女性がつくる、女性に優しい靴|vol.2 小坂英子
おしゃれのために足の痛みを我慢することなく、スタイリッシュな足元を実現したい。 女性の悩みを理解し、解決してくれるのは、同じ思いを共有する女性デザイナー。 それぞれの考え方で生み出される女性に優しい靴とは? vol.2はKATIMのデザイナー小坂英子さんにフォーカス。(『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2021年9月号掲載)
KATIM(カチム)
小坂英子さん
利他の心で、靴への愛を注ぎ続ける
ドイツ式整形外科靴を学び、2015年のスタート時から“機能美と造形美の相乗効果”を追求するカチムの小坂さん。ファッションが好きで、若い頃はストリートカルチャーやダンスミュージックに傾倒。20代後半に女性らしさを身につけたいと思い、単なる物ではなく人の佇まいを左右するアイテムでもあり、それまでのキャリアで生産背景を知っていた靴づくりの道へ。整形外科靴の知識を指標に、痛くなる要素をデザインで削ぎ落とせないかと研究し、独自データで木型も開発、フィッティング調整のアフターケアも行う。
ベーシックとはひと味違う意志を感じるのは職人はもとより、大切にする人との対話で養われた客観的な視点が影響しているのかもしれない。昨今ヒールは女らしさを強いる象徴のようにも扱われるが、履きたい人の選択を奪うのもどうなのかと感じている。「今は許容や中和、理解や配慮を求められる時代。こうあるべきから解き放たれた代わりに自己責任も大きい。だからこそ凛とした佇まいをイメージしていたいと思います」
KATIMのシューズをご紹介
「靴と自分の間に親密さを育てて長く履いてほしい」。モデル名は小坂さんと縁のある道から。
01. APPLELINE
02. KAN-ETSU
03. FOLKLAND
04. PORTOBELLO leather
05. ORCHARD
Edit &Text : Hiroko Koizumi