「イルカのイルカくん」、『ボブネミミッミ』の仕掛け人! AC部の新作展覧会「異和感ナイズ展」 | Numero TOKYO
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「イルカのイルカくん」、『ボブネミミッミ』の仕掛け人! AC部の新作展覧会「異和感ナイズ展」

この世界には二つの違和感が存在する。一つは社会の歪みが引き起こす不合理(エラー)。もう一つが、クリエイティブチームAC部の仕業。それにつけてもこの違和感は一体どこから来るのだろう? ミイラ取りがミイラになる、“異和感”爆発な展覧会。(『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2022年4月号掲載)

本展のイメージヴィジュアル。
本展のイメージヴィジュアル。
これは何かの間違いではないか──。近頃、そんな違和感が増えている。テレビ番組。広告の表現。ウェブの動画。逆に自分がおかしいのでは!? 思わず不安になってしまう。でもちょっと待ってほしい。もしかすると、AC部の仕業かもしれないから! 例えば、ファッションブランドkolorともコラボしたキャラクター「イルカのイルカくん」。
kolor × イルカのイルカくん(2020年)©kolor ©AC部
kolor × イルカのイルカくん(2020年)©kolor ©AC部
モンスターストライク × イルカのイルカくん/キャンペーン広告(2020-21年)©XFLAG ©AC部
モンスターストライク × イルカのイルカくん/キャンペーン広告(2020-21年)©XFLAG ©AC部
何度見ても、口や体が気になってしまう。それに『ボブネミミッミ』。不条理テレビアニメ『ポプテピピック』のなかでも、飛び抜けた理不尽さで全日本が震撼。

『ボブネミミッミ』(2018年)©大川ぶくぶ / 竹書房・キングレコード ©AC部
『ボブネミミッミ』(2018年)©大川ぶくぶ / 竹書房・キングレコード ©AC部

東京都選挙管理委員会のPR動画『18歳選挙権』は「カオスすぎる」とバズの嵐に。

すると世界的エクスペリメンタルロックバンドのBattles(バトルス)も何を思ったか、ミュージックビデオにAC部を起用。お神輿ロボットが地球と合体、超巨大ウイルスと戦いを繰り広げ、全世界を呆然とさせた。

そんなAC部の原点は、美大時代のデッサンの講評。わざと下手に描いた絵が、予想外に面白がられたことだという。以来、世間の常識を逆手に取り、まさかの第一線へ躍り出た。24年目となる本展でも、堂々と“異和感”をテーマに掲げる始末。当然、ただ事で済まされるはずがない。おかしいのはAC部、それとも自分!? どうぞお気をつけてお楽しみください。

AC部「異和感ナイズ展」

AC部の根源をなすテーマである違和感を軸に、新作で構成する展覧会。
会期/2月22日(火)〜3月30日(水)
会場/クリエイションギャラリーG8
住所/東京都中央区銀座8-4-17 リクルートGINZA8ビル1F 
TEL/03-6835-2260
http://rcc.recruit.co.jp/g8/
最新情報は上記サイトを参照のこと

Edit & Text: Keita Fukasawa

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