People / Interview

藤原竜也インタビュー
「ジジイの特権を行使するダメ俳優が理想」

旬な俳優、女優、アーティストやクリエイターが登場し、「ONとOFF」をテーマに自身のクリエイションについて語る連載「Talks」。 vol.34は俳優、藤原竜也にインタビュー。

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ジジイの特権を使って、典型的なダメ俳優でいたい

──『プレイヤー』は、ある芝居のリハーサルで、稽古する人々に死者の言葉が降りてくる話。死生観、人間にとって死とは何かを考えることはありますか。

「あります。今までは自分のことは二の次だったけど、子供が生まれて成長を見守りたいとか、両親のこととか。ただ、まだ早いけど、人は誰でも老いにも向き合わなければいけない。俳優は特にそうですよね。セリフが入らなくなった、体が動かなくなった、鋭くなくなったとおっしゃる先輩がたくさんいらっしゃいます。僕だって必ずその状況になるわけだから。でも、老いは恥ずかしいことでもみっともないことでもなく、誰にでもくること。30代半ばって、ちょうど考え始める歳かもしれない」

──老いというか、年輪への憧れは?

「あります。ジジイの特権を使ってみたいというのはある。ジジイの特権という名の下、何やってもいいわけだから。芝居だって「これでいいだろ?」と言えば、周りは「いいですね!いいですね!」(笑)。誰だって、大先輩に「これ、どうだった?」と聞かれたら「よかったです」と言うしかない。逆に、寂しさもありますけど。40、50、60代になったら、一度は年齢がここで止まってくれと願うでしょう。こればかりは仕方なくて。よくご一緒させてもらうカメラマンの操上和美さん。彼は「老いることは仕方なくて、山があって下りが必ずある。その下りをいかにスローにするか、上手く向き合っていくかだ」と言うんです。まあ、操上さんは80歳過ぎても、バリバリですから(笑)」

──藤原さんは80歳過ぎてもバリバリでしょうか?

「演劇界の大先輩が、最後までセリフと向き合いながらシェイクスピアみたいに逝ったと聞いて、僕はそこまでの度量、覚悟はないと思う。もうちょっと典型的なダメ俳優でいたい。呼ばれたからこの仕事だけ行こう、みたいな。それが僕のいうジジイの特権。ただし、今はみなさんやり続けるでしょ?立ち止まらずに。それもカッコいいと思う。僕はまだ35歳ですから、表現し続けることがみなさんとのコミュニケーションだと思うし、やり続けているから発信できる、言えることがあると思う。とにかく稽古。立ち止まらず、休まずに」

舞台『プレイヤー』の情報はこちら

Photo:Yuji Nanba
Interview&Text:Maki Miura
Edit:Masumi Sasaki

Profile

藤原竜也(Tatsuya Fujiwara) 1982年5月15日生まれ。埼玉県出身。97 年に蜷川幸雄に見出され舞台『身毒丸』のロンドン公演にて俳優デビュー。2003年『ハムレット』にて、紀伊國屋演劇賞個人賞、朝日舞台芸術賞寺山修 司賞、読売演劇大賞優秀男優賞・杉村春子賞を受賞。『ロミオとジュリエット』(04-05)、『ムサシ』 (09)、『下谷万年町物語』(11)などの蜷川演出作品ほか、数多くの舞台に出演。同時に映画、TV ドラマでも活躍。主な出演作に、ブルーリボン賞 新人賞、日本アカデミー賞主演男優賞・新人俳優賞を受賞した『バトル・ロワイアル』(00)、『DEATH NOTE』(06)、『カイジ』(09)などがある。現在、主演映画『22 年目の告白 ―私が殺人犯です―』公開中。

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