疲れがちな現代人に、瞑想のススメ
最近よく耳にする「瞑想」。外資系企業のトップや芸術家、アスリートらが取り入れていることで話題になっている。集中力を高めて仕事の効率をアップする効果もあるという瞑想は、まさに忙しい現代人にぴったり。難しく考えないで、まずはトライしてみよう(「ヌメロ・トウキョウ」2017年11月号掲載)
瞑想とは、心と体をバランスよく
整えて統合させる心身調整法
一昔前までは宗教的なイメージがまとわりついていた瞑想だが、最近では企業の経営者、芸術家、トップアスリートらが取り入れていることで、そのイメージも一新。集中力を高める、仕事の効率を上げるなどの効果から、外資系の企業では会社レベルで瞑想を取り入れるところも多い。瞑想は、できるかできないか、ではなく、するかしないか。「瞑想=苦しい修行」ではなく、誰でも簡単に行うことができるもの。忙しい現代人ほど取り入れなくてはもったいない!
内容も手法もさまざまだけど
大きく分けると、浅い瞑想と深い瞑想がある
浅い瞑想は、例えば毎朝起きたあとに、2~3分くらい目を閉じて静かに座ること。自分自身の習慣を変えて、そこからさまざまな恩恵を受けることができる。一方で「無」の境地であったり、「空」に触れるといった瞑想は、深い瞑想。大きな変容であったり、自分の知らない部分を発見できたり、人生を大きく変えていく。長い時間をかけるものでも、深いからといって手法として難しいものではないが、正しい指導者から習得するのがおすすめ。
現代人にこそ、おすすめ!
体ではどのようなことが起こっている?
深い瞑想をすると、あっという間に体は覚醒低代謝状態になり、呼吸数、心拍出量、血中酸素消費量をぐっと下げ、睡眠よりもさらに深い休息をつくる。これは単なる休息ではなく、ストレスの解放や体の浄化作用、免疫力や自然治癒力を高める結果に。また、この状態があることで、活動時の効率を、肉体的にも精神的にも頭脳状態も、高く保つことができる。仕事をしていてもぼんやりしてしまい、なかなか思うように進まない、睡眠時間はとったのに朝起きても疲れが残ってだるい、などというときは、ぜひ瞑想を取り入れてみよう!
【簡単な瞑想のやり方】
準備 薄暗く、なるべく静かな場所で行う。食後は避けて。できるだけ同じ時間、同じ場所で行う。
1. 軽く目を閉じて頭を楽にして座る。あぐらでも椅子の上でもOK。できれば背もたれを使わずに座る。(横になると眠ってしまうので、座って行いましょう!)
2. 左手の上に右手を重ねて親指同士をつける(ディヤーナムードラ)。もしくは両手のひらを上向きにして、膝やももの上に楽に置く。
3. 骨盤を立てて背筋を伸ばして体の軸を感じたら、上体の力をできるだけ抜いていく。内側に意識を傾けて、静けさを感じていくように。自然な呼吸に委ねていく。
※慣れてきたら通勤電車の中や、テレビを見ている家族の横でもできるので、気楽に行いましょう!
1日2回3分〜!
まずは試してみることから。
自宅で毎日やってみる
朝、目覚めたら伸びなどをして体を起こし、トイレに行ってから始める。一度しっかり起きることが大切。顔、まぶたに力みがないように、眉間のあたりを広くしていくようなイメージで、自然な呼吸に委ねるようにしていく。「お腹すいたな~」とか「今日は○時にアポだ」とか、さまざまなことが思い浮かんできても、それが消えていくまでぼんやり眺めるようにする。慣れてきたら、少しずつ時間を延ばしていく。もう1回は、夕方、できれば夕食前。寝る直前は避けるように。ポイントは、浮かび上がってきた考えや思いを追いかけないこと。
週1回!
指導を受けてより効果的に。
教室に通ってみる
Balancise(バランサイズ)
ヨガ、呼吸法、瞑想、トリートメントなどさまざまなアプローチで、体の内側から外側から、そしてメンタル、意識にも深く働きかけるセッションを行っている。
住所/東京都中央区・世田谷区
TEL/050-3701-0505
URL/www.b-cise.com
瞑想教室 楽空
シンプルで効果の高いELM瞑想が習得できる。ELM瞑想とは、特定のマントラとヤントラを使うことでできる、とても簡単で非常に深い瞑想。誰でも簡単に「空」を体験できる。
住所/神奈川県厚木市
URL/www.raku-meisou.com
10日間!
ヴィパッサナー瞑想を体験。
合宿に参加してみる
ヴィパッサナー瞑想センター
ヴィパッサナーとは「ものごとをありのままに見る」という意味を持ち、インドの最も古い瞑想法の一つ。「生きる技」として古くから伝えられてきたもので、10日間の合宿コースを通して、S.N.ゴエンカの指導によるヴィパッサナー瞑想法を学ぶことができる。コース後も日常の生活に取り入れ、その恩恵を受けることを目標にしている。瞑想の未経験者も参加可。京都と千葉の自然に囲まれた場所に瞑想センターがある。
Direction:Sayumi Gunji Edit:Etsuko Soeda , Sayaka Ito Text:Miki Imai