秋を味わう珠玉のパフェ Vol.2 ウェスティンホテル東京
ついに、食の誘惑が待ち受ける秋の到来! おいしいものは数あれど、スイーツ好きなら外せないのがパフェ。ずっと眺めていたくなる麗しい造形に、グラスに広がるめくるめく味覚のハーモニーはさながら小宇宙。見ても食べても幸せになれる秋の新作を、三度の飯よりパフェを愛するエディターが徹底解剖します。第二回は、ウェスティンホテル東京の「オータムパフェ」。
ウェスティンホテル東京といえば、予約が取れないほど大人気のスイーツブッフェが有名ですが、それを監修しているのが泣く子も黙るエグゼクティブペストリーシェフの鈴木一夫シェフです。
場所は、ウイスキーの品揃えが豊富なエグゼクティブ バー「ザ・バー」。クラシックで重厚感のある内装に背筋が伸びます。バーだけあって、週末の夜限定でお酒を使ったパフェを11月29日(日)まで提供しているのです。
秋の味覚のハーモニー「栗とりんごのパフェ」
まずは、シェフのイチオシ「栗とりんごのパフェ」から。上には濃厚な和栗のクリームがたっぷり。ねっとりと濃密で甘く、一口で天に昇る気持ち。栗好きにはたまらない!
クリームの下から顔を出すのは、マスカルポーネのアイスクリーム。実は去年の秋も同じパフェを提供していたのですが、今年はさらに美味しくグレードアップしたそう。鈴木シェフ曰く、「昨年はバニラアイスでしたが、マスカルポーネを使うことでよりさっぱりとした味わいにしました」。確かに、次々食べ進めたくなる軽やかさ。濃厚マロンとのコントラストが絶品です。
りんごのソテーは、しゃくしゃくとした食感。片面だけの火入れをし、食感が残るようにしたという鈴木シェフのこだわりです! 半分フレッシュな感じが楽しめます。
食べ進めると、あるポイントでお酒の良い香りが漂ってきます。その正体は、りんごのブランデー「カルヴァドス」。パフェ全体にかけずに、マスカルポーネアイスの上からかけたカルヴァドスがここで華やかに香ります。一気に大人の味になりました!
蒸し栗やクランブルの食感を味わっていたら、マロンアイスが隠れていました。その一番下にはりんごを煮詰めたコンポートが。酸味を感じながらも栗の余韻を残しつつ、ペロリと完食。鈴木シェフによると、りんごがあることでさっぱり食べやすくなっているそう。栗とりんごの共演をこの一杯で楽しめます!
お酒好きなかたは、アルコールとペアリングしてみるのをおすすめします。そう、ここはバーです。好みを伝えると、パフェに合うお酒を提案してくれます。この日はブランデーをベースにジンジャーエールをプラスした「ホーセズネック」をいただきました。レモンが爽やかで後味さっぱり。
チョコ好きは迷わず!「チョコレートと洋梨のパフェ ベルエレーヌ」
お次は、チョコレートと洋梨のパフェです。ベルエレーヌとは、フランス伝統のデザートで洋梨のコンポートにチョコレートソースをかけたもの。それをパフェで表現してみたら……?というわけです。可愛い洋梨型のオパリーヌは、チョコレートを飴状にして固め粉砕したものだそうです。デコレーションまで手間暇かけています。
濃厚チョコレートアイスの周りには、こんなにたくさんの洋梨のコンポートが。ハーブの一種ベルベーヌの香りが付けてあります。洋梨のサックリした歯ざわりが軽快です。
大好きな鈴木シェフのクランブルのザクザク感を挟みつつ、洋梨のブランデー「ポワール・ウィリアム」香るチョコレートケーキがお目見え。スポンジよりもしっとりとした不思議な食感のケーキにたっぷりブランデーが染み込ませてあります。芳醇な香りにクラクラしそうです。その下は、鈴木シェフが初めて今回作ったという洋梨とミルクを使ったポアールミルクアイス。ミルキーな洋梨フレーバーは新感覚でした!
最後はチョコレートと洋梨のレイヤード。チョコレートクランチ、チョコレートアイスに洋梨のコンポートと続きます。ここでも濃厚なチョコレートとみずみずしい洋梨とのコンビネーションが見事です!
ペアリングは、紅茶リキュールにベリーや黒すぐり、クランベリーのリキュール、ジンジャーエールを加えた鮮やかな「ダージリングクーラー」。とてもフルーティーでスッキリしています。
オリジナルウイスキーで仕上げる「マロンとヘーゼルナッツのモンブランパフェ」
最後は、平たいお皿に盛られた大人のモンブランパフェ。世界5大ウイスキーをブレンドして作られた、ウェスティンホテル東京オリジナルの「イチローズ モルト&グレーン ウェスティンホテル東京 プライベートボトル」を使用しています。香りが良いことで知られるイチローズ モルト&グレーン。テーブルでパフェの仕上げにウイスキーの香りづけをしてくれます。シュシュッとスプレーをひと吹きすると、魔法の良いに良い香りが……。うっとりです。
フランス産マロンクリームの中には、ひんやり冷たく香ばしいヘーゼルナッツ プラリネアイスが入っています。このアイスクリームの中にもウイスキーが混ぜ込んであるそうです! さらに、添えられたトリュフチョコレートの中にも先ほどのイチローズ モルト&グレーンが。これが一番ガツンとお酒が効いていました!
ヘーゼルナッツや、クランブル、セミドライフィグのトッピングがアクセントになって、ウイスキーとのマリアージュを堪能できます。
即興で作りました、とお出しいただいたのは栗のリキュール、エスプレッソ、ナッツのリキュール「ブランジェリコ」、カルーアを使ったクテル。エスプレッソのほろ苦さがクセになる、大人の味!スイーツに合わせるコーヒー味のカクテルが好きです。
さて、全3種類のトリニティとも呼べるパフェをいただきましたが、どれも最後まで美味しく食べられるようにと構成され、パーツ一つ一つも手が込んでいて、満足度がとても高いです。そんな鈴木シェフの技と洋酒に酔いしれる、秋の夜長を過ごしてみてください。