セルフネイルが断然トレンド! 自宅でできるモードなネイル
乾きの速さや塗りやすさに加え、モードな色が続々登場して、ジェルからネイルへと指先のおしゃれを移行する女性が急上昇。自爪ケアで定評のある「ロングルアージュ」とモード派に愛される「uka」の2つのネイルサロンが、自宅でできるセルフネイルを伝授。(「ヌメロ・トウキョウ」2018年5月号掲載)
どんな爪もセルフネイルで美しく変えられる
洋服のコーディネートに合わせてアクセサリーやメイクをチェンジする感覚で、セルフでイージーに“着替え”られるマニキュアに再び注目が集まっている。しかもマニキュアを選ぶメリットは、ファッションを楽しむためだけでなく、指先の本来の美しさを引き出しキープするためにも、ジェルではなく、マニキュアを選ぶべきだとネイルサロン「ロングルアージュ」オーナー東條汀留さんは主張する。 その根本的な考え方は、爪の構造に基づいたもの。爪の生え際の部分にある爪根の下には、新たな爪を生み出す製造工場のようなパーツ“爪母”がある。健やかな爪を育むためには、甘皮を塞がないようにして美容成分を与え、爪母に栄養を行き渡らせることが必須。けれどジェルのような密着性の高い塗料で爪の根元から覆い、甘皮処理(詳しくはこちら)がおろそかになると、爪母に栄養分が届きにくくなり、爪が美しく育つのを妨げてしまう。なお、根元から指先へと爪が伸びるのと連動して、甘皮は本来しなやかに動くもの。ケアを怠って甘皮が必要以上に爪に張り付くことも爪の成長の障害に。美しい爪とは? しなやかで弾力があり、中央部を頂点として左右対称にアーチを描く爪。質感はツヤやかで、生え際には甘皮が帯状にあるのが理想。このプロポーションを叶える近道は、爪の形をラウンドスクエアに整えること(詳しくはこちら)。爪はカットの仕方で、衝撃への強度や質感が変わる。スクエア形の両角を落としたラウンドスクエアにし続けることでサイドが安定し、衝撃に強いアーチ状の爪を育める。ダメージを受けた爪もこのカットと甘皮のケアでリセットが可能。爪が生え変わるのに約半年は必要なのでケアは根気強く!
“裸の爪”はNG。マニキュアはガードの役割も
ジェルネイルは爪全体を刺激の強い成分で覆ってしまう点も、地爪の質感の美しさを阻害しかねない。それでは指先は“すっぴん”のままにしておくのがベストなのだろうか? 答えは“NO”。日中、ベースメイクをしないままでいたら、肌の劣化を早めてしまうのと同様で、爪も何らかのコーティングをしなければ傷つき、老化が進んでしまう。パソコンのキーを叩くだけでもひび割れや“欠け”の原因になるくらい、爪先は日常のあらゆる動作でダメージを受けやすい。
そんなデリケートなパーツを衝撃から守る救世主が、実はマニキュア。少し前には「マニキュアを塗ると、爪が呼吸できなくなる」という説が流布していたが、それは誤解。マニキュアには爪を補強する成分が含まれており、断面や裏側まで含め、しっかり塗ることはむしろ保護につながる。ただし色素沈着を防ぐためにも、ベースコートを施してから重ねることがマスト。マニキュアを塗れないときは、ベースコートだけでも有効だ。
メイクアップやヘアの流行を見ても、時代が求めるのは“素”を覆い隠すようなフィクションの美ではなく、その人のパーソナリティを投影させたリアリティを伴う美しさ。マニキュアへの回帰は、そんな時代の気分も映し出している。また、生き生きとしたヘルシーな指先を手に入れるためには、前述した甘皮のケアのほか、トップコートの塗り直しなどのメンテナンスを週1回程度は続けるのが理想。“神は細部に宿る”という言葉があるが、真の輝きは、きっと指先のようなマイクロパーツに意識を向ける心の余裕から生まれる。今日のケアが半年後の指先の美しさを左右すると心に留め、持って生まれたその指先にたっぷりの愛を!
Photos:Takeshi Nishimura Cutout Photos:Yuji Namba Illustration:Ellie Kubota Text:Chihiro Horie Edit:Hisako Yamazaki Special Thanks:Akane Yamamoto(Longleage)、Mizue Sakamoto(Uka)