YOSHIが「Clarks ORIGINALS」とコラボレーション。アートに込めた想いとは?
オフホワイト(Off-White)のデザイナー兼ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)のメンズアーティスティックディレクター、ヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)に見出され、弱冠13歳にしてモデルデビューを果たした新世代アイコン、YOSHI。現在は俳優やミュージシャンとしても活躍する彼が、イギリスのシューズブランド、クラークス オリジナルズ(Clarks ORIGINALS)とカスタムコラボレーション。阪急メンズ大阪にて10月30日から開催される同ブランドのPOP UP STOREの特別企画として、『Wallabee』シリーズにYOSHIがアートワークを施した、限定10足のエクスクルーシブなシューズを特設サイトにて抽選販売する。アートに込めた想い、そして自身のこれからを語ってくれた。
考えずに直感で描くアートスタイル
——絵を描くようになったきっかけを教えてください。
「中2のときにバスキアを見て、『こんなアートがあっていいんだ!』って衝撃を受け、さらに『これなら俺にもできるかも。これで稼げたらかっこいいだろYOSHI!』と思ったのがきっかけです。それで思い立ってキャンバス3枚と画材を買ってきて描いてみて、これはいけるかもと感じ、本格的に描き始めたんです。それから1ヶ月に何枚か描くっていうのを決めて、ずっと続けています」
——自身のジャケットやスニーカーなどにもペイントしていますよね。もともとカスタムするのは好きですか?
「世界に一つしかないものを作るのが好きだし、純粋に絵を描くっていうことが好きで、毎日家に帰ってはベランダでいろんな物に描いています。すごく親に怒られますけどね。ペンキ臭い!って(笑)」
——では今回のコラボレーションのお話が来たときは嬉しかったですか?
「アート活動をしていることは公言していたけど作品を表には出してなかったので、最初話が来たときは、自分のアートが商品として世の中に出るということに驚きましたね。自分の作品自体には自信はあるけど、ブランドとコラボするという史上初の試みで、ちょっと心配っていうのは正直あったかな。俳優とか音楽活動だと直接ファンに会うことは少ないけど、直接お客さんに会うトークショーの日は緊張するかもしれないですね」
——クラークスに対してはどんなイメージをお持ちでしたか。
「自分がアンダーグラウンド寄りの人間なので、クラークスといったら『Wallabee』のイメージがすごく強くて、ビジネスラインがあることを知らなかったんですよ。バリバリファッションって思っていたのに、ビジネスラインもあるってわかって。それで“僕とコラボ?大丈夫かな?”と一瞬思ったんですけど、いざ絵を描き始めたら不安なんて全然なくなって、やってみたら見ての通りYOSHIらしい仕上がりになりました(笑)」
——メンズ・レディースの垣根のない、自由で個性的なアートワークですよね。インスピレーション源はありますか?
「全くないですね。今までの作品も誰かにインスピレーションされて、っていうものは一つもなくて。僕は考えるより感じる、第六感が強いタイプなんです。だから『どうしようかな』って思ったまま手を動かしていると、いいものができているというのがいつも。頭の中にある何かに向かって描いていく感じですね。だから正解がなくて、『テーマは何?』と聞かれても答えられないんですよ。今回のアートワークも下書きもなく、僕の人生と一緒でその瞬間のノリで描いています。ノリっていうと軽く聞こえるかもしれないけど、僕の座右の銘は『今の一分一秒、この瞬間に集中しろ』。自分で考えた言葉なんですけど、僕は目の前のことを全力でやりきることが人生において大切だと思っているので、僕の“今”が凝縮されたアートになっていると思います」
——すごくYOSHIさんらしい言葉ですね。
「僕の今までの人生、ヴァージルにフックアップしてもらってからずっと奇跡だなと思っていて。今は勢いがあって、自分の良さも分かっていて、自分の仕事にすごく自信があって。俺は全員に勝つぞ!みたいな姿勢で仕事をしています。でもこれってフリーランスの時期があったからなんですよ。ヴァージルがきっかけでファッション業界に入ったとき、複数の事務所からオファーをいただいたんですけど、今誰かに頼って任せっきりになったらダメだと思って一度全部の話を蹴ったんです。その後は自分で企画書を書いてメールをして、企業に出向いて、っていうのをコツコツ積み重ねた時期があった。色んな人にたくさん怒られたこともあったけど、そんな時期を経たからこそ、今の勢いのある自分がいる。だから周りの同世代にも、もっとやる気を出そうよ!と思ってしまうことも多いですね」
——そんなYOSHIさんのバックグラウンドが反映されたからこそ、自由でエネルギッシュなシューズに仕上がったのかもしれませんね。
「ヴァージルから連絡をもらう前、普通の中学生だったときは学校には自分を表現できる場がなかったんです。でもファッション業界に入ったときに、『俺ここなら自分を全面に出せるかもしれない』と感じました。それで一度っきりの人生、このエンタメ業界に捧げよう!って決めてからは勉強は一度もしないで仕事にエネルギーを注いできたんです。自分の居場所を見つけて、ここで生きてくと決めたから。だから絵を描くときも、目の前のことに全力を尽くせるんです」
——直感で描かれたとのことですが、アートワークで大変だったことはありましたか?
