私たちのニューススタンダード file. 24 「TOLIGHT」デザイナー 青山明生
私たちが直面した、いまだかつてない困難。コロナ禍で見つけた新しい価値観について、ファッション業界人に聞く連載シリーズ。 STAYHOME期間を経て手に入れた、それぞれの“ニュースタンダード”とは。第24回目は、「TOLIGHT」デザイナーの青山明生。
──自粛期間中に始めた新しい趣味や習慣、活動について教えてください。 「コロナ禍でなかなか外に出られなかったので、少しでもリフレッシュしようと部屋に観葉植物やお花を飾ったり、絵を描いて飾ったりしていました。それがかえって今まで以上に自然を感じる機会となり改めて生きている植物の美しさに感動したり、日々変化する姿をみて元気をもらいました。その体験がとても新しくて楽しく、気持ちも晴れやかになったため、みんなに共有したい!という思いでホームページに私の描いたドローイングのデータをフリーダウンロードができるように公開したところ、TOLIGHTのイベントでその画像をダウンロードしてくださった方が来てくださったり、お部屋に飾ったよというご報告をいただけたりと、嬉しい出来事につながりました」
「また、お花を飾るための花瓶が家になかったので空いたワイングラスに絵を描いたところ、とても可愛くできたので、商品化したらお客様のお家も華やかになるのでは……?と思い、1点ものの花瓶を作成しました。1つ1つ、手描きで花瓶に絵を描き、お花屋さんとのコラボレーションでその花瓶にあったお花もセットで販売したところ、とてもいい反響をいただき、POPUPイベントやお取り扱いが増えていくなど、お洋服と花瓶を一緒に見せるといういままでにはない展開を実現することができました」
──コロナ以前と比べて変化したことはありますか?
「家の中にいることが増えたことで、生きることを心地良くするデザインに関心が高まったように思います。自分の気持ちがあがるもの、楽しめるものに心が動いていっています。また、私自身もデザイナーとして自分のやりたいことや持っている力を、どう変換したら新しい素敵なものを作れるかな、と考えることが増えました。デザインに対してよりピュアに、境目なく考える機会になったと感じています。お洋服のブランドとしての活動の中で、絵を描いたり花瓶やお花を販売することで、わくわくする気持ちをデザインしているような、明るく生きるためのヒントを提供できるブランドになりたいと思う気持ちが強くなりました」
Edit: Yukiko Shinto, Nozomi Urushibara