悠久の時を紡ぐ オートクチュールの世界 vol.2 Dior | Numero TOKYO
Fashion / Feature

悠久の時を紡ぐ オートクチュールの世界 vol.2 Dior

© Sophie Carre
© Sophie Carre

世界の情勢が大きく変化するいま、時間やものの価値が見直され、ふるいにかけられている。そんなときこそ、モードに寄り添う純粋な心と作り手の情熱に立ち返りラグジュアリーの本質に迫りたい。時や美学にまつわる数字を切り口にエレガンスの原点であるオートクチュールのいまを探る。(『ヌメロ・トウキョウ(Numero TOKYO)』2020年7・8月合併号掲載)

DIOR

目指すべきは、人の心を動かす一着

ドレスはただ身に纏うものではなく、人に感動を与えるものでなければならないというのが、クリスチャン・ディオールの哲学だ。その精神を継承するマリア・グラツィア・キウリが2020年春夏シーズンのテーマにしたのは”もし女性が世界を支配したなら?”。フェミニズムを核に全世界の女性たちへ向けたメッセージを発信した。ある一着のドレスには合計140メートルもの生地を用いるなど、パターンへの飽くなき探究心でアトリエは活気づいている。仮縫いから仕上げまでを納得のいくまで何度も繰り返し、完璧なシルエットを求めて全身全霊でクリエイションに挑んだムッシュ ディオールのまっすぐな姿勢は時を超えて受け継がれている。

140 metre

レースを丁寧に、じっくりと紡ぎ合わせたこのドレスのファブリックは140メートル。7人のアトリエスタッフが製作に携わっている。

Portrait Christian Dior © Association Willy MaywaldADAGP, Paris 2020
Portrait Christian Dior © Association Willy MaywaldADAGP, Paris 2020

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Photos : Official Photos, Aflo  Edit&Text:Yuko Aoki

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