2020年、あの人の偏愛ベスト・ミュージック vol.5 垣畑真由 | Numero TOKYO
Culture / Feature

2020年、あの人の偏愛ベスト・ミュージック vol.5 垣畑真由

サブスクリプションサービスが勢いを増し、ますます音楽のトレンドが細分化された2020年。パーソナライズされたプレイリストは心地よく楽しいけれど、そろそろ飽きてきたのでは? そこで、音楽をこよなく愛するヌメロ注目のアーティストに、2020年の超・偏愛ベスト・ミュージックを大調査! 新たなお気に入りの一枚を見つけて。

最終回はソウル、ファンク、レアグルーヴを中心に、DJ、ミュージックセレクターとして活動する垣畑真由。

レコードで聴きたい、ノラ・ジョーンズの最新フルアルバム

『ピック・ミー・アップ・オフ・ザ・フロア』ノラ・ジョーンズ

『ピック・ミー・アップ・オフ・ザ・フロア』はノラ・ジョーンズ(Norah Jones)が2020年6月12日にリリースした、約4年半ぶり7枚目となるフルアルバム。作詞作曲のすべてをノラ自身が手掛けた、「これまでで一番クリエイティヴ」な一枚。2021年グラミー賞「最優秀アメリカン・ルーツ・パフォーマンス」部門にノミネートされたほか、2020年度オリコン年間ジャズアルバムランキング一位に輝くなど日本のジャズ・ファンも虜にした。

垣畑は、自身の古巣であり、DJ、ミュージック・セレクターとして活動するいまも通い続けるレコードショップ「ディスク・ユニオン」でこの一枚と出合った。

「家でゆっくり聴きたいアルバムです」。まさに、レコードに針を落とし、一曲一曲を味わうように聴くのに適した一枚だ。

アーティスト達の息遣いが感じられる温かい一枚

『The Piano Album』PJモートン

世界的ロックバンド、マルーン5の一員として広く知られるPJモートン。ソロのシンガーソングライターとしても2017年のアルバム『ガンボ』、2018年にそのライブ・アルバム『アンプラグド(Gumbo Unplugged)』、2019年に『PAUL』が続けてグラミー賞最優秀R&Bアルバムにノミネート、『PAUL』より「SAY SO」が最優秀R&Bソングを受賞するなど、高い評価を得ている。

『The Piano Album』は、声とピアノだけのシンプルな編成により、一夜でレコーディングされたライブセッションアルバム。「現場の雰囲気やアーティスト達の息遣いが感じられる温かいアルバムです」と垣畑。「特にお気に入りの曲は『How Deep Is Your Love』と『Two Hearts』です」

ドライブで聴きたい! エキゾチック・ファンク

『Safe Passege』Gitkin

Gitkinは、NY・ブルックリンの人気バンド、The Pimps Of JoytimeのリーダーBrian Jのソロプロジェクト。セカンド・アルバムとなる『Safe Passege』は、彼らしい土っぽいファンクにギリシャや中東、ペルーの民族音楽「チチャ」やサハラ砂漠の民族トゥアルグ族のギターなど異国の要素をふんだんに取り入れた。

「エキゾチックな雰囲気が好きです。家でもよく聴きますが、暖かくなってきたらドライブしながら聴きたいです」

2020年、あの人の偏愛ベスト・ミュージック

Edit & Text:Mariko Kimbara

Profile

垣畑真由Mayu Kakihata 1995年、東京生まれ。学生時代の5年間、ディスクユニオンでアルバイトを経験。現在はソウル、ファンク、レアグルーヴを中心としたDJ活動のほか、音楽誌『RAPTURE MAGAZINE』を不定期で発行し、雑誌『Silver』の編集も務める。

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