ティファニーブルーの魔法にかけられて。「Tiffany & Co.」初のエキシビション in 上海 | Numero TOKYO
Fashion / Editor's Post

ティファニーブルーの魔法にかけられて。「Tiffany & Co.」初のエキシビション in 上海

ティファニー(Tiffany & Co.)の史上初となるエキシビションが上海にて開催中。ブランドの偉大な歴史を目の当たりにできる圧巻の展示内容から、世界中のゲストを招いた華やかなパーティまで、プレスプレビューでの夢のような体験をレポートします。

エキシビション会場のルーフトップからは、この眺め!
エキシビション会場のルーフトップからは、この眺め!
初めて訪れる上海の印象は、想像以上に都会的でエネルギッシュ。高層ビルやラグジュアリーブランド店が建ち並ぶ街の景色からも、今まさに急成長中! という破竹の勢いを肌で感じました。
旅のお供はもちろん『ティファニーで朝食を』(村上春樹訳)。
旅のお供はもちろん『ティファニーで朝食を』(村上春樹訳)。
そんな世界が熱視線を注ぐ上海にて、ティファニー初の大規模エキシビションが開催。有名なアーカイブピースのあれこれから、最新のハイジュエリーコレクション、180年の歴史を物語る資料まで一堂に会する、それはそれは貴重な機会ということで楽しみにしていました。

いざ、めくるめくティファニーの世界へ!

会場エントランス。
会場エントランス。

会場は、外灘エリアの南側に位置するアートセンター、Fosun Foundation。1階から3階までの広ーいスペースを、6つのチャプターで巡る贅沢な展示空間です。

まずご覧いただきたいのが、1階の「Tiffany Blue Room」。一歩足を踏み入れただけで、そこはもうティファニーの世界!! ブランドの代名詞であるティファニーブルーの空間には、NY5番街の名物とも言えるブティックの過去のウィンドウディスプレイを再構成してジュエリーとともに展示しています。

これが、あのジャン・シュランバージェによる名作「バード・オン・ア・ロック」…!! 永遠に眺めていられるほど美しいアクアマリン。最大限の輝きを引き出すカッティングの技巧に見入ってしまいます。

そのほか、モンタナサファイヤやタンザナイトなど、ブルーのジェムストーンをフィーチャーした作品がずらり。

左は、ティファニーの伝説的なウィンドウを手がけてきた、ジーン・ムーアの代表作「Ice Tongs」。氷を掴むトングを、ジュエリー職人が使う工具になぞらえているのでしょうね。

ご覧ください! この今にも物語が始まりそうなウィンドウの数々を。

もちろん宝石そのものも恐ろしいほど美しいのですが、それを映画のワンシーンのようにポエティックに、またあるときはクスッと笑みがこぼれるユーモアたっぷりのビジュアルで演出するという、ティファニーの素晴らしいクリエイティビティに魅了されました!

歴代ブルーブックにうっとり

ティファニー最高峰のハイジュエリーコレクションである「ティファニー ブルーブック」。1845年の初版から最新の2019年にいたるまで、歴代の作品がジュエリーを紹介するカタログとともに大集結しています。

ただでさえ、なかなかお目にかかれない秘蔵ジュエリーたち!! 超絶的なクラフトマンシップと麗しいデザイン、一級の素材が結びついたアートピースにため息の嵐です。

ジュエリーが宙に浮いているように見えるディスプレイも素敵でした。そして、ブルーブック自体のデザインもこんなにおしゃれとは!

遊べるインタラクティブな仕掛けも

ティファニーは恋人たちにとっての憧れであり、愛の象徴。そういえば、ジャスティン&ヘイリー・ビーバー夫妻が結婚指輪に選んだのも、ティファニーでした! この部屋では、数え切れないほどのカップルが愛を誓ったであろう、アイコニックなティファニー セッティングなどのエンゲージメントリングを紹介。さらに、画面に好きな文字やイラストを描くと、それが壁をゆらゆらと流れていくという体験型のインスタレーションも楽しめます。

ニューヨーク5番街が出現!? 気分はホリー・ゴライトリー

最初のティファニーブルーの部屋と同じくらい、最高に気分が上がりました! なんと、NY5番街のお店の外観とドアをそっくり再現。そう、ここは『ティファニーで朝食を』がテーマの一室です。

会場で水原希子さんに遭遇! 展示をじっくりと見入っていたのが印象的でした。

左の写真は、オードリー・ヘプバーンが着た有名なジバンシィのブラックドレスを、中国人アーティストの李晓峰(リ・シャオフェン)がなんと磁器を使って作り上げた、このエキシビションのための特別な作品。NYの街並を背景に写真が撮れちゃうフォトスポットも。

初公開となる、映画撮影時のビハインド・ザ・シーンを収めた貴重な写真も展示されています。

ポスターや衣装デザイナーのイーディス・ヘッドによるデザイン画など、映画にまつわる資料がたくさん。オードリー直筆のメモが残っている台本までありました。『ムーン・リバー』の曲が流れていて、ちょっとセンチメンタルな気分にも。『ティファニーで朝食を』は、本当に永遠の名作ですね。

ちなみに、会場のBGMは、B6というアーティストがこのために作曲したそう! このほかにも、128.54カラットのファンシー イエロー ダイヤモンドが鎮座するダイヤモンドの展示室など、見どころ満載です。

セレブたちが祝福! 上海の夜を彩る華やかなパーティ

ツアーの締めくくりは、世界中からエディターやインフルエンサー、セレブリティが多数出席した華やかなパーティ!

日本からは、水原希子さんとAMIAYAさん、そして登場するや会場が騒然となった、中国を代表する大女優コン・リー、オスカー女優のブリー・ラーソンが登場。人気双子DJのシミ&ヘイズも会場を盛り上げていました。

日常を特別にする、ティファニーのエブリデイ・ジュエリー

素敵な展示を見たあとは、すっかりティファニーの虜に。ハイジュエリーはとてもじゃないけれど手が出せませんが、デイリーに愛用できるジュエリーは集めたくなります。今回の旅を共にしたアイテムをご紹介。左は「ティファニー ハードウェア」コレクションのピアス。3連のボールとチェーンがモダンで、驚くほど軽く心地が抜群です。右は、「ティファニー T」のゴールドのリングと新作のチェーンブレスレット。シンプルなデザインですが、身に着けるとしゃんと背筋が伸びるような気持ちになります。

機会があれば、もう一度じっくり巡りたいと思うほど充実のエキシビション。言葉にできないくらい美しいジュエリーとそのストーリーに触れることで、ティファニーの類まれなるクリエーションの世界をぜひ皆さまにも体感していただきたいです。

“VISION & VIRTUOSITY”

会期/2019年9月23日(月)~11月10日(日)
住所/Fosun Foundation 600 Zhongshan East 2nd Road, Huangpu District, Shanghai

 

Profile

新藤友紀子Yukiko Shinto ウェブ・エディター。女性ファッション誌のウェブ編集などを経て2018年『Numero TOKYO』に参加。ファッションをはじめ、カルチャーやライフスタイルなど興味の赴くまま取材。Numero.jpでは連載「パン野ゆりのぶらりパン歩き」「パントビスコの不都合研究所」やスイーツの記事などを中心に担当している。最近は韓国ドラマやK-POPに目覚め、失われた青春を取り戻すかのように沼り中。

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