手越祐也“画伯”×長坂真護、アートコラボ企画に密着取材! | Numero TOKYO
Art / Feature

手越祐也“画伯”×長坂真護、アートコラボ企画に密着取材!

巨大なキャンバスを前に、真剣な面持ちで絵筆を握る手越祐也。
巨大なキャンバスを前に、真剣な面持ちで絵筆を握る手越祐也。

変化の時代に、大きな飛躍を遂げた手越祐也の新たな挑戦ーーそれはアート! ガーナのスラム街の人々を救うため活動する注目のアーティスト・長坂真護とのコラボレーションが実現。制作中の様子から、絵筆を手にした“画伯”の表情、作品の展示予定(!?)までをレポートする。

手越祐也×長坂真護、“アートで世界を変える”コラボに挑戦!

『ヌメロ・トウキョウ(Numero TOKYO)』2021年4月号(2月26日発売)の特装版カバーを飾った手越祐也。8ページに及ぶ記事では、さまざまな表情を切り取った撮り下ろし写真に加え、独立後の精力的な活動や今の気持ち、心に秘めた「人助け」の精神について語ってくれた。(※1)
その彼が次なる挑戦として選んだのが、アートで新たな自分自身を表現すること。果たして、その結果とは……!?

(※1)参考記事/Numero.jp「手越祐也が『ヌメロ・トウキョウ』最新号の特別版表紙に登場!」

この日、手越祐也が訪れたのは、都内某所のアトリエ。出迎えたのは、長坂真護(ながさか・まご)。新宿・歌舞伎町のホストを経て路上の絵描きになり、その後、先進国の電子ゴミにまみれたガーナのスラム街の人々を救うため、世界を変えようと立ち上がったアーティスト。たった一人で始めたその活動が、わずか数年で現地に学校やミュージアムを設立し、エミー賞受賞監督によるドキュメンタリー映画が制作されるなど、大きなうねりに拡大。小誌でも2020年3月号でフィーチャーするなど、今まさに注目を集める存在だ。(※2)

(※2)参考記事/Numero.jp「世界を変えるアーティスト、長坂真護の挑戦」

長坂真護のアトリエにて、ガーナの電子ゴミを使った長坂の立体作品の前で語り合う二人。
長坂真護のアトリエにて、ガーナの電子ゴミを使った長坂の立体作品の前で語り合う二人。

一方、手越祐也といえば、これまでも番組企画で絵を描いた際、その独創性あふれるタッチから、“画伯”という呼び名で話題を集めてきた感性の持ち主。それでも「人物とか風景とか、具体的なものを描くのは苦手で……抽象的なほうが得意かも」と語る手越に長坂が、「何万人もの人の前で歌ったり表現したりしてきた手越くんのエネルギーを、マイクから絵筆に持ち替えるだけで大丈夫!」と背中を押す形で、記念すべきコラボレーションがスタートした。

まずは、床に積まれた電子機器の残骸の山から、気になる形のものを選び、キャンバスの上に置いていく。これは、世界中から回り回ってガーナの首都アクラのスラム街、アグボグブロシー地区へと不法投棄された電子ゴミ。このゴミの山を“アートに変える”ことで大きな価値を生み出し、売り上げを現地の人々へ還元していくのが、長坂が独自に編み出したアートの方法論だ。
「上手く作ろうと考えなくていい。気になると感じたものを置いていけばOK」と言う長坂に、手越も「いい絵ができて売れたらその分、ガーナの人たちのためになるんですよね? それは僕が独立してからやりたいと思ってきたことともつながるし、気持ちが入りますね」と真剣な表情に。

電子ゴミの山から、気になるものやイメージに合う形を選んでいく。
電子ゴミの山から、気になるものやイメージに合う形を選んでいく。

果たしてどんな作品が!? まさかの作品展示の舞台も明らかに

最初は小さなキャンバスで試したところ、「いけますね! もっと大きいのも作ろう」という長坂の一声で、大きなキャンバスにも電子部品を配置していく。考えながらの作業が終わったところで、電子部品をキャンバスに糊付け。
ここからは絵筆を手に取り、描いていく作業。「僕のやり方は、絵の具を5色しか使わない。人生と同じで、混ぜ方によって1600万通りの彩りが作れるんです」という長坂の手法に最初は戸惑っていた手越だが、パレット上で絵の具を混ぜ合わせ、初めは少しずつ、やがて大胆に絵筆を動かし始めた。

