見て感じるボディ【7】バーバラ・ヘップワース | Numero TOKYO
Art / Feature

見て感じるボディ【7】バーバラ・ヘップワース

アーティストたちの目に体はどのように映るのだろう。 それは大きさを変え、形を変え、体の新しい一面を、新しい可能性を教えてくれる。 体には、まだまだ私たちの知らない自由な世界が広がっているのだ。(『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2021年6月号掲載)

『Mother and Child』 Photo © Tate. Mother and Child,1934 (BH 58), Tate © Bowness
『Mother and Child』 Photo © Tate. Mother and Child,1934 (BH 58), Tate © Bowness

バーバラ・ヘップワース

『Mother and Child』

母と子のモチーフは、1920年代後半から30年代初頭にかけて繰り返し作られてきた重要なテーマの一つだ。同時期に長男、次男を出産し、さらに3つ子の母親となったヘップワース。のちに「激しい時期だった」と語っているように、自身の感情や環境の変化が、このモチーフの追求へと誘ったのだろう。母と子はそれぞれ個別に作られており、母が子を支えながらも、いつでも離れることができるといった“成長”の意味も込められている。

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Text : Akane Naniwa Edit : Keita Fukasawa, Chiho Inoue, Sayaka Ito, Mariko Kimbara

Profile

バーバラ・ヘップワースBarbara Hepworth 1903年、イギリス・ウエスト・ヨークシャー州生まれ。ヘンリー・ムーアと並んで20世紀のイギリス彫刻界を代表する、モダニズム彫刻の先駆者の一 人。大理石や木材、ブロンズなどさまざまな素材を巧妙に用いた優美な曲線と、多く見られる穴が特徴的。抽象的な形ながら、自然との親和性や温かさ、繊細さを感じさせる。国内では箱根彫刻の森美術館などに作品が常設されている。75年没。

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