悠久の時を紡ぐ オートクチュールの世界 vol.5 選ばれしメゾン
世界の情勢が大きく変化するいま、時間やものの価値が見直され、ふるいにかけられている。そんなときこそ、モードに寄り添う純粋な心と作り手の情熱に立ち返りラグジュアリーの本質に迫りたい。時や美学にまつわる数字を切り口にエレガンスの原点であるオートクチュールのいまを探る。(『ヌメロ・トウキョウ(Numero TOKYO)』2020年7・8月合併号掲載)
34 maison
真摯なアティチュードを宿す、選ばれしメゾン
アトリエの職人が知的・感覚的なプロセスを重ねて生み出す一着のドレスはまさに芸術。オートクチュールは、長い時間といくつもの手間をかけて創られた真のラグジュアリーと言える。今季の公式スケジュールでは、34のブランドが新作を披露。それぞれに試行錯誤し、「時代が求める本物志向とは何か?」答えを探している。
JEAN PAUL GAULTIER
歴史的デザイナー、ジャン=ポール・ゴルチエ最後のコレクション。50年の軌跡を辿る華やかなランウェイには、多くのゲストモデルが登場した。
GIVENCHY
創設者ユベール・ド・ジバンシィの愛した夜の庭園に着想。ロマン溢れるドレスには、メゾンの根幹となるエレガンスが宿る。
VIKTOR&ROLF
伝統的シルエットと素材、モチーフのコラージュにイデオロギーを含んだ。パッチワークやフリルでポエティックに。
VALENTINO
クリエイティブディレクター、ピエールパオロ・ピッチョーリが掲げたテーマは、”潜在意識に潜む夢の世界”。
Photos : Official Photos, Aflo Edit&Text:Yuko Aoki