秋を味わう珠玉のパフェ Vol.5 エンポリオ アルマーニ カフェ 青山 | Numero TOKYO
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秋を味わう珠玉のパフェ Vol.5 エンポリオ アルマーニ カフェ 青山

ついに、食の誘惑が待ち受ける秋の到来! おいしいものは数あれど、スイーツ好きなら外せないのがパフェ。ずっと眺めていたくなる麗しい造形に、グラスに広がるめくるめく味覚のハーモニーはさながら小宇宙。見ても食べても幸せになれる秋の新作を、三度の飯よりパフェを愛するエディターが徹底解剖します。第5回は、エンポリオ アルマーニ カフェ 青山の「マロンづくしのパフェ」。

パフェに目がない私ですが、毎月欠かさずに食べているお気に入りがあります。それは、エンポリオ アルマーニ カフェ 青山が提供している月替りの「季節のパフェ」! 旬の食材をメインにアルマーニならではのイタリアらしさも感じさせながら、毎回鮮やかな味や素材の組み合わせに感動する大好きなパフェです。それを生み出しているのが、アルマーニ リストランテ シェフパティシエを務める秋山真佐典シェフ。アルマーニ / リストランテ東京のデザートのほか、アルマーニ / リストランテ東京とエンポリオ アルマーニ カフェ 青山のアフタヌーンティーも監修されています。この日は後々、秋山シェフの知られざる経歴を知ることに…。 10月は「マロンづくしのパフェ」です。まずこの芸術的な造形に見入ってしまいます。トップに飾られているのは、イタリアでよく使われるという栗の粉を使ったメレンゲと、パリパリ食感のパータフィロ。そこにところどころ金箔がキラリ。特別に秋山シェフがパフェを作るところを間近で見せてもらったのですが、その繊細な作業を見ているだけで息を呑んでしまいました。

12ヵ月分のパフェを考案している秋山シェフ。その月々に手に入るものを軸に組み立てているそうで、それはフルーツ以外でもナッツやバジル、トマトだったりすることもあるのだとか。一般的なパフェでは珍しい食材ですが、レストランの延長としてお菓子屋さんの考えるパフェよりももっと自由度の高いパフェを考えているそう。

パフェの上には、マロンクリームがたっぷりと。とても濃厚だけどコクがあって、スプーンが次々進んでしまいます。クリームにはラム酒を使っていて、アルコールを飛ばしながら風味を残しているのだそう。

クリームの下にはマロンジェラートが隠れています。ふわっと軽い口当たりで濃厚なクリームとの対比が際立ちます。そして、グラスのふちにはシロップに漬けた栗の渋皮煮が、こんなにたくさんゴロゴロと。まさに栗づくし! ここまで栗のさまざまな味わいや食感が楽しめます。

栗ゾーンのさらに下を掘ると、甘さ控えめのホイップクリームの層が。私がエンポリオ アルマーニ カフェ 青山のパフェを好きな理由の一つに、だいたい毎回シャンティが入っているというのがあります。生クリーム大好きなので感謝したくなるくらいうれしいのですが、ずっとなぜなのかお聞きしたかったのです。すると、「パフェ=ホイップクリームとイメージする部分があるので」と秋山シェフ。わかります!!! ムースだけだと物足りないけれど、ホイップクリームはミルク感が感じられたり軽さも演出できる、とのこと。確かに、もたれずにふわっと軽やかで大好きなんです。秋山シェフと同じ考えだったのですごくうれしくなっちゃいました。

シャンティクリームとクランブルの間には、薄いチョコレートが挟まれています。何気ない構成要素の一つに思えますが、これはクリームを直接クランブルの上にのせてしまうと、クランブルのサクサクの食感が損なわれてしまうため、チョコレートが壁の役割を果たしているのです! シェフのこだわりが半端ないですね。もう一つ秋山シェフのパフェが好きな理由に、このクランブルがあります。ザクザク食感でとても美味しいんです。今回はメープルシュガーを使ったクランブルにくるみを入れて香ばしく、塩気も感じる絶妙なアクセントになっています。

クランブルの下にはラム酒を加えたカスタードのレイヤーが。カスタードクリームは実はあまり用いないそうで、生クリームだけでカスタードを炊き、小麦粉は使わずゼラチンと全卵を入れて滑らかでリッチな感じにしているそう。

食べ終えてしまうのが惜しいですが、グラスの底にあるランブルスコワインにベリーを煮出したフルーティなジュレでさっぱりと軽く締めくくります。はじめにインパクトのある濃厚な栗からスタートし、食べ進めていくうちにさまざまな食感があったり、最後はスッキリ軽めにという構成に仕上げています。

はぁー…。大満足です。最後までパフェを美味しく楽しめるように、細やかな気配りと手の込んだ技が随所に感じられて、余韻をずっと味わいたくなります。なんと、秋山シェフご自身がパフェのスケッチを描いてくれました!! 額装したいくらい感激…。

デセールをデザインすることから入ることもあるという秋山シェフ。なんと、服飾を学ばれた異例のご経験をお持ちとか! 構築的なデコレーションや、このスケッチ画を見て納得です。さらに、スペインのホテルのレストランと、ベルギーの二つ星レストランではシェフパティシエを務めるなど海外でのご経験も豊富。イタリア、フランス…世界のお菓子のことを由来から作り方まで教えてくださいました。渡欧前は、ピエール・エルメ・パリ、トゥール・ダルジャン、NARISAWAの前身レ・クレアシヨン・ド・ナリサワなどで活躍された輝かしい経歴の持ち主です。お皿に盛るデセールとはまた違った、グラスという枠のなかで表現する美しいパフェをぜひご堪能ください!

最後に、関西にお住いの方に朗報です! エンポリオ アルマーニ カフェが関西エリアに初進出し、2020年11月にオープンする心斎橋PARCO 2階に出店します。秋山シェフ監修の大阪限定パフェやアフタヌーンティーも食べられるので、楽しみにしていてください。私も大阪まで足を伸ばすことになり、パフェ活が忙しくなりそうです。

エンポリオ アルマーニ カフェ 青山
マロンづくしのパフェ

提供期間/2020年10月1日(木)~10月31日(日)
住所/東京都港区北青山3-6-1 オーク表参道1F
TEL/03-5778-1637
営業時間/11:00〜19:30(L.O.18:30)
不定休

ジョルジオ アルマーニ ジャパン
TEL/03-6274-7070

秋を味わう珠玉のパフェ特集

Profile

新藤友紀子Yukiko Shinto ウェブ・エディター。女性ファッション誌のウェブ編集などを経て2018年『Numero TOKYO』に参加。ファッションをはじめ、カルチャーやライフスタイルなど興味の赴くまま取材。Numero.jpでは連載「パン野ゆりのぶらりパン歩き」「パントビスコの不都合研究所」やスイーツの記事などを中心に担当している。最近は韓国ドラマやK-POPに目覚め、失われた青春を取り戻すかのように沼り中。

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