電子ゴミを貼ったキャンバスへ、インスピレーションの赴くままに絵筆を走らせる。
電子ゴミを貼ったキャンバスへ、インスピレーションの赴くままに絵筆を走らせる。

「頭の中に『こういうことを伝えたい』というテーマがあって、それをどうカタチにしていくか……描くからには売れるものにしたい、それが誰かの力になるなら」という手越。その様子を見守る長坂も、「手越くんにしかないセンスをすごく感じる。それは手越くんの才能や生きてきた経験から出てきたものだし、『人のためになりたい』という気持ち、つまり“愛”だと思う」と声をかける。集中力が高まっていき、ひたすら無言で描き続ける展開となった。

こうして、手越祐也と長坂真護それぞれの作品と、二人のコラボレーションによる作品が完成。手越はなんと、コラボレーションを含めて大小3点もの作品を完成させた。それでも疲れをみせることなく、「決まったルールのない、自分が今まで触れたことのない世界観。すごく楽しかった!」と語ってくれた。
そのくわしい様子は、YouTubeの「手越祐也チャンネル」で近日公開予定。
また、この共同制作中に行われた二人による対談も、『ヌメロ・トウキョウ(Numero TOKYO)』2021年6月号(4月28日発売)に掲載される。

描き上げた大型作品を前に。これ以外に、自身の作品がもう1点と、二人のコラボレーションによる作品1点が完成!
描き上げた大型作品を前に。これ以外に、自身の作品がもう1点と、二人のコラボレーションによる作品1点が完成!

ここでさらにビッグニュースが! 今回制作した作品が晴れて一般公開される。展示場所は、長坂としても過去最大の展覧会となるという「長坂真護展 ー天命回帰/Still A “BLACK” STARー」(伊勢丹新宿店 本館6階 催物場)。名だたる巨匠や選ばれしアーティストだけが個展開催を許されてきたこの大舞台に、なんと“手越画伯”による渾身の作品が登場! キャンバスに込められた手越祐也の想い、挑戦し続けるエネルギーを、ぜひ会場で体感してみよう。

※掲載情報は3月25日時点のものです。
最新情報は各サイトをチェックしてください。

YouTube「手越祐也チャンネル」

URL/https://www.youtube.com/channel/UCSEoj94-efoQhREyRWRySKA

「長坂真護展 ー天命回帰/ Still A “BLACK” STARー」

会期/2021年4月14日(水)〜25日(日)
会場/伊勢丹新宿店 本館6階 催物場
住所/東京都新宿区新宿3-14-1
時間/10:00〜20:00 (4月14日(水)、25日(日)は〜18:00)
URL/https://www.mistore.jp/shopping/event/shinjuku_e/nagasakamago_10

 

Coordinator : Sakura Morita Photos : Koki Hayashi Edit & Text : Keita Fukasawa

Profile

手越祐也Yuya Tegoshi 1987年、神奈川県生まれ。歌手、実業家。2003年、アイドルグループNEWSのメンバーとしてデビュー。20年6月に独立後すぐに始めたYouTube「手越祐也チャンネル」では次々と幅広い企画を打ち出し、登録者数は169万人を超える(21年2月2日時点)。同年7月に自身の会社AVALANCHEを設立。21年6月から6カ月連続新曲リリース、12月にはニューアルバムをリリース予定。
長坂真護Mago Nagasaka 1984年、福井県生まれ。サステナブル・アーティスト、MAGO CREATION代表、MAGO Art & Study Institute Founder。2017年、ガーナ・アグボグブロシー地区へ単身渡航。先進国が不法投棄した電子廃棄物を再利用した作品を制作販売し、スラム街に無償の小学校や電子廃棄物美術館を設立。30年にはリサイクル工場を建て、新たな産業を生み出すことを目標に行動を続ける。

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