今をときめくファッションフォトグラフィー 【part 2】ヴァーチャル・リアリスティック編 | Numero TOKYO
Fashion / Feature

今をときめくファッションフォトグラフィー 【part 2】ヴァーチャル・リアリスティック編

ファッション写真は、言わばその時代を映す鏡。主に、ここ2、3年でファッション業界で活躍の場を一気に増やしている人気のフォトグラファーたちとともに、3つのトレンドジャンルをご紹介する。第二回は「ヴァーチャル・リアリスティック」編。(『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2021年1・2月合併号掲載)

VIRTUAL REALISTIC(ヴァーチャル・リアリスティック)

ファッション写真もデジタルエイジへ

ここ直近で、写真なのか、3Dなどで描かれたゲームのキャラクターのようなヴァーチャルなのか、一目ではわからないようなジャンルの写真が増えてきている。まさに未来を感じさせるヴァーチャル・リアリスティックな(かつ郷愁を感じさせる)雰囲気。こうしたジャンルがトレンドに上がってきている要因には、人と直接会えない状況になったことでオンライン・ソーシャライジングが当たり前になったり、世界的ブームを巻き起こした任天堂スイッチ『あつまれどうぶつの森』など昨今のゲームブームの影響により、すっかりデジタルワールドが定着してきたことも関係しているのかもしれない。
©Givenchy photo by Heji Shin at Concrete Rep
©Givenchy photo by Heji Shin at Concrete Rep

Heji Shin (ヘジ・シン)

韓国に生まれ、ドイツで育った背景を持つ、アートフォトグラファー。論争を巻き起こしたティーンエイジャーのための性教育フォトブックや、セックスの最中を写したブランド エコーズ・ラッタの広告、暴力的かつグロテスクな出生シーンを写し出した「ベイビー」シリーズ、そしてカニエ・ウエストの展示会を開催するなど、幅広く活躍する。彼女は新しくクリエイティブ・ディレクターに就任したマシュー・ウィリアムズのデビューコレクションとなったジバンシィの2021年春夏コレクションのルックを撮影し、未来と過去の懐かしさの両方を感じられる、エターナルに通用するような雰囲気を纏わせた。

Carlijn Jacods(カーリン・ジェイコブス)

2019年からじわじわと人気を見せ、20年ついに世界的大手事務所アートアンドコマースに所属。ヘルムート・ニュートンにオマージュを捧げたような懐古感もあり、シネマティックでストーリーテリングさも。同時に光の使い方でフューチャーリスティックでもある。エキセントリックな風貌のモデルを好み、作品によってガラリと雰囲気が変わる。

デュア・リパ「フューチャー・ノスタルジア」 提供:ワーナーミュージック・ジャパン 発売中
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Hugo Comte(ヒューゴ・コンテ)

歌手デュア・リパやキャロライン・ポラチェクの作品のジャケット写真なども手掛けるヒューゴ・コンテ。特にこのデュア・リパの「フューチャー・ノスタルジア」のジャケット写真は、タイトルにもリンクするように、未来的であり懐かしさも感じられるヴァーチャル感のある仕上がり。デュア・リパが尊敬しているというマドンナが登場した、95年のスティーヴン・マイゼルによるヴェルサーチェの広告へのオマージュと気づく人も多いはず。

Suzie And Leo(スージー アンド レオ)

フォトグラファーとフィルムメーカーのデュオ。ファッション界も新しいデジタルエイジに入り、フィジカルとデジタルの分け隔てを、モデルの生身の身体とデジタルの服で表現したかったというコシェの2020年プレフォールコレクションを撮影した。今後のシューティング方法に新しい風を吹かせてくれることを期待できそう。

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Edit & Text:Midori Oiwa

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