インフルエンサー 田中亜希子インタビュー「とにかく毎日走っていたら、思いも寄らずいろんなところに辿り着けた」
「Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)」の誌面とWEB、YouTubeで連動するビューティ連載「ちょっぴりスピリチュアルで幸せな美容」の第三回に登場したインフルエンサー、田中亜希子さんにインタビュー! エイジレスな美しさや人生を輝かせる秘訣とは?
自分をどう見せたいかをまず考えて、
メイクもコーディネイトも作り込みます
──40代と聞いてもにわかには信じられない、透明感と可憐さを兼ね備えた田中亜希子さん。ビューティスタイリストとして、メディアへの出演や書籍の出版をこなすほか、インスタグラムのフォロワー数は28万人を超える(2020年11月現在)。目覚ましい活躍に辿り着くまでには、どんな“道のり”があったのでしょうか?
「最初についた仕事はエステティシャンで、10年ほど勤めていました。ヘアスタイリストの夫と結婚した後、出産を機にエステの仕事を辞めたんですが、今度はヘアサロンのモデルの仕事を始めたんです。それをきっかけに、雑誌のヘアカタログのモデルとして、ちょこちょこと出演させていただくようになりました」
──ブログやインスタグラムを始めたきっかけは?
「母親になって間もなく、子育てについてネット検索しているうちに同じような境遇の人が発信している情報に辿り着き、助けられたことが多々あったんです。当時の多くの新米お母さんはそうだったと思うんですが、同じ状況にある者同士で情報共有し合っていて、SNSが安心できる場になっていました。それで、見ず知らずの方から情報をいただいているうちに、自分も“発信”してみたいと思うようになって……。ママでも簡単にできるヘアアレンジだったり、日常のことをブログやインスタにアップするようになりました。ただ最初は提案しているつもりはぜんぜんなく(笑)、単に『私はこうしていますよ』という報告のようなものでした」
──それが注目を集めて、書籍の出版にまでつながっていったわけですね。今のような広がり方は想像されていましたか?
「まったくしていなかったですね(笑)。子育てがひと段落したら、またエステティシャンとして、元々勤めていた会社に戻ろうかなと思っていたくらいです」
──ビューティースタイリストとして、情報発信する際の信条は?
「自分のリアルな状況に共感してくれる方をイメージして発信することは、常に心がけていますね。私の場合なら、背が低いとか、子どもがいるなど…。見てくださる方それぞれの年齢に対するお悩みや、季節的なお悩みにフィットした新しい情報を発信することを大切にしています。SNSならではの、遠すぎず近すぎずの距離感で、“美容やファッションで心が元気になれる”そんな女性が1人でも多くSNSを通して増えてくれたら嬉しいです」
──ヘアアレンジやコーディネイトのアイデアソースは何ですか?
「フレンチシックにまとまるようにイメージしています。大人っぽいのに、少女っぽさも残したような自然な雰囲気を出すために、実はそれなりに作り込んでいます」
──二人の男の子のお母さんでもありますよね。日常生活はどんなふうですか?
「子どもといるときは、100%子どものことを優先させています。今は子どもが小学生になって、学校に行っている時間や習い事の時間があるので、そういうタイミングで仕事をしています。頭をカチッと切り替えるようにして! 常にやることはたくさんあるので、1日24時間をどう効率よくやりくりするか、日々計画を立てて過ごしています」
──田中さんの「美容生活」を教えてください。
「40歳近くなってから、毎日、健康でいることがいちばんの美容法だと思うようになりました。そのために徹底しているのは、早寝早起き。子どもが小さいときは睡眠時間が不規則で体調を壊したり、それをきっかけに肌の調子を悪くする……という悪循環を経験しているので、今はしっかり眠ることを優先させています。細かな肌悩みは、メイクで工夫してカバーしています。例えば、私の場合は目の横幅があまりないから、横に幅を持たせるためにアイラインを入れてみたり。『ここをこう見せたい』というのをまず考えて、あとはバランスを見ながら、足したり引いたりしています」
──この先、実現したいことはなんですか?
「毎日を一生懸命過ごすだけで、実は先のことはあまり見ていないかもしれません。今の状況に辿り着くまでもそうなんですが、何かを目指して走っていたわけじゃなくて、とにかく毎日走っていたら思いも寄らずいろんなところにたどり着けた、という感じなんです。だからこの先も真摯に走り続ければ、また違う景色を目の当たりにできる──そんな感覚でいます」
Photos : Akihito Igarashi Makeup : Kouta Hair : Katsumi Matsuo Styling : Nozomi Urushibara Interview & Text : Chihiro Horie Edit : Hisako Yamazaki