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Culture Art
初詣からラスボス降臨?
伊藤桂司×小町渉コラボ・コラージュ展

Text:Keita Fukasawa

© KEIJI ITO & WATARU KOMACHI
2015年、年明け。時代はいよいよ “コピペ化” の一途をたどっていた。

この手で何かを創りたい。まだ見ぬ眺めを描きたい–−。人が人たる証というべき創造性、そのきらめきから生み出される素晴らしきアートの数々が、ネット上で無断盗用。
誰かがつくったイラストやキャラクター、写真やデザインなどを、キュレーションと称してコピペ、記事にする。それを平然と丸写しするバイラルメディアがTwitterやFacebookで大量拡散。そのことに疑いすら持たない、純朴なる市民たちが、「これも自己表現!」とばかり、釣られまくってシェアを繰り返す–−。
オリジナルとコピペ、著作者と盗人、リアルと剽窃がごちゃまぜのごった煮状態となり、1億総コピペ加担社会がいま、ライジングサンしつつあるのだった。

© KEIJI ITO & WATARU KOMACHI
そんな中でも、ハサミと糊(のり)を両手に携え、ネット社会の出現以前から日々ブレることなく膨大なコラージュ作業にいそしんできたアーティストたちがいた。

1人の名は、伊藤桂司(いとう・けいじ)。
ノスタルジーとエキゾチシズムあふれるモチーフを色彩豊かに組み合わせ、むせかえるようなグラフィック・パラダイスを紡ぎ出してきたアーティスト/アートディレクター/映像作家。
テイ・トウワ、木村カエラ、スチャダラパーら音楽関連の仕事や、愛知万博EXPO2005世界公式ポスター、Softbankのキャンペーンをはじめとする広告のアートワーク、NHKの番組タイトル&セットデザインなど、ワイドレンジな活躍を続ける “コラージュ界のグランドマスター”(※勝手に命名その1)である。

Profile

深沢慶太(Keita Fukasawa) フリー編集者/ライター/『Numéro TOKYO』コントリビューティング・エディター。『STUDIO VOICE』編集部を経てフリーに。『Numéro TOKYO』創刊より編集に参加。雑誌や書籍、Webマガジンなどの編集・執筆、企業企画のコピーライティングやブランディングにも携わる。編集を手がけた書籍に、田名網敬一、篠原有司男ほかアーティストの作品集や、編集者9人のインタビュー集『記憶に残るブック&マガジン』(BNN)など。

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