あの人がナビゲートする、知る喜び vol.9 アートギャラリー
「それ、いいね!」という言葉が飛び出すのは、知らないことを知ったとき。その道のプロでもファンとしてでも、時代の空気感を敏感に、意識的にキャッチしている人たちに聞いた、知ってうれしい深堀りカルチャーあれこれ。vol.9は、アーティスト、編集者、ライターとして活動する山瀬まゆみが通う「アートギャラリー」を紹介。(『ヌメロ・トウキョウ(Numero TOKYO)』2019年12月号掲載)
ギャラリーで新しい作品とアーティストに出会う
「インスタグラムなどSNSを見ていると、まだ会ったこともない人や絵なのに知らぬ間に親近感を覚えて、もうすでに経験したような錯覚をします。以前ロンドンで公園を歩いていて『あの人見たことある』と思わず声をかけようとしたら、隣にいた彼から『あれ、ベン・ウィショーっていう007にも出てる俳優だよ』と言われ、声をかけずに済んだのを思い出します。もちろん、私も作品を作る一人として、実物を見に来てもらいたい気持ちも重々あります。が、同じくらい友人や行きたかった展示を逃してしまったときの気持ちもよくわかるので、あまり強く『来て!』とは言えません。ですが、使命のようにギャラリーを回るのはどこか違うと思うし、気になるギャラリーに散歩がてら行くくらいが個人的には好きです。思ってもない出会いって意外に(絶対)あったりしますしね。ただ展示期間や時間はチェックしていかないと目の前まで行って……。というのもギャラリーではあるあるなので、そこだけ要注意です」
アートブックの出版も開始
nidi gallery(ニーディギャラリー)@恵比寿
「日本に帰国していちばん最初に個展をさせてもらった思い出深いギャラリー」。2008年に東京・赤坂でオープン。現在は恵比寿に移転。昨年はアートブックの出版活動も開始した。11月は「DOOKS Book ExhibitionVol.6」、12月は菅祐子個展を開催。
住所/東京都渋谷区東2-27-14 ペガサスマンション恵比寿#102
Tel/03-6277-5579
nidigallery.com
名前の由来は跡地から
clinic(クリニック)@三軒茶屋
診療所跡地を改装したジャンル不問のローカルオルタナティブスペース。生活を豊かにする新奇なカルチャーを発信する。「ブルーボトルコーヒーと同じ建物にあります。私の姉でアーティストの山瀬なつみの個展を11月2日までやっているのぜひ! ちなみに日本初個展です」
住所/東京都世田谷区三軒茶屋1-33-18
お問い合わせ/info.clinictokyo@gmail.com
www.clinictokyo.com
アートをライフスタイルの一部に
QUIET NOISE arts and break(クワイエット ノイズ アーツ アンド ブレイク)@池ノ上
さまざまなアーティストにフォーカスを当て、企画展を開催。人の心に作用するものをアートと考え、日々の生活にアートを取り入れるライフスタイルを提案する。「入りやすい雰囲気なのでもっとアートを身近に感じられます」。11月1~24日まで守矢努個展を開催(平日はアポイント制)。
住所/東京都世田谷区代沢2-45-2 1F
Tel/03-5738-8440
www.quietnoise.jp
アパレルブランドも展開
Cale Gallery(カル ギャラリー)@東麻布
同名のファッションブランドも手がける佐藤佑樹がオープン。「オーナーの佐藤祐樹とは9歳からの幼なじみ。東麻布はあまり馴染みがない場所ですが、六本木の美術館やギャラリーが徒歩圏内。身近なアーティストも展示することが多いのでいつもチェックしてます。洋服もかわいいです! 」
住所/東京都港区東麻布3-4-6-1F
Tel/03-6441-3661
cale.jp
※写真の展示は終了しています。
蔦の絡まった外観が目印
MIDORI.soGALLERY(みどり荘ギャラリー)@中目黒
働き方の可能性を追求し、クリエーター同士のコミュニケーションを重視するコワーキングスペース「みどり荘」。ギャラリーは独自の視点で切り取った世界を発信し、共有するためのスペース。「ジャンルレスでランダムなアーティストが展示するので刺激があります」
住所/東京都目黒区青葉台3-3-11 みどり荘3F
midori.so/
※展示の情報は本誌発売(2019年10月28日)時点のものです。予定は変更する場合があります。各公式サイト等でお確かめください