「自由にやらせてもらったので、大変なことは特になかったです。むしろ素材がスエードなのですごく描きやすかった。普通のレザーだと歩いたらひび割れてパキパキと落ちちゃうかもしれないけど、スエードはアクリルや絵の具を吸い込んでくれるし、耐水性のある画材を使用しているので持ちはいいと思います」
——この特別なシューズを手に入れた人には、どんなファッションを楽しんで欲しいですか?
「アートとして飾ってくれるのもいいけど、やっぱりソールが減るくらいガンガン履いてほしいですね。ファッションも全然、好きな格好に合わせてほしい! 僕も洋服はストリートから入って、パンクスを通ってコムデギャルソンやヨウジヤマモトなどのモード寄りになり、ちょっと前は菅田将暉の影響でアメカジにハマり、今はリックオウエンスやユリウスのようなミリタリーチックなレイヤードが気分。好みは移り変わるし、気分は毎日違うから。だから買ってくれた人には自由に履いてほしいですね」
世界的なアーティストになって日本を変えたい
——俳優、モデル、ミュージシャン、アーティスト…さまざまな顔を持っていますが、ズバリその原動力は?
「僕、すべての仕事を“仕事”と思ってないんですよ。もちろん責任感は持っているけど、基本的に『面白そう!』と思ったことを仕事にしているので、全部楽しんでできるんですよね。それに僕のこの自由さを許してくれる事務所やマネージャー、ここにいるスタッフやクライアントさんがいるからこその自分なので、そこにはすごく感謝しています。どんなに自分が被写体として良くても、スタッフがいなかたったらアウトプットができないですしね。だから日々、支えてくれる人への感謝は忘れないようにしています」
——新時代のアイコンと呼ばれるYOSHIさんですが、憧れている人はいますか?
「もちろんマイケル・ジャクソンとかリンキン・パークとか、レジェンドですごいなぁ、と憧れる人はいますが、今生きている人で“この人には勝てないなぁ”って思う人がいないんですよね、僕(笑)。でも素敵だなと思う大人はいっぱいいます。前に地元で行きつけの銭湯の79歳のオーナーから、『YOSHI、今月年金全部使っちゃったよ』って電話がかかってきたんです。理由を聞いたら、『常連のお客さん集めてカラオケおごっちゃって』って。いやそんなかっこいいおっちゃんいるか!? って思って(笑)。そういう人にはならなきゃなって思っていますね」
——最後に、これからの目標を教えてください。
「いくつかあるんですが、最終的な目標は日本人初の世界的なPOPアーティストになること。ジャスティン・ビーバー、カニエ・ウェスト、YOSHIみたいな。それでいい家に住んで、いい車に乗って、いい時計をして…っていうのを目指しています。でもこれはただ単にお金を稼ぎたいんじゃなくて、自分がそうなることで世の中の人が『あいつ生意気だな』って批判するんじゃなくて、『年齢関係なく、あんな家と車持って高い時計してかっこいいな。自分も頑張ろう!』って素直に思って、周りに言える社会にしたいからなんです。やる気やロマン、敬意や感謝が今の日本に足りないなと感じているので、自分がそれくらい影響力のある、世界に通用する人になりたいですね。そうしたらもっと、バブルみたいにいい流れがまた日本にも来ると信じています。ファッションに関しては、18歳か19歳になったらメゾンブランドを作って、パリに行きたい。それでパリでできた友達のブランドを全部東コレに持ってきて、日本のファッションシーンを盛り上げていきたいですね」
CLARKS ORIGINALS × YOSHI
特設サイトにて抽選販売。
抽選販売受付期間/10月30日(水)11:00~11月2日(土)17:00
価格/¥23,774〜
CLARKS ORIGINALS POP UP STORE
期間/10月30日(水)〜11月5日(火)
場所/阪急メンズ大阪1F特設スペース
YOSHI LIVE & TALK SHOW
LIVE
日時/11月4日(月)18:00
場所/阪急メンズ大阪B1F特設スペース
TALK SHOW
日時/11月4日(月)18:30
場所/阪急メンズ大阪1F特設スペース
Interview & Text: Ayumi Kinoshita Edit: Yukiko Shinto