずつデジタル分割してNFT化したり、渋谷で期間限定のNFTアートギャラリーをポップアップ開催したりするなど、多面的な取り組みが光る。 https://adam.jp/


楽天のNFTマーケットプレイスが始動!
楽天が運営しているマーケットプレイス。他サービスと異なり、こちらは楽天IDで利用が可能。決済手段はクレジット決済や楽天ポイントに対応し、NFT購入時には楽天ポイントが貯まるため、楽天のサービスを使い慣れた人は気軽に始められる。今後、アートに関連したNFTを順次展開していく予定。

今年2月にサービス開始。一般社団法人アートパワーズジャパンとの連携で三沢厚彦や小瀬村真美ら実力派作家の作品を発売していく(※1)。他にも日本の工芸など幅広い分野の展開を予告している。 https://nft.rakuten.co.jp/
※1(参考記事)Numero.jp「『Rakuten NFT』の新展開!NFTアート作品が販売決定」


アート以外のNFTも知りたいならコインチェック
国内大手の暗号資産取引所として知られるコインチェックが運営しているNFTマーケット。暗号資産による決済手段が豊富で、15種類の通貨で決済が可能。NFTアートに限らず、海外で人気のメタバースゲームやTOMO KOIZUMIをはじめデジタルファッションのNFTなどが多く揃っているため、探求心がくすぐられる。

日本初のNFTマーケットプレイス*として開設され、β版として運営中。「CryptoPunks」の新プロジェクト「Meebits」も取り扱う。(*日本国内の暗号資産交換業者として、同社調べ) https://nft.coincheck.com/

Supervision & Text : dApps market Illustration : Manami Abe Edit : Keita Fukasawa

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November 2022 N°161

2022.9.28 発売

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