森で暮らす人たち 【2】モデル・安藤潤美の場合 | Numero TOKYO
Culture / Feature

森で暮らす人たち 【2】モデル・安藤潤美の場合

休日は仲間と食べ物を持ち寄って、木崎湖のほとりでピクニック。移住を機に出会った同世代の仲間たちはかけがえのない存在。
休日は仲間と食べ物を持ち寄って、木崎湖のほとりでピクニック。移住を機に出会った同世代の仲間たちはかけがえのない存在。

子どもの成長のため、仲間との時間のため、趣味のため、そしてもちろん自分自身のため。都会での居場所を持ち続けながら森に自分の住まいを見つけた人たちに、森での暮らしの喜びを教えてもらった。【2】モデル・安藤潤美の場合(『ヌメロ・トウキョウ(Numero TOKYO)』2021年3月号掲載)

ゆっくりと時間が流れる生活を送るうちに、体にいい食べ物に意識が向くように。野沢菜を漬けるため仕込みをしているところ。時に農家へ手伝いに出かけることも。
ゆっくりと時間が流れる生活を送るうちに、体にいい食べ物に意識が向くように。野沢菜を漬けるため仕込みをしているところ。時に農家へ手伝いに出かけることも。

心と食卓を彩る、山が近くにある暮らし

安藤潤美 モデル

ファッションモデルとして活躍する安藤潤美。ブランドのキャンペーンヴィジュアルやファッションシューテイングへの出演にラブコールが絶えない人気者だ。しかし、居住地は長野県安曇野市にあり、東京での撮影は松本から新宿まで長距離バスでの移動を伴う。それでも不便は感じないという。

「もともと映画『人生フルーツ』や『リトル・フォレスト』を観て、豊かな自然に囲まれた自給自足の生活に憧れていました。その後、新婚旅行で長野県を訪れた際に、壮大な山々に一目惚れしてしまって(笑)。何となく、ここに住む自分が想像できたこともあり移住することにしました」。

振り返ってみれば、幼い頃に福島県で経験した田舎暮らしや、山や森で遊んだ思い出が常に心の中にあり、同じような環境を求めていたのかもしれないという。

すぐに車で山に入ることができ、キャンプやトレッキングが気軽にできるのも長野県の魅力の一つ
すぐに車で山に入ることができ、キャンプやトレッキングが気軽にできるのも長野県の魅力の一つ

発酵食品に詳しい友人の指導のもと、仲間で味噌造りに励む。保存食品作りを通じて信州の食文化について理解が深まるのだという。
発酵食品に詳しい友人の指導のもと、仲間で味噌造りに励む。保存食品作りを通じて信州の食文化について理解が深まるのだという。

楽しみは、移住して出会った同じ価値観を持つ仲間とキャンプやピクニックをして過ごすこと。大勢でなくとも、近くの山に行って簡単に朝食を取る日もあるのだとか。

「山で採れる山菜を天ぷらにすると本当においしくて。フキノトウにワラビ、コゴミやタラの芽。山はたくさんの食材であふれているんですよ。瑞々しい食物を口にするうちに、食べることへの意識も変化していったと思います」。大自然の恵みを享受し、季節の移ろいを肌で感じながら生活することの醍醐味については「毎日、五感が刺激されて自然は美しいなと思う瞬間があるんです。そのおかげで心が落ち着き、素直な気持ちでいられることだと思いますね」と語った。

住んでいる家の窓を開けると、田んぼが一面に広がり、その先にそびえ立つ北アルプスが一望できる。
住んでいる家の窓を開けると、田んぼが一面に広がり、その先にそびえ立つ北アルプスが一望できる。

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Coordination & Text:Aika Kawada Edit:Sayaka Ito, Mariko Kimbara, Chiho Inoue

Profile

安藤潤美Hiromi Ando 宮城県生まれ、東京育ちのファッションモデル。mille management inc.所属。大阪府に引っ越した後、2019年から長野県安曇野市に移住。東京と長野を行き来しながらモデル活動を続けている。

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