ローラと水原希子がセルフ撮影に挑戦! 2人の近況についてインタビュー
独自の感性で現代を牽引するファッションアイコン、ローラと水原希子にセルフ撮影を依頼。2人にいまお気に入りのファッションやおうち時間の過ごし方、感じている変化などを聞いた。セルフメイク&セルフスタイリングによる本誌未掲載のカットと共にお届け。(『ヌメロ・トウキョウ(Numero TOKYO)』2020年9月号掲載)
自由でパワフルな二つの個性
──今回はお二人が「いま、着たい服」をコーディネートし、プライベートな空間で撮影していただきました。まずはファッションについて感じる、いまのムードについて教えてください。 ROLA(以下R):「古着やリサイクル素材の服をミックスしたりして、シンプルだけどエレガンスなスタイルにするのがいまの気分! シンプルな格好にマッチする存在感のあるジュエリーを合わせるのも大好き。サンダルやスニーカーで足元にハズシを入れるのがポイントです!」 KIKO(以下K):「私がいま着たい服は、『動きやすくておしゃれなもの』かな。ストライプのパンツは、「Unif」の新作。スリットが入っているのでシュッとして見えるし、サイズ感やカジュアルなところが好きです。Tシャツは着心地がよく、デザインが好みなので『Eckhaus Latta』。毎シーズンと言っていいほど買っています。素材がユニークなシャツは、なかなかないデザインが魅力。7、8年くらい前に購入してからずっと愛用しています。今日はこのボタンに合わせてマーランドちゃんの手作りネックレスを初めて着けました。ブラックオパールの光沢とシャツのボタンがマッチするので、コーディネートしてみました」──自宅やプライベートな空間でセルフィー、撮影をするときのコツは?
R:「自宅で写真やセルフィーを撮るときは、光の入り方や後ろに映る背景を気にして撮影しています。画面が近すぎると宇宙人みたいになっちゃうので(笑)、カメラのレンズは顔から少し離すようにしているかな!」
K:「セルフィーは苦手なので、いつも苦戦しがち。とにかくいっぱい撮ってその中から良いものを選んでいます。最近はさまざまなお仕事でリモート撮影の依頼があったので、妹のゆかちゃんに手伝ってもらっています。ライティングを変えてみたり、フィルムを使ってみたり、アプリを使ってみたりと角度を変えてチャレンジしています。こういう撮影は一人でやるよりも、誰かと一緒にやる方が楽しいですよね! ベッドで撮影したカットは、妹のゆかちゃんがシャッターを切ってくれました」
──ステイホーム中は、おうちでどのように過ごされていましたか?
R:「ステイホーム中は、ワンちゃんや猫ちゃんたちとたっくさんたわむれる時間を作ってとっても癒されました! あとは、私が新しく立ち上げたブランド『STUDIO R330』のミーティングをたっくさんしたり、本を読んでお勉強をしたり、家庭菜園を始めたり、アートを描いたりして楽しく過ごしました!」
K:「私は毎日映画を見たりして、ゆっくり過ごしていました。夏に映画の撮影がスタートするので、そのためにリモートでボイストレーニングを始めたり、準備できることを少しずつ進めていました。あとは裂き織りの織物を始めました。着なくなった服を新しく生まれ変わらせる方法はないかと思っていたところに『クローバー裂織り』という機械を発見。結構簡単に完成したので楽しいし、美しく生まれ変わった服に感動しました。YouTubeで調べてみやこ染めっていうエコな染料で絞り染めしたり、Tシャツを横に細く切ってヤーンにしたりと、いろいろトライしています。このステイホーム期間中にランチョンマットを2枚作りました。いまは新たにビッグサイズのラグを製作中です!」
──せわしない日々から離れ、ゆったりとした時間を過ごすなかで、心に響いた本や映画、ドラマなどはありますか?
R:「環境問題にまつわる本をたくさん読んで過ごしたんですが、そのなかでも特にお気に入りなのは書籍『奇跡のモリンガ』と映画『グリーンブック』かな! 『奇跡のモリンガ』は、日本国内でいま起きている食生活の問題や日々私たちが当たり前に食べているものが実は体のシステムにダメージを与えているということなど、お医者さんの長年の研究をまとめた素晴らしい本なんです。ぜひたくさんの人に読んでもらいたいなと思います! 栄養価の高い植物モリンガの素晴らしさや魅力もわかります!!」
K:「心に響いた本は、手塚治虫の漫画『火の鳥』です。この世界で起きていることは普遍的な問題で、人類は自分たちが思うように人を受け入れたり、平等にしたりするのは至難のことだというメッセージ。人間という生きもの同士が争い、人間の欲で世界を便利にしていけばいくほど、良くない方向に向かっている。その中でどう考え、どう生きていくべきなのか私自身ものすごくハッとさせられるところがあり、この本のいろいろな言葉に救われています。映画だとドキュメンタリー『ザ・トゥルー・コスト〜ファストファッション 真の代償〜』が印象的。ファッション業界がいかに自然界や地球環境に影響を及ぼしているかや貧富の差など、すごくいろいろな方面で勉強になりました。自分もブランドに携わっていたり、ファッション業界に関わっているので観てよかったと思える作品の一つです」
──ステイホーム期間を経て、気分はどうチェンジしましたか?
R:「地球に広がる自然や周りの人に対して、これまで以上に感謝する気持ちが増えたと思います。そして、同時に『守りたい!』という気持ちがさらに強くなったような気がしています!」
K:「ステイホーム前は、自分でも気づかないくらい物事がスピードを加速して進んでいたことを実感しました。この期間には、自分が何をしたいか? 何をすることが自分にとって良くて、地球にとっていいのか的を絞って考えることができました。時間の掛け方や時間を使う感覚が変わったのかもしれません。何かに時間をかけることの重要さに改めて気づきました」
──この情勢で囁かれる地球環境見直しの重要性について、どう考えていますか?
R:「もっともっとたくさんの人と環境問題について共有していきたいなと思っています! サステナビリティ、エレガンス、エンパワーメントというキーワードは、これからの時代に欠かせない大切なことだと思っています。今まで通り当たり前に過ごしていってしまったら環境はどんどん速いスピードで悪化し、未来の子どもたちや動物たちが住めない世界になってしまう。特に大切なのは、知ろうとする気持ちや自分が食べているものや着ているものがどう環境に影響していくのか考え、行動に移すことが大切だなと思います。私もまだまだ勉強中! たくさんの人や環境が笑顔になれるよう最善を尽くして頑張りたいなと思って進めています!」
K:「サステナビリティの意識抜きでは、これからは何も考えられないと思います。地球温暖化がリアルなものになっているいま、いろいろな流れが一時停止したことによって環境汚染度が低くなったニュースが出たりしたことは、喜ばしいことだと思います。実際目に見えないけれど環境に大きな影響を及ぼしているファッション業界。まさに新たなステージを迎えるのだと思います」
──ステイホームを体験した皆さんへ向けてメッセージを一言お願い致します。
R:「このステイホームで自分自身をもっと愛したり、何が大切なのかを見つけたり、お勉強をしたり、ポジティブになった人がたくさんいますように!」
K:「とにかくスローダウンがポイントですかね(笑)。これまでは、SNSなどの影響で生き急いでいたところがあると思います。今回みんな一時停止してスローダウンできた。ちょっとずつ、無理せずゆっくりと自分のペースで日々の過ごし方を変化させていけばいいのではないでしょうか。特に全世界の医療従事者の方々にはいろいろなものを犠牲にして戦っていただき、普段以上に感謝しなければならない。人間同士の支え合いが本当に重要だと思いました。これからも人類が連帯し、寛大になって、その気持ちを忘れずに生活していけたらいいなと願っています」
Edit & Text: Yuko Aoki