「MIROIRS – Manga meets CHANEL」展 | Numero TOKYO
Culture / Feature

「MIROIRS – Manga meets CHANEL」展

パリ・カンボン通り、ガブリエル・シャネルのアパルトマンに設けられた鏡張りの螺旋階段。彼女にとって鏡とは、アートの世界への扉だったのかもしれない。その人生に共鳴したのが『約束のネバーランド』の作者たち。マンガ×シャネル――響き合う魂の物語へ、ようこそ。(『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2021年6月号掲載)

描き下ろし作品より、「世界を塗り替えるココ」をテーマにした本展のメインヴィジュアル。(© 白井カイウ・出水ぽすか/集英社)
描き下ろし作品より、「世界を塗り替えるココ」をテーマにした本展のメインヴィジュアル。(© 白井カイウ・出水ぽすか/集英社)

芸術を愛し、その担い手を支援し続けたガブリエル・シャネル。そして『約束のネバーランド』原作者の白井カイウと作画家の出水ぽすか。その意外なコラボレーションが意味するものとは何だろうか。過酷な運命に抗い、逆境を乗り越えていく孤児たちの姿を描いた『約束のネバーランド』は、単行本20巻の全世界累計発行部数3200万部以上、TVアニメ、実写版映画も製作された。波乱に満ちた展開や心理描写、それらが織りなす圧巻の体験が、国や文化の違いを超え、人々を大いなる共感の輪へと導いたのだ。これに限らず日本の“MANGA”文化は、独自の表現形式(アートフォーム)として世界的評価を確立している。

描き下ろし作品より、香水瓶と東京を描いた作品。(© 白井カイウ・出水ぽすか/集英社)
描き下ろし作品より、香水瓶と東京を描いた作品。(© 白井カイウ・出水ぽすか/集英社)

もし二人がシャネルのフィロソフィと出合ったなら、まったく新しい表現の地平が開けるのではないだろうか? 本展は白井と出水がガブリエル・シャネルの人生や創造性に共鳴し、描き下ろした物語から構成。「MIROIRS(鏡)」をテーマに現代の東京で生きる3名のエピソードが綴られ、シャネル N°5やリトル・ブラック・ドレスなどの資料とともに、作者たちとシャネルとの邂逅(かいこう)を追体験させる。同時期には物語のコミックも刊行。シャネルの精神と現代の息吹で織りなすストーリーが、いま幕を開ける。

描き下ろし作品より、少年とリップスティックを描いた作品。(© 白井カイウ・出水ぽすか/集英社)
描き下ろし作品より、少年とリップスティックを描いた作品。(© 白井カイウ・出水ぽすか/集英社)

シャネルにまつわる資料より、ガブリエル・シャネルとダンサー・振付家のセルジュ・リファール。(Photo: Jean Moral ©Brigitte Moral SAIF Paris)
シャネルにまつわる資料より、ガブリエル・シャネルとダンサー・振付家のセルジュ・リファール。(Photo: Jean Moral ©Brigitte Moral SAIF Paris)

「MIROIRS –Manga meets CHANEL Collaboration with 白井カイウ&出水ぽすか」

会期/4月28日(水)〜6月6日(日) 
会場/シャネル・ネクサス・ホール 東京都中央区銀座3-5-3 シャネル銀座ビルディング4F
Tel/03-3779-4001
https://chanelnexushall.jp/

※事前予約制。予約および最新情報は公式サイトを参照のこと。また、コミック『miroirs』が4月30日(金)集英社より刊行される。

Edit & Text : Keita Fukasawa